セールスポイント
・東京銀座の老舗フレンチの味を自宅で。
・高クオリティだが比較的リーズナブル。
・本格的な味わいはグルメな大人向け。
三笠會館について
1925年、東京都中央区銀座に創業した「三笠會館(現在は三笠会館とも表記)」は様々な形態の食事を提供している老舗の飲食店です。
関東圏の一部にしか店を構えていない為、知らない人も多数居るかも知れませんが、唐揚げの元相の店であり、ビーフシチューやペペロンチーノ、ティラスミなどを全国的に有名にした有名店です。
唐揚げというよ和食のイメージが強いかも知れませんが、実は洋食屋の新メニューを考案した時に出来たオリジナルの創作料理であり、爆発的な人気が出た結果、当時はひたすら鳥を捌いては揚げるほどだったそうです。
元々は洋食屋からスタートしていますが、1966年、銀座にある本店は再建築され、地上9階・地下2階にもなる総合レストランになり、伝統的な高級フレンチ・イタリアン・和食・中華・バーなどは現在でも楽しむことが出来ます。
おうちで三笠会館シリーズ
「三笠会館」がオンラインショップを開始したのは2020年と最近であり、Amazonや楽天にも同時に乗り出しました。
総合レストランの為、様々なものが取り扱いされており、伝統的な高級料理かつ幅広い製品が楽しめるのは他社では帝国ホテルぐらいではないでしょうか?
「三笠会館」の本店「French榛名」が好きな管理人ですが、その中でも人気が出そうな「ビーフシチュー」と「カレー」を今回は注文してみました。
三笠会館のビーフシチューの特徴
支店の1つである「銀座フランス屋」のロングセラーメニューであり、「三笠会館」の特製デミグラスソースで国産牛肉をじっくり煮込んだビーフシチューです。
牛骨と野菜を香ばしく焼き上げ、何日もじっくりと煮込んだデミグラスソースは本格的なので、家庭で再現することは大変かつ難易度が高いですね。
レトルトでありながらも驚くほど大きいサイズの牛肉の塊がゴロンと入っているのが特徴であり、高価な製品ではあるもののほとんどの人が大満足する人気製品です。
三笠会館のカレーの特徴
1951年、「三笠会館」の看板メニューとなったのは骨付き肉と砂肝が入ったチキンカレーであり、インド独立運動の亡命者から教わったレシピを応用したもので、今でも「銀座洋食三笠会館」で食べられます。
残念ながらレトルトでは再現されていませんが、ベースとなる味は可能な限り再現しており、本格的な欧風カレーを味わえます。
大きな特徴としてはリンゴ・人参・ニンニクをすりおろし、じっくりと炒めることで素材の甘さを引き出し、丁寧に下拵えをした鶏モモ・牛バラ・豚バラをたっぷり加える所でしょう。
各種肉は火が入りすぎない様に、調理の最後に加え、レトルトパウチに入れた後に行う殺菌工程(圧力調理で沸点を上げて、レトルト内部の食品を殺菌/滅菌)でベストな仕上りにさせているこだわりがあります。
レビュー
今回紹介するのは「三笠会館」の「チキン・ビーフ・ポークカレー3種セット」「ビーフシチュー」です。
▼外箱。
▼中身。
現在、パッケージは変更されましたのでパッケージの写真は省略しますが、以前よりも今風のデザインになり、贈り物により最適化された印象です。
「三笠会館」の製品は自社キッチンによる製造なので、販売生産数が少なく、冷蔵・冷凍の料理・スイーツなどでは20個限定の製品などがよく販売されています。
定番メニューは欠品にはなりにくいですが、季節限定品は本当に手に入れづらいです。
伝統のチキンカレー
インドカレーをベースに作っていることもあり、家庭で食べる様なトロリとした香辛料が控えめのカレーとは異なり、口当たりはサラリとし、スパイシーな刺激は本ラインナップの中で一番です。
可能な限りルゥ(小麦粉と油脂類で作るトロミの素、つなぎ)を少なくするのが高級な欧風カレーの特徴であり、野菜のトロミがメインの場合には油っこさを感じさせません。
その代わり、油分が少なくなるので、ブイヨンがしっかりとしていないと物足りなくなるのですが、高級フレンチ店ならではのしっかりとしたチキンブイヨンは流石と言った所ですね。
▼チキンとビーフは一口サイズ。
自社キッチンにて仕込んでいる為、大鍋/寸胴でじっくりと煮込むことで野菜の甘味を余すこと無く引き出し、具材を噛み締めていると程よい弾力と鶏肉の味を確かめることが出来ます。
ただし、『スパイス薫る大人の辛口』と公式でも説明されている様に、全ての種類において辛味はしっかりとしており、中辛派の人間にはやや強めに感じるぐらいになっているのには気をつけてください。
ビーフカレー
ビーフカレーは写真を見ればわかる様に色合いがやや深く、芳ばしく焼いた牛肉は王道の味わいであり、口の中でホロリと優しく解けます。
「三笠会館」のカレーの優れているポイントとして肉が多いこともそうですが、レトルトパウチに入っている製品では珍しく、鮮度の良い香辛料の風味が感じられる様になっている事です。
これは仕上げにカルダモンとコリアンダーをプラスすることで、風味が弱まることを防いでおり、この僅かな手間が安価な大量生産品との大きな違いを生み出しています。
更に、生姜の絞り汁も加える事で後味がサッパリとし、カレーによくあるクドさは無く、常に新鮮な気持ちで食べることが出来ます。
ポークカレー
「ポークカレー」と「ビーフカレー」に関しては「伝統のチキンカレー」とは違い、牛骨ブイヨンも使用することで旨味がより豊かになり、ルゥでトロミを少し増やしてあるので、しっかりとした味に感じるはずです。
基本的には「ビーフカレー」とほぼ同じ味付けだと感じましたが、コッテリとした豚バラ肉を使用している為、コクの強さには「ポークカレー」に軍配があがりますね。
又、油分がやや増えることでスパイシーさと辛味が軽減され、マイルドに感じるのもポークカレーならではの印象であり、ラインナップの中でも具が大きいので男性が好みそうです。
同じカレーと言えども、「三笠会館」のレトルトカレーは表情が結構違う所も良く、続けてて食べても飽きません。
ビーフシチュー
封を切ると驚きましたが、このサイズに牛肉の塊がゴロンと入っている迫力は一見の価値があり、実店舗で2,000円ぐらいの製品がこの価格ならば格安です。
今では手作りデミグラスソースを作る店はかなり減ってしまい、缶詰やフレークをベースにしている店が九割以上でしょう。
ですが、「三笠会館」のデミグラスソースはかつて同様の立派な味を維持できており、牛肉・牛骨・野菜の美味しさがたまらず、玉ねぎの甘さも良い仕事をしています。
▼具材が全体的にキレイ。
牛肉以外では半分にカットされた大粒のマッシュルームと輪切りの人参だけのシンプルさなので、適当な茹で野菜があったらトッピングすると食卓の彩りが豊かになります。
ほうれん草はやや珍しい組み合わせですが(冷蔵庫に偶々あったので笑)、ブロッコリーやスナップエンドウ当たりがビジュアル的にも味わい的にも合うのでオススメですね。
▼レトルトとは思えない立派さ。
赤ワインの風味が僅かに香る牛肉は恐らく頬肉ですが、フワリとした食感とキュッとした弾力を交互に楽しんでいるといつの間にか無くなっています。
トマトや赤ワインをドバドバ使用した上で味を引き出していないなんちゃってブラウンソースが市販のデミグラスソースのほとんどですが、「三笠会館」の物は赤ワインとトマトの味は脇役ながらもブイヨンの旨味を底上げしていますね。
総評
安いとは絶対に言いませんが、帝国ホテルのラインナップと比べればリーズナブルであり、品質に関しては負けず劣らずのクオリティだと言えますね。
カレーに関してはあまりにも多数のメーカーが販売している為、欧風カレーの決定版とまでは行きませんでしたが、ビーフシチューは決定版と言っても過言ではないと感じました。
管理人一家は銀座本店「French榛名」によくお世話になっていますが、野菜の下処理が完璧であり、冬期限定にはなりますが、タンシチューは絶品です(シチューだけで5,000円ぐらいしますが笑)。
最近、Amazonと楽天にて本店が販売する様になり、関東の一部にしか展開していない飲食店ですが、様々な人にお取り寄せしてもらいたい店舗の1つでした。