セールスポイント
・高温高圧で作った濃厚な和風出汁。
・旨味が強く、クセが少ないのが特徴。
・完全無添加なので味わいと風味が非常に良い。
マルハチ村松とあいづ善八について
1868年、静岡県焼津市に創業した「マルハチ村松」は伝統的な鰹節の製造会社から始まり、鰹エキスの販売や粉末出汁を開発したパイオニア的メーカーです。
「マルハチ村松」は創業当時から完全無添加にこだわっており、家庭用品から業務用製品まで製造し、冷凍食品や受託製造まで幅広い事業内容を行っています。
直営店も当然有しており、現在(2023/10/28時点)、「やいづ善八/マルハチ村松 浜通り店」と「やいづ善八 静岡伊勢丹店」の2店舗があり、ネットによる通信販売もしています。
だしプレッソとつゆプレッソ
鰹節から出汁を取る際には薄削り節にしろ厚削り節にしろ、最初は高温で加熱するのが基本であり、高温で加熱することで旨味と香りが序盤に出やすく、臭みを消す事が出来るからです。
そこで、「マルハチ村松」では新しい出汁の取り方を考案し、コーヒーのエスプレッソと同様に、出汁を高温高圧抽出をすることで旨味をより多く、かつ、渋味や雑味を抑えた出汁の取り方を開発しました。
原材料は焼津産の荒節のみを使った「だしプレッソ鰹節」、北海道産の真昆布のみを使った「だしプレッソ真昆布」、荒節をベースに、醤油・砂糖などで作った贅沢な麺つゆ「つゆプレッソ」の3種類が販売されています。
いずれの製品にせよ、風味付けには薄めずストレートで、出汁やつけ汁として使用する場合には2~3倍に薄めてから料理に使います。
レビュー
今回紹介するのは「マルハチ村松/あいづ善八」の「つゆプレッソ」です。
▼パッケージ。
完全無添加で長期保存が可能である理由は『完全密封の容器に無菌充填(滅菌してから注ぐ)』しているからですね。
注意点としては保存料や防腐剤を使用していないので、公式では開封後は冷蔵にて3日を目安に使い切ってくださいと記載されています。
といっても、日本の食品の賞味期限や消費期限は世界的に見ても厳しすぎるので、冷蔵庫にて1週間ぐらいならば全然平気でしょう。
どうしても使い切れないという時はジップロックやキューブアイスのトレーなどで凍らせるのが良いと思います。
▼中身。
味付けは鰹節、醤油、砂糖、味醂、食塩、昆布、醸造酢だけであり、荒節(カビ付けしていない鰹節、旨味が控えめで香りがある)のガツンとしたインパクトがあるのが特徴ですね。
荒節を高圧抽出している為、鰹自体の酸味がやや強く感じますが、旨味は濃厚であり、まろやかな甘味と強すぎない塩分が現代人向けと感じました。
特に鰹だしの鼻を突き抜ける程の強い風味は濃厚な麺つゆを手作りしている店舗や自作で無いと再現できないクラスの味わいである事からほとんどの飲食店の汁を超えていますね。
敷いて弱点を言うならば、本枯節を使用していない為、やや酸味が強く感じられる事でしょうか。
▼うどんがオススメ。
使用する出汁は好みがあるので一概に言えませんが、どの麺に合う・合わないが決まる要素は塩分と甘味の強弱であり、本製品は甘味がそこそこあり、塩分はマイルドなのでうどん向きですね。
特に讃岐うどんのザルと相性が良く、良い小麦粉を使っている製品が手物にあれば外食以上の美味を楽しめるでしょう。
そばの場合にはそばの殻が入っていないタイプの更科そばが良く合いますが、素麺の方がどちらかというと合います(素麺の場合はわずかに水を足すと良い)。
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▼プロの親子丼が作れる。
親子丼は鶏や卵も大事ですが、何よりも煮る汁が大事であり、そば屋やうどん屋の親子丼とカツ丼が美味しいのは濃厚な麺つゆを使うからです。
家庭料理の場合は吸い物出汁(薄削り節で作った出汁)で作りますが、プロが作る場合は濃厚な煮物出汁(厚削り節で作った出汁)を使う点で味に差が付きます。
恐らく、普段食べている親子丼が2倍ぐらいクオリティアップすると感じるぐらいに違う仕上がりになるはずですよ。
作り方は一般的な調理方法と一緒ですが、出来合いの調味料でここまでの味が作れるのにはプロである私自身も驚かされました。
総評
今回は「つゆプレッソ」を購入したのは一般的な麺つゆと比較しやすいからですが、上記の製品よりも風味は上であり、市販品の麺つゆとしてはトップクラスのクオリティですね。
良い製品ですが、本枯節なら兎も角、荒節を使用していてこの値段設定(850円前後)はやや高く感じてしまいますね。
市販の白だしと麺つゆは塩分と添加物で保存性を高めていますが、「だしプレッソ」は味付けがない濃厚な出汁なので、汎用性は非常に高く、料理好きに人気があるのも頷けました。
なので、次回は「だしプレッソ」を2種類購入してみたいです。