セールスポイント
・昔ながらの酸味が少なくもコクがあるケチャップ。
・和と洋の美味しい所を合わせたウスターソース。
・2つの商品を一緒に使ったナポリタンが絶品。
太陽食品について
1928年に創業した「太陽食品工業」は愛知県の地元民だけではなく、全国的にファンがいるソースの食品加工メーカーです。
愛知県では20店舗を超える取扱店舗がありますが、静岡県では50店舗を超え、東京や京都でも取り扱われています。
静岡県で人気がある理由としては「富士宮焼きそば」に使われやすいウスターソースだからかもしれません。
取り扱っている商品は多くなく、主に人気があるのはトマトケチャップとウスターソース、トンカツソースとなっています。
太陽ケチャップは懐かしの味
スーパーやコンビニなどの量販店で販売されているカゴメやデルモンテなどのケチャップしか味わったことがない人ほど、「太陽ケチャップ」を使うと虜になることが多い商品です。
特徴としては使用する酢の量を控えて、トマト本来の旨味と甘味を損なわないように仕上げており、香辛料を効かせています。
これにより、昔ながらのオムライスやナポリタンなどの味を簡単に再現でき、トンカツソースやデミグラスソースのベースにも使うことが出来ます。
少数生産の為、安定して手に入るかはわかりませんが、メディアで紹介される・ギフトセットを貰う事でファンが付くことが良くあるそうです。
ウスターソースは十人十色
太陽食品のウスターソースに入る前に色々なウスターソースについてざっくりとまとめます。
ウスターソースと言えば国産品ならば「ブルドック」や「カゴメ」、「金蝶」などが有名であり、ウスターソースの原点と言われるイギリス産まれの「リー・ペリン」が有名所です。
ですが、ウスターソースの味は醤油や味噌と違い、イメージ通りの味が無く、家庭や店によって求める味が異なるので何を選べば正解というのはありません。
調理師の管理人の経験的な分類になりますが、国産は果実を多めに使ってフルーティーかつ香辛料が控えめで、日本の洋食(フライ、ナポリタン、カレーなど)に合う様にソースだけである程度完結するイメージです。
海外のウスターソース、といっても「リー・ペリン」しか使ったことがありませんが甘味が少なく、薬剤師と共同開発した影響からスパイシーな商品に仕上がっています。
漢方の様なクセのあるスパイスとアンチョビのコクと塩気、そして強い酸味を持つタマリンドが効いているので、基本的にはそのまま使うと今の日本人の嗜好に合っていないかもしれません。
ですが、料理が好きな人にとってはかなり使えるソースであり、そのまま使うのではなく、何かの液体とブレンドする・隠し味に使うなどによって化けます。
元々はインドのソースから発想を受けて作られたウスターソースなので、エスニック料理とも相性が良いのもわかりますね。
太陽ソースは和と洋の中間に近い
「太陽食品」の公式画像を見ると香辛料はタイム・クローブ・ナツメグ・コショウ・唐辛子・タマリンド・ローリエ・シナモンなど(全部合っているかは自信ないですが笑)をホール(削っていない原型を残したもの)のまま購入し、製造する直前に製粉します。
スパイスはそば粉と同じ様に挽きたてが一番風味を楽しめ、味がいいからですね。
野菜はタマネギ・ニンニク、そして大豆の旨味を加えることでどことなく日本側に少し寄っているのがポイントでしょう。
「太陽食品工業」は創業当時から木桶を使って長期熟成させており、創業当時から変わらぬ味を作っていますが、1ランク上の「スーパー特選太陽ソース」はこちらの「太陽ソース」をよりコクがある濃厚な味としたものになっているそうですが、製法の違いは明記されていませんでした。
レビュー
今回紹介するのは「太陽食品」の「太陽ケチャップ」と「スーパー特選 太陽ソース」です。
▼パッケージです。
昭和感の漂うレトロなパッケージになっており、教科書とかに載っていそうなデザインです。
▼太陽ケチャップの中身です。
量販店で扱っているケチャップは酸味がしっかりしていますが、コクが強いので様々な料理に使うには便利な調味料です。
一方、「太陽ケチャップ」は酸味が控えめですが、トマトのフレッシュさをほんのり残しつつもコクがしっかりとあり、やや香辛料が効いたスパイシーさも楽しめます。
トマトの香りよりもスパイスの風味を強めに感じますが、食べてみるとトマトの味がしっかりとメインなのが面白い所です。
酸味が抑えられることでトマト本来の旨味とコク、爽やかさを感じられるのでシンプルなオムレツやロールキャベツなどの仕上げに使う方法がオススメですが、料理に使ってもこの特性は無くならないので、トマトベースの味にしたい場合は使ってみるのも良い使い方ですね。
恐らく、このケチャップを使うと安いケチャップに戻った時に圧倒的な差を感じることは覚悟しておいてください(笑)。
▼スーパー特選 太陽ソースの中身です。
先述した様によく見かけるウスターソースの中では一番トロミがあり、麺類と絡みやすいのが特徴です。
風味はブルドックのウスターソースよりはフルーティーさを感じませんが、スパイスはやや強めになっており、先述した様に和と洋のウスターソースを混ぜ合わせた様な印象ですね。
▼市販のコロッケも1段美味しく。
塩気は市販品よりマイルドですが、甘味は気持ち強めでほのかな酸味とスパイシーさがエビフライやコロッケなどに合いすぎます(笑)。
これで福井の名物料理であるソースカツ丼を作っても美味しいです。
ほのかに醤油テイストを感じる旨味は大豆の旨味を抽出したものを加えることで、日本人好みの味わいを作り出すことが出来るのでしょう。
焼きそばと相性がいい理由としては通常のウスターソースよりもトロミがあり、塩気が少ない分たっぷりとソースを入れられ、ほのかに感じる醤油の雰囲気が和食に寄ってくれるからだと思います。
オススメの使い方
ミートボール
こちらは豚挽き肉に塩コショウとタマネギを加えて、良く練ってから揚げたミートボールにキャップを掛けたものです。
シンプルですがケチャップ本来の味わいを損なうことがなく、オムレツやロールキャベツに使うのと同じぐらい楽しめます。
ハンバーグに使いたい場合はケチャップだけよりも、好みのウスターソースと1:1の割合で混ぜて軽く加熱したバーベキューソース風がオススメです。
鉄板トマトチーズ焼き
材料
サラダ油 小さじ1
鶏もも肉 1枚
塩コショウ 少々
タマネギ 1/4個
じゃが芋(小) 3,4個
太陽ケチャップ 大さじ2
ミニトマト 2個
ピザ用チーズ 適量
作り方
1.ミニトマトは1/4のくし切り、タマネギは粗みじん、鶏肉は1口大に切る。
2.じゃが芋は皮ごと茹でて、完璧に火を通す。
3.オーブン可のフライパンに油を敷いて、塩コショウした鶏肉を焼く。
4.鶏肉の表面に軽く色が着いたら、タマネギを入れて炒める。
5.ケチャップを入れたら具材に馴染ませる。
6.ミニトマトとじゃが芋、チーズを載せたら最高温度のオーブンで加熱する。
7.チーズが溶けて程よい色になったら完成!
イメージとしてはチキンライスの米をじゃが芋に変えた感じの料理ですが、ケチャップに鶏肉とタマネギの旨味が加わるので、立派な洋食のソースに早変わりします。
チーズは写真ではキレイに見える様にしていますが、見た目のバランスが悪いぐらいチーズを載せた方が美味しく、パンも食べやすくなります。
富士宮焼きそば(2人前)
材料
太めの中華麺 2人前
油かす 30g
サラダ油 小さじ1
ニンニク 1欠片
豚肉 150g
塩コショウ 少々
もやし 1袋
ほうれん草(彩り用) 適量
スーパー特選 太陽ソース 大さじ4
卵(目玉焼き用) 2個
作り方
1.油かすを粗みじんにし、サラダ油で炒めて油を出す。
2.ニンニクを入れて塩コショウを振った短冊状に切った豚肉を炒める。
3.もやしは水から茹でて、沸騰したら水気を完璧にきる。
ポイント
水から茹でたモヤシはシャキシャキし、炒め物に使っても油が必要なく、余計な水分が出ないなどのメリットが多数あります。
といっても、面倒な人も多いと思うので一緒に麺と炒めても構いません。
4.麺を具材と絡めてソースを半量入れて炒める。
ポイント
美味しい焼きそばの作り方のコツとして全ての具材を炒めてから味付けするのではなく、麺と肉だけにソースで味付けをしておくことです。
こうすることでソースが麺に良く絡み、野菜の炒めすぎ防止にも繋がります。
5.野菜と残りのソースを手早く混ぜたら完成!
好みで半熟目玉焼きを載せてください。
B級グルメとして有名な富士宮焼きそばですが、このレシピで作ると最早B級感が無くなり、塩コショウとソースだけで味が決まると思えないハズです。
今回はスーパーで販売している浪江焼きそばの麺だけを使いましたが、袋焼きそばやつけ麺用の中華麺を茹でたものを使用しても美味しく出来ます。
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【実食レシピ】福島B級グルメ「なみえ焼きそば/取寄」
・たっぷりの野菜を食べられるので満足できる。
・福島のB級グルメ代表となっている一品。
・もっちりとした太めの中華麺に濃厚なソースが絡む。続きを見る
楽天では兎に角、このソース焼きそばの為だけに「スーパー特選 太陽ソース」を買う人が多数いますが、作ってみれば納得でした。
太陽ナポリタン(3人前)
材料
A
太陽ケチャップ 100g
スーパー特選 太陽ソース 15g
B
サラダ油 大さじ1
タマネギ 250g
ピーマン 3個
ベーコン 150g
ウインナー 100g
C
パスタ(乾麺) 300~400g
塩(要調整) 水に対して1.5%
作り方
1.タマネギは5mmスライス、ピーマンは細めの短冊に切る。
2.ベーコンは短冊、ウインナーは斜切りにする。
3.サラダ油を敷いたフライパンにベーコンを入れて軽くカリッとさせる。
4.タマネギを入れたら透き通る程度に炒め、歯ごたえを少し残す。
5.Aの調味料とピーマン、ウインナーは一緒に入れて、軽く炒める。
ポイント
通常のトマトケチャップは酸味が強すぎるので軽く炒めるのが常法ですが、「太陽ケチャップ」は酸味が少なめなので、トマトの風味と香辛料のスパイシーさを飛ばさない様にしています。
ピーマンのシャキッとした歯ごたえは好みもありますが、少し残しておいた方が食感に差を付けられます。
ウインナーをすぐ炒めない理由としては斜切りにしてあることで肉汁が逃げやすいので、味がスカスカにならない様にする為です。
6.パスタを茹でて、おたま一杯程度の茹で汁を取っておく。
ポイント
昔ながらのナポリタンを作りたい場合は茹で置きの麺を使うことでモッチリ・柔らかなナポリタンになります。
ですが、現代社会ではスパゲッティは既に食べ慣れた食品なので、アルデンテに仕上げた方が喜ばれるはずです。
7.炒めた具材とパスタを合わせ、茹で汁で汁気を調整する。
炒め方やザルに開けた時の麺に付着する水分は料理する人によって変わるので、茹で汁で調整しましょう。
昔ながらのナポリタンと今風のナポリタンの調理方法を両方記載しているので、ちょっと長くなりましたが「太陽食品」の2種のソースで作るとナポリタンも大きく変わりますね。
今回は隠し味に「スーパー特選 太陽ソース」を使いましたが、ナポリタンは牛乳やバター、タバスコ、醤油などの隠し味以外はケチャップしか基本的には入りません。
それでもこの組み合わせは相当な鉄壁さを持つ美味しさなので、懐かしいナポリタンの思い出を超える味を自宅で楽しんでください(笑)。
総評
量販店で扱っているケチャップは酸味がしっかりしていますが、コクが強いので様々な料理に使うには便利な調味料です。
一方、「太陽ケチャップ」は酸味が控えめですが、コクがそれなりにあるソースと言った印象であり、料理に使うよりは仕上げに使うことで本領を発揮する商品です。
以前紹介した「ナガノトマト」の「長野県産ケチャップ」を紹介した時にも触れましたが、基本的に高級ケチャップは風味では圧倒的に優れており、酸味が少ないです。
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【実食】料理をより美味く「長野県産ケチャップ/ナガノトマト」
・長野県産の完熟トマト100%で作られたケチャップ。
・甘味が強く、酸味が少ないので食べやすい。
・仕上げに使うことで真価を発揮する。続きを見る
こちらの「太陽ケチャップ」は「ナガノトマト」の商品よりもフレッシュさの風味はやや落ちますが、濃厚なコクがあるのでトマトベースの料理に使っても美味しく作れます。
「スーパー特選 太陽ソース」は焼きそばを作るのに大人気ですが、そのまま使える汎用性の高さが高評価であり、日本の洋食のフライ類とは抜群の相性です。
又、先述したナポリタンの存在から「太陽ケチャップ」と「スーパー特選 太陽ソース」は一緒に購入することをオススメします。