セールスポイント
・贅沢な素材を熟達した技工で作った洋菓子。
・見た目はシンプルだが、奥深い味わい。
・ヨーロッパの様々なスイーツをまとめて買える。
欧菓子KUTUSMIについて
1999年、大阪府大阪市に設立された「アトリエクツミ/メゾンドレザン」は欧風の伝統的な菓子を販売している洋菓子屋です。
オーナーシェフである「春日 玖一巳(カスガ クツミ)」氏はベテランの職人であり、料理や菓子、パンなどのレッスンも行っている西洋食のプロとなっています。
欧州/国産の高級品を中心に使用している為、洋菓子の価格は敷居が高くなっていますが、それでも高評価を受けており、非常にリピーターが多いメーカーです。
レビュー
今回紹介するのは「欧菓子KUTSUMI」の以下の商品です。
燒きモンブラン/マロンドゥレーヴ
カヌレ・ド・ボルドー
エスプレッソマロン セルクル・フロマージュ
無花果(イチジク)のボルドーガトーショコラ
▼専用ダンボール。
冷蔵品のみの場合は冷蔵便、冷蔵品と冷凍品が混合している場合には冷凍で配達されます。
▼手書きメッセージ付き(管理人の実名は削除)。
おとりよせの良質な店舗の多くが少数生産&手書きメッセージであり、製品作りもサービスも充実しています。
▼購入した製品。
可愛らしいデザインと大人向きの洗練されたデザインが両立していますね。
燒きモンブラン/マロンドゥレーヴ
フランス産マロンペーストをたっぷりと練り込んだ生地で大きな栗を包んであり、栗好きには堪らない構成となっている半生燒き菓子です。
周りのしっとりとした生地はバターと栗の味が濃厚ながらもクドさは一切なく、ほんのりと香るハチミツの匂いが全体的に使われている栗と相性を高めています。
表面の白い物はマロングラッセと勘違いする程に栗の味がするシュトロイゼル(クッキー生地)であり、しっとりとした生地との対比の食感が楽しいですね。
▼割ってみたもの。
中身には愛媛県で採れた良質かつ大きな栗を渋皮煮にしており、丁寧に煮られているので形がキレイな上に、食べごたえがあり、栗の風味が非常に豊かになっています。
表面のマロンシュトロイゼル、しっとりとしたマロンペースト入り生地、丸ごと入った栗の渋皮煮のトリオは一見やりすぎな組み合わせに感じますが、見事に1つの洋菓子としてまとまっていました。
カヌレ・ド・ボルドー
「KUTUSMI」の「カヌレドボルドー」は市販されているカヌレの中ではややハード目に仕上がっており、サクッとした皮はほんのりと苦味があるカラメルの旨味と優しい甘味があります。
銅製のカヌレ型を用いている為、外側の芳ばしい風味と食感からは想像できない、カヌレ特有のしっとり・モッチリとした歯応えは十二分に楽しめます。
カヌレの生地には牛乳を用いるのが常法ですが、本菓子では練乳を使うことにより、ミルキー感が強く仕上がっている特徴ですね。
▼カットしたもの。
洋酒の香りが芳醇であり、今では非常に高価なバニラをたっぷりと使用することで驚くほど鼻腔をくすぐり、全てが力強く、物足りなさが無い、お互いに引き立てあっている100点のカヌレですね。
オーブンで温め直してから少し時間を置くと、カリッとした歯ごたえが復活し、中身がほんのりと温かい出来立てに近い状態になるので、是非、ひと手間かけてご賞味ください。
エスプレッソマロン セルクル・フロマージュ
色々なチーズケーキが販売されていますが、エスプレッソと栗の渋皮煮が丸ごと入ったものは珍しく、尚且つ、フランス産チーズを数種類ブレンドした高級品は僅かでしょう。
バター・生クリーム・クリームチーズがベースの生地にマロンペーストで栗の風味を加え、口溶けと濃厚さを両立させているので、スフレタイプの軽いケーキとはかけ離れています。
エスプレッソと黒糖の風味が上品に感じられ、チーズケーキとモンブラン、ティラミスの良い所を抽出した様な筆舌に尽くし難い、なのに、不思議とまとまった味わいをしています。
▼キレイにカットしたい場合は半解凍で。
冷蔵庫から出したてはレアチーズケーキの様な乳製品の濃厚な味わいであり、ゆっくりと口の中でジワリと溶けていく滑らかさが楽しめますね。
一方、室温で15分前後置いといたものは雪の如く、フワリとした口当りとサラリとした舌触りが堪能でき、いずれの食べ方でも満足度が非常に高いです。
▼中央下部には6等分した栗が入っている。
使用している栗の渋皮煮は恐らく、先程紹介した「マロンドゥレーヴ」と同様のものであり、ほんのりと苦いエスプレッソ風味のチーズと渋皮煮が意外と合いますね。
無花果ボルドーガトーショコラ
フランス産クーベルチュールチョコレートを贅沢に使用したガトーショコラとシナモン入赤ワイン(ボルドー)に漬け込んだ白イチジクの贅沢なケーキとなっています。
ガトーショコラは技術よりもチョコレートの品質が物を言いますが、こちらはまさに厳選素材を使用していることがわかる味わいですね。
▼1kg4,500~5,500と高いが非常に美味。
クーベルチュールチョコレートと言われるとベルギー産の物を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、ベルギー産よりもフランス産の方が何もかもが上等であり、本菓子の材料の写真を見ると「ヴァローナ」の「グアナラ」と思われます。
グアナラはカカオ70%のブラックチョコレートであり、上品なビターさに加え、果実の様な香りと裏腹に酸味が少なく、ガトーショコラやテリーヌ・ショコラなどに最適なものです。
▼イチジクがゴロッと。
赤ワイン漬けのイチジクはセミドライ気味になっているので、ねっとりとした歯応えがフレッシュよりも強くなっており、ポートワインの様な芳醇な香りがします。
贅沢な作りのガトーショコラはヴァローナらしいズッシリとした重厚な旨味と風味がし、イチジクと一緒に味わうとチョコレート菓子とは思えないフルーティーさが堪能できますね。
総評
不二家やシャトレーゼ、銀座コージーコーナーなどのリーズナブルなチェーン店の洋菓子やと比べれば遥かに高価な洋菓子ばかりが揃っているので、敷居はかなり高いです。
しかし、製菓材料を細かく見てみればチョコレート・アーモンド・果物など全てが高級品の中でもトップクラスの物を使用しており、むしろ、丁寧な作りをしていることを考えれば安いぐらいかもしれません。
質より量を取る人やSNS映えを気にする人には絶対に勧めませんが、吟味された材料で作られた正統派かつクラシックな洋菓子はある意味スイーツの完成形の1つかもしれません。
今回はお試しで数品試しましたが、「欧菓子KUTSUMI」は拘りを持った店であることがわかったので、次回はエンガディナー・ヌス・トルテとシュトーレン当たりを購入してみたいですね。