セールスポイント
・国産の無発酵バター、発酵バター、練乳を紹介。
・海外の商品に負けない高品質な乳製品たち。
・脂肪分が高く、非常にミルキーな味わい。
山中牧場について
1970年、北海道余市郡赤井川村落合に創立された「山中牧場」は自然が豊かな環境の中で牛を一頭一頭、大事に育てており、観光地としても人気があります。
奇をてらった製品は一切無く、「山中牛乳」や「プレミアムバター」「山中練乳」「純生クラウンジェラート」などのシンプルながらも高品質なものを中心に取り扱われています。
又、牛以外には黒豚を肥育しており、黒豚の精肉やハンバーグ、ハム、ソーセージ、ベーコンなどを購入することも可能です。
鮮度が命の牛乳と生肉に関しては99%以上が牧場直営の為、注文を受けてから製品の製造をしてくれるのも嬉しいポイントです。
レビュー
今回紹介するのは「山中牧場」の「プレミアムバター2種」「山中煉乳」です。
「山中練乳」の正式製品名は煉乳という漢字を用いますが、常用漢字では無い為、本記事では「山中練乳」に表記を統一しています。
プレミアムバター&プレミアム発酵バター
左の青い缶が無発酵バターである「プレミアムバター」、右の赤い缶が発酵バター「プレミアム発酵バター」となっており、両方とも有塩です。
缶は「山中牧場」の隣町である小樽の「北海製罐株式会社」に製造を依頼しており、材料から容器まで地元である北海道にこだわりたかったからだそうです。
高級感もしっかりとあり、ガタツキも無く、フタをピッチリとしまってくれる頑丈な缶なので、使用後にも色々なケースとして使えます。
▼缶の内側にはフタがある。
日本では鮮度を重要視する食べ物を比喩する時に刺し身をよく用いますが、バターも同様であり、出来立てが非常に美味しいのです。
心得のあるメーカーは瓶詰めにしたり、密封の缶を用いたり、兎に角、出来上がったバターを可能な限り空気と触れさせない様にしています(酸化を防ぐ為)。
美味しいバターの見分け方の1つとしてバターの容器は非常に重要であることを覚えておくと便利です。
▼光の角度の問題で色合いが違うが、実物は同色。
無発酵バターは日本で販売されている大抵のバターであり、これが牧場やメーカーによって特徴が異なり、牛の品種・育て方・製造方法などで味わいは全く違います。
発酵バターは日本にもだいぶ浸透してきたと思いますが、ヨーロッパで主流の発酵バターは乳酸菌入りの牛乳/生クリームを発酵させてからバター作りを行う為、独特の香りと旨味、ほのかな酸味があるのが特徴ですね。
「山中牧場」では殺菌・発酵・熟成に2,3日かけ、昔ながらの製造方法を再現できる回転式チャーンの機械に木製のローラーを付けて製造しています。
▼海外産バターと比較。
「プレミアムバター」は搾りたての牛乳を彷彿させる様なミルキーな味わいと甘さ、クリーミィさを楽しめ、個人的には「プレミアム発酵バター」よりも好みであり、可能なら毎日使いたいぐらいです。
一方、「プレミアム発酵バター」はミルキーさは少なくなりましたが、発酵バターらしい熟成した旨味が堪能でき、国産でここまで美味しい発酵バターがあるのに知名度が低いのが勿体ないですね。
「山中牧場」の発酵バターは非常に美味であり、フランスのトップシェア発酵バター「PRESIDENT」よりも圧倒的に良いですね。
超高級な発酵バターである「エシレバター」クラスと比べれば若干落ちるかもしれませんが、国産の発酵バターを選ぶならトップクラスのクオリティです。
フレンチトースト(プレミアムバター使用)
一般的なフレンチトーストの作り方(牛乳+鶏卵+砂糖の液に浸してすぐ焼く)ですが、「プレミアムバター」を多めに使い、バターの美味しさを楽しめる構成に仕上げています。
ホイップクリームやバタークリームなどは使わずに、ハチミツとナッツ類、クランベリーをトッピングすることでバター自体の美味しさを損ねないのがポイントです。
贅沢な使い方かもしれませんが、牛乳やバターの良さを堪能できるレシピなので一度試してみてください。
オムレツ(プレミアム発酵バター使用)
一番シンプルに発酵バターを楽しみたいのならバタートーストかオムレツですが、高級バターだから全てが美味しくなる訳ではありません。
良く出来ている発酵バターでないと、旨味や牛乳自体の風味、甘さなどが物足りなく、料理の主役に躍り出ることは不可能です。
写真ではオムライスの写真で代用していますが、シンプルに塩コショウのみで味付けしたものが最良ですね。
発酵バターの豊かな旨味と香りは卵との相性は抜群であり、単純かつ手軽な卵料理でありながらも贅沢な一時が約束されます。
山中練乳
「山中牧場」の牛乳をじっくりと火を入れながら水分を飛ばし、北海道産のショ糖(ほぼグラニュー糖と一緒)を加えてトロミを付けた、いわゆる加糖練乳/コンデンスミルクです。
練乳の原材料は生乳とショ糖だけのシンプルな構成ですが、如何に低温で加工するかが重要であり、温度が高いと風味が飛び、変色もしてしまうので低温で長時間加熱することになります。
練乳は意外と高い
大量生産の場合には効率の良い、エバポレーター(濃縮機)という水分を低温で蒸発させる機械を用いる為、変色させずに短時間で仕上げることが可能となっています。
それでも市販されている手頃なサイズの練乳は120gから130gで300円前後の価格、牛乳を2~3倍濃縮し、ショ糖を加えただけですが、効率が良くとも光熱費が掛かってしまうのです。
▼一般的な練乳よりもやや硬め。
「山中練乳」の練乳は甘味が控えめに感じますが、牛乳の風味が豊かであり、ミルキーさと旨味が強いですね。
しかし、使用しているショ糖の使用割合は市販されているものと大差は無いので、恐らくですが、煮詰める前の牛乳の量が多いのだと考えられます。
その結果、糖分が少ないにも関わらず、トロミがやや強く、素材とよく絡み、香りがしっかりと感じられますが、時間と材料費がかさむことから高価な練乳になったのでしょう。
▼大学いもに使用。
練乳は使い道が多く、料理から製菓、製パンなどと様々な出番がありますが、本製品は高価なのでシンプルに使うのが良いと思います。
安納芋や金時芋などの様な甘味が強い、トロリとしたさつまいもよりも至って普通の品で作ったほうが練乳の美味しさが活かせ、歯ごたえも主張させられます。
高級品の果物の場合は糖度も高いので、そのまま味わったほうが絶対に良いですが、ほどほどの品質の果物やベトナムコーヒー、かき氷などに使うと仕上がりが全然違いますね。
総評
「プレミアムバター」は見た目が良いことからお土産やギフト、プレゼント、ふるさと納税と様々なジャンルで活躍しています。
加えて、品質が良いことから自分で利用しても価格以上の満足感があり、牧場が作るバターの中でもトップクラスに美味しい部類に入るのでオススメ出来ますね。
「山中練乳」は「森永」の「加糖れん乳」の二倍以上の価格ですが、日本で手に入る練乳の中では最高の味わいが楽しめます。
「山中牧場」の製品はまだ知名度が低いかもしれませんが、真摯にオーソドックスな美味しさだけを追求している所が非常に好ましかったです。