セールスポイント
・京都に店を構えて100年以上の歴史を持っている。
・素材にこだわり、そばからだしまで国産のものが多い。
・作るのが面倒なにしんの甘露煮が手軽に食べられる。
やぐ羅について
1900年に創業された京都の老舗蕎麦屋である「やぐ羅」は100年以上も「にしんそば」を提供し続けています。
店では名物のにしんそば以外にも「山椒ちりめん」や「昆布巻」などのおばんざい(京都の惣菜のこと)も名物になっています。
身欠きにしんとは?
にしんは日本では北海道にて春に捕れる魚です。ちなみにカズノコはにしんの卵です。
そのにしんを干したものが「身欠きにしん」なのですが、干すことにより旨味が凝縮され、臭みが少なくなります。
「身欠きにしん」は下処理にとても時間が掛かるのが特徴で、米の研ぎ汁に1週間ほど漬けて戻す必要があります。
「やぐ羅」の「にしん姿煮」は創業当時から継ぎ足し続けているだしを用いて、炊き上げています。
北海道に自社工場を持つ
「やぐ羅」では使う素材が主に北海道の物が多いので、北海道に工場を構えています。
様々な惣菜を販売しており、全て手作業で行っています。
レビュー
今回紹介するのは「やぐ羅」の「にしんそばセット(雲龍袋)」です。
▼このような袋にまとめて入っています。
▼箱入りの場合はこのような化粧箱に入っているようです。
※画像は公式のものです。
▼内容はこのようになっており、各種ちょっとした手間がいるのが特徴です。
▼最初にだしから手順を説明します。「そばうどんだし」と書かれている袋には「やぐ羅特性濃縮だし」と「混合削り節袋」が付いています。
▼水を1400ml入れて、「混合削り節袋」を水から煮ます。
▼沸騰してから中火で5分間炊きます。
▼「混合削り節袋」を取り出したら、「やぐ羅特性濃縮だし」を入れてひと煮立ちさせれば完成です。
▼「にしん姿煮」は袋のまま湯煎します。温度は沸騰させたものではなく、50~60℃でゆっくりと温めます。時間は2~3分ほど十分に温まります。
▼実際に必要な工程ではありませんが袋から出したにしんがこちらです。キレイに炊かれており、照りがありますね。
▼そばを茹でるために出来るだけ大きな鍋にたっぷりとお湯を準備します。目安としては2L程入れば大丈夫です。
▼沸騰したお湯にほぐした蕎麦を入れます。
画像のように蕎麦が沈まない程度の火加減にし、茹でるときには菜箸で麺をほぐします。時間は3~4分を目安に、やや硬めになるようにします。
▼温かいそばを食べる時でも水で蕎麦を洗ってあげると滑りが取れるので、美味しく食べることが出来ます。
あくまで暖かいかけそばなので、芯まで冷やす必要はありません。
▼お湯を蕎麦にかけて、再度温めます。
▼器に温めた「にしん姿煮」を入れます。
にしんを下にする理由
これには理由があり、天ぷらそばのように上に載せてしまうと、蕎麦やつゆの味を楽しむ前に「にしん姿煮」の強い味で上品な味わいがわからなくなってしまいます。
ですが、下に入れることにより「にしん姿煮」から出る比重の重い汁は上面では混ざりません。
食べ進めるほど味が濃厚になるのでこのように作ります。
▼その後、蕎麦を1人前載せます。
▼アツアツの麺つゆをかけたら完成です。
そばつゆの味は京都風の味付けなので、薄口醤油をメインにした薄い色をしています。現在、セットでの取扱をしていないので、甘みの少ない麺つゆを使いましょう。
そばとつゆの感想
混合節なので、様々な旨味が複合しており、サバ節が特に効いていますね。
甘味は関東の真っ黒いそばつゆと比べると控えめで、まさにはんなりとした味といった印象です。
江戸っ子が食べたらちょっと驚くかもしれません(笑)。
メインの蕎麦は白度が高い更科系の蕎麦で、細打ちですね。
クセの無い蕎麦は上品な「やぐ羅」のダシとは相性がいいですね。
にしん姿煮の感想
十分にダシを吸った「にしん姿煮」はホロホロとした身でありながらも、骨などは一切感じさせません。
こちらも甘味は強すぎるということはなく、穏やかな味わいとにしんの独特を楽しむことが出来ます。
ダシを吸うのと同時に「にしん姿煮」からはほのかに甘いタレが汁と混ざり合い、1番美味しい部分を楽しむことが出来ます。
この完璧に合わさった状態こそが「にしんそば」の最大の旨味を発揮する段階であり、つゆとのバランスが取れた状態になります。
▼食べ比べするために上に載せたバージョンも用意しましたが、見た目はこちらの方が映えますね(笑)。
実際に食べてみると「にしん姿煮」の味が強すぎて、確かに蕎麦やそばつゆの味がわかりづらくなりました。
なので、実際に作る時はしっかりと下に潜らせましょう。
画像ではネギをトッピングしていますが、七味やワサビなどよりも圧倒的に相性のいい組み合わせなので、薬味にネギはオススメです。
総評
にしんそばを自宅で味わうならこれが1番オススメ出来ると思います。
セットのものが通販で取り扱わなくなってしまったので、「やぐ羅のにしん甘露煮」だけを購入し、甘みの少ない麺つゆを使用して、にしんそばにしましょう。