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【プロレシピ】究極のワサビ漬の作り方【完全無添加】

手作り本わさび漬、熟成日数で味が大きく変わるのが楽しい

本レシピのポイント

・誰でも簡単に作ることが出来る。
・本わさびと酒粕の奥深さを知れる。
・見切り品の山葵でも意外と美味しくなる。

本レシピについて

実にシンプルな作り方かつ、美味しいわさび漬の作り方を紹介するのが本記事の内容となります。

人によっては怒るかもしれませんが、仕事やプライベートで嫌になるほどわさびを頂き、刺身で食べて喜んでいたのも最初の内だけで最終的に持て余す様になりました(笑)。

そこで家族の好物であるわさび漬けを作る様になりましたが、安定して良質なレシピが作れる様になってきたので今回はレシピの公開をすることにしました。

わさび漬とは何か?

意外と情報が無いので、Wikipediaを参照にしましたが『刻んだワサビの葉や茎、根を酒粕に漬けた食品』とのことです。

発祥の地は静岡県と言われており、1889年に開通した東海道本線の静岡駅において、木で出来た化粧樽に詰めたわさび漬が車窓越しに販売されていました。

その製品が人気を博し、日本全国に広がったそうです。

わさび漬は微妙なものが多い

一般的なわさび漬の弱点としてわさびが高価であることからかさ増しとして切り干し大根や安いダレモノの数の子(持つと伸びる物)が良く使われます。

切り干し大根も数の子も美味しいものを使うとわさび漬も美味しくなりますが、意外と拘っていないメーカーが多いですね。

又、国産ものでも安いものが販売されており、大抵はワサビの葉っぱを大量に使ったわさび漬となっています。

物が悪いワサビを使い、コストの高い良質な酒粕を使うことを避け、旨味を補うために化学調味料を加え、保存製を高める為に人工甘味料、果には香りが足りないからといって香辛料を足す場合も…。




手作り漬物の魅力

市販されている漬物を家庭で作るメリットは『完全無添加』『旨味調味料不要』『コストの設定を各自調整出来る』などでしょう。

小売店で販売されている漬物が高い理由は熟成期間が長いことが大きく、手間もですが時間にお金が掛かっています。

ですが、冷蔵庫の片隅に入れておけば漬物関連は大体作ることが可能なので、職人から素人まで幅広く楽しんで作れるのが良い所です。(大変なものは常温保存のぬか漬けと粕漬ぐらいかと)。

わさび漬の材料の選び方

レシピで使う材料は本わさびと酒粕、調味料は塩・砂糖・本味醂・日本酒だけです。

折角なので、知ってくと便利な本わさびと酒粕についての情報を記載しておきます。

本わさびの産地はどこが良い?

本わさびは日本原産であり、全国的に栽培することは可能となっていますが、主要な産地は長野県・静岡県・島根県となっています。

通販で購入したことはありませんが、国内産地のサービスエリアや物産展、高級スーパーなどでは安定して購入でき、小ぶりな物(人差し指一本程度)は500円程度から販売されています。

特上品は2~3倍する程高いものもあり、サイズによらず、甘味も辛味も最高でしたが…個人での購入はオススメしません。

ですが、絶対的にココ!という産地は無く、品種も様々ある様ですが、一般人が手に入るレベルのワサビでは基本的には一緒です。

輸入品のワサビについて




本わさびを一切使っていない粉ワサビやチューブタイプのワサビは山ワサビ(西洋ワサビ、ホースラディッシュ、レホール)を使っているのは最早常識となっており、甘味料やデンプン、油、着色料などを用いて本わさびに近い味わいを作っています。

しかし、本わさびを使ったチューブのワサビや刻みワサビもそこまで高くないのには理由があり、本わさびは原種が日本ではあるものの、外国でも栽培されているからです。

今では世界的に本わさびを栽培する国は増えており、台湾・インドネシア・中国・ニュージランド・オーストラリア・カナダなどで栽培されており、品質も悪くありません。

なのですが、個人で輸入できる海外産ワサビがないので結局、自家製わさび漬においては国産しか選択肢に入りません。

太くて緑色のものは良いワサビ?

と一般的に言われており、料理人である管理人もそう思っていましたが、経験則的には特定な条件を満たしたワサビならサイズに関わらず、風味が芳醇で、甘味と辛味が同居している模様です。

関東中心にはなりますが、採りたてのワサビとは言え、皮は結構黒いものが多く、太いからと言って特別秀でている訳ではありませんでした。

その黒い皮は軽めにタワシで磨くと美しくなる為、物産展やアンテナショップなどではその様なワサビが多く販売されている印象です。

水ワサビと土ワサビ

実は同じ品種なのですが、水ワサビ(沢ワサビ)は水耕栽培(渓流や湧き水など)、土ワサビ(畑ワサビ)は完全な土の中で栽培されます。

科学的な理由は長くなるので省略しますが、沢ワサビでないと肝心の根の部分が肥大化しない為、本わさびの大抵は沢ワサビであり、土ワサビは葉っぱの為に育てます。

わさび漬の味の決め手は酒粕!

酒粕というと素の酒が良ければ美味しいと思いがちですが、実は日本酒の製造方法と酒粕の種類が大きく影響しています。

そもそも酒粕が何かというと、日本酒の材料になるもろみ(麹や米などの固形物が混ざった液体)を絞り、濾すことで清酒が完成し、その絞り粕が酒粕となります。

勘の鋭い人はここで気がつくかもしれませんが、美味しい酒粕とは絞りすぎないものなので、湿り気がある酒粕には基本的に旨味や甘味などが残っており、どの料理・甘酒にしても良質なものに仕上がります。

1.板粕

カチカチになっている板状の酒粕であり、機械を使って圧搾したものが多く、値段が安い代わりに酒粕の中でも相当旨味が絞られているので、こちらはオススメしません。

敷いて選ぶ理由を挙げるのならば甘味を可能な限り減らしたい場合ですね。

若干話題はズレてしまいますが、豆乳を作る際に出るおからも同じ理由から大量生産をしているメーカーは美味しくありません。

2.ばら粕

人力で取り出した物が多く、昔ながらの製法を守っている/応用している醸造メーカーでは多く見られる酒粕です。

又は、大吟醸・吟醸酒の酒粕は米を低温発酵させるているので、米粒が溶けきれず、酒の成分が多く残っていることから旨味と甘味が強めとなっていますが、固形物が多い為、板粕に加工できないという理由もあります。

故に、柔らかく、ポロポロと崩れやすいにも関わらず、板粕よりも高級品となっていますが、手に入れることが容易ながらも比較的良質です。

3.練り粕/踏み粕

ばら粕を踏む・練るなどの物理的な作用を行うことで固形化している酒粕をより細かくした酒粕です。

滑らかになることで甘味がより強く感じられ、加工しやすくなり、手間を掛けている醸造メーカーしか製造しない為、基本的に不味いものが少なくなっています。

加えて、中には数ヶ月熟成させたものがあり、茶色っぽい色合いになりますが、発酵させることにより、旨味を増しているものもあります。

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長く熟成させたものは有名な物では赤酢の原料となり、コチラで作る赤シャリは独特の美味しさがあります。

又、奈良漬の原料になるのもこちらの練り粕となり、短いものでは1年、長いものでは10年寝かしたものを使いっています。

酒粕の知識を踏まえた上で選ぶと…

当然ながらわさび漬に最適なのは練り粕/踏み粕から選ぶのが良いでしょう。

ただし、発酵しているのが前提条件となる為、パッと見た実物or通販の画像で色合いが茶色っぽいものを選ぶと発酵しているものがわかります。

白っぽい色をした硬そうなものは避けるとも言い換えられるので、小売店で実物を見ていると何となく分かる様になってくると思います。

レシピ

ワサビ漬はシンプル故にいい材料が必要

使用道具

包丁
まな板
ヘラ
保存容器

材料

本わさび 10cm前後    5本
八海山(練り粕)      1袋(300g)
日本酒(こんにちは料理酒) 大さじ1
本味醂(福来純 本みりん)  大さじ2(要調整)
塩(サルフィオーレ 細粒)  小さじ1(要調整)
砂糖(スプーン印 上白糖)  甘味の微調整用

この手のレシピでは材料が違うと全く別物に仕上がる為、全ての材料を記しておきます。

ワサビの辛味がしっかりと出るレシピであり、妥協するポイントは本わさび以外はないですね。

といっても、完璧に真似する必要は無く、レシピ内で味の調整方法を記載するので好きなものを使用してください(みりん風調味料だけは不味すぎるので不使用推奨)。

1.本わさびを2~5mm程度に刻む。
本わさびの茎と葉、全てを粗く刻む

茎と根を両方とも刻みますが、大きさにムラが合ると歯応えに変化が生まれるので実は悪くありません。

丁寧に細かく刻んでも問題はありませんが、大きめに刻むのには理由があり、味が熟れるまでに時間が掛かる分、熟成の段階でワサビの風味が飛びにくくしているからです。

アルコール分が残りすぎているわさび漬は少し残念であり、辛味が無いわさび漬はもっと残念ですからね(笑)。

2.酒粕と調味料を合わせる。
少量の日本酒で酒粕と砂糖を溶かす

最初に酒粕を練り、口当たりが良くなる程度に日本酒や本味醂などで柔らかくしていきます。

八海山の練り粕はかなり柔らかいのでほとんど酒類を足しませんが、水分が少ない酒粕を使う場合には多めに使う場合があるので、良い日本酒と本味醂を用意しましょう。

しっかりと練れたら、自分の感覚で味見しながら甘味と塩味を調整しましょう。

わさび漬の場合にはほとんど水気が増減しない為、ここでほぼ味が決まりますが、自信が無い人は甘味だけは控えておき、ある程度熟成してから砂糖の量を微調整すると失敗が少なくなります。

3.よく混ぜる。
全ての材料を混ぜるだけ、ワサビ漬を作る場合には特別なことは要らない

ここで味見をしても意味が無く、2,3日経った程度で味見をすると本わさびのえぐ味を感じます(敢えて味見してみるのも面白いかもしれません)。

出来れば1日1回かき混ぜると仕上がりが早くなりますが、面倒な場合は3日に1回ぐらいでも大丈夫です。

熟成を促さす為というのもありますが、先述したえぐ味とアルコール分を程よく抜くための作業となっています。

密封容器に保存しますが、完璧に密封するよりも僅かにフタを空けておくのが美味しく作るコツですね。

4.完成
手作り本わさび漬、熟成日数で味が大きく変わるのが楽しい

個人的な経験になりますが、3週間ぐらいすると味が落ち着き、アルコール分がそれなりに飛んでくるので完成としています。

5本も入れているので本わさびの風味と辛味がしっかりと感じられ、鼻を抜ける様な刺激は市販品以上に堪能できるでしょう。

粗めに切ってある本わさびのシャキッとした歯応えも楽しく、このわさび漬を蒲鉾に載せたら至福のひと時は間違いありません。

アレンジ素材について

数の子

数の子入りにしたい場合には無漂白の原卵を購入し、少しだけ塩分を残した塩抜きした数の子とわさび漬を合わせてから1週間ほど寝かします。

切り干し大根

こちらも無漂白のものを選び、水で戻したら適当な大きさに切ってからわさび漬に混ぜ込みます。

水っぽくなったわさび漬の時にはサッと水で洗う程度にし、完璧に戻さずにわさび漬に混ぜ込むと水分を吸ってくれます。

麹(乾燥/生どちらでも)

酒粕の旨味と甘味が足りない時に使うと奥深い味わいが出ます。

山ワサビの粉末

ちょっとした裏技みたいなものですが、ワサビをケチッた場合には酒粕が主役になりかねないので、そういう時には西洋ワサビの粉末が手っ取り早く辛味を出すのに最適です。

チューブのわさびやホースラディッシュ、粉ワサビなどは色々と入っているので雑味が増えやすく、辛子同様にシンプルな粉末タイプの方が辛味・風味共に優秀です。

パックの刻みワサビは使える?

個人的には全く使うメリットが無く、ほとんどが葉っぱの為、そちらにお金を使うよりもほぼ同価格の本わさびを1本買う方が良いでしょう。

又、やたら添加物が多いので、本格派志向のわさび漬には仕上がりません。

まとめ

出来上がりが500g前後で材料費は3,000~4,000円程度するので当然ながら販売している店舗はかなり少ないですが、そこそこのわさび漬を買うよりは遥かに安く仕上がります。

手前味噌同様に、何よりも自分好みの味わいに作った漬物は変えがたい存在であり、長々と書いた話とは裏腹に、本わさびを刻んで調味料を和えるだけのシンプルさはお手軽です。

味付けの難易度も低めであり、男性の趣味の料理としても魅力的なレシピの1つだと管理人は考えています。

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