セールスポイント
・CAVEDONIのバルサミコ酢は種類が豊富にある。
・オーク樽で最低5年以上熟成させた本格的バルサミコ酢。
・バルサミコ酢にスパイスを入れた独特な味わいが楽しめる。
Cavedoni(カヴェドーニ)について
イタリアのモデナ地方にて1860年に創業された「Acetaia Cavedoni(アチェタイア・カヴェドーニ)」はモデナDOP・IGPの伝統製法に基づいて作っている老舗醸造メーカーであり、ワインやバルサミコ酢を販売しています。
ランブルスコ(赤いスパークリングワイン用ぶどう)やトレッビアーノ(白ワイン用ぶどう)のぶどう畑とワインやバルサミコ酢を熟成させる木樽を七代に渡って受け継がれています。
バルサミコ酢は基本的には原材料であるブドウジュースを煮詰めたモスト・コット(煮詰めた果汁という意味)を樽の中で熟成させながら水分を減らし、一年ごとに継ぎ足しながら作っています。
普通の継ぎ足しと違うのは例えば10年熟成している樽がある場合は9年熟成させたバルサミコを減った分だけ注ぐことです。
そんな気が遠くなる作業をしているバルサミコ酢を「Cavedoni」ではなんと80年熟成させたものも販売しており、値段は現在(2020/02/06)の時点で$450.00(日本円で約5万円)です。
そんな高いものを紹介する訳ではなく、今回はリーズナブルな値段で買える5年熟成させたものを紹介します。
DOPとIGPについて
DOPという言葉を聞いたことがない人も多数居ると思いますが、DOPは「デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・プロテッタ(保護原産地呼称)」の略表記で、イタリアにおける偽りの無いお墨付きマークを表します。
詳しく言うとイタリアワインやチーズなどの伝統的な食材に対し、品質管理と産品保護のため地域を指定した上、基準を満たすものにのみ特定原産地の名称を付して販売することを許可する制度です。
どちらかと言うとイタリアよりもフランスのワインやチーズ、バターなどに付いているAOC(アペラシオン・ドリジューヌ・コントロレ)マークの方が日本人はよく見かけると思います。
IGP(インディカジオーネ・ジオグラフィカ・プロテッタ)はモデナ県もしくはレッッジョ・エミリア県で生産されるバルサミコ酢のみ、その名を使用することが出来ます。
Cavedoniのバルサミコの特徴
先述した様にバルサミコ酢は熟成期間によって値段が高くなっていきますが、スーパーや通販で主に購入されているものは1~5年の熟成させたものにカラメルやブドウ糖などを添加してリーズナブルながらも長期熟成したバルサミコ酢に似た味わいを作り出しています。
100%ではないですが、バルサミコ酢の値段は大体熟成時間とブドウ果汁の濃縮度合いで決まるので『高いものは熟成が長いorブドウ果汁が贅沢に使われている』とだけ覚えておくと良いでしょう。
本場イタリアでもよほどの高級レストラン以外では普及品を主に使っていますが、それでも日本で作る黒酢や米酢よりも作るのに時間がかかるので、ワインビネガーの中では高級になります。
そんな普及品でも「Cavedoni」はオーク樽で最低5年熟成させたものだけを使っているので、高級品の部類に入る商品ですね。
一番人気のバルサミコ酢SABA(サーバ)
今回紹介するのはこちらの商品であり、熟成させたものにシナモンやクローブ、マルメロ(セイヨウカリン)で味を整えたバルサミコソースです。
厳密にはソースなのですが、日本ではそこまで細かく分けていないと思われるのでバルサミコ酢とわかりやすいタイトルにしています。
独特のブレンドなので他社のバルサミコ酢と味が全く異なりますが、そのドスンとした強いコクと香りが楽しめ、料理やデザート、フルーツなどに使うことが出来ます。
レビュー
今回紹介するのは「Cavedoni」の「SABA 100ml」です。
▼高級感あふれるデザインですね。
▼ソースはトロリとしています。
普及品の中でもかなりリーズナブルな商品ではブドウ糖やデンプンなどでトロミを付けますが、こちらの商品はハチミツと同じぐらいドロリとしているのにその様なものは使っていません。
なので、高級イタリアンで使われるソースと同じ様に少し舐めただけでもブドウの芳醇な香りと甘味、ほのかな酸味を楽しめます。
スパイスのシナモンはほんのりと効いているだけですが、クローブの風味は強めであり、バルサミコ酢の味を整えるよりも深める印象があります。
これにより高級バルサミコ酢と同じ様に旨味が強すぎると感じるほどなので、何にでも合う商品ではなく、強い素材と組み合わせると本領発揮してくれます。
オススメの使い方
茹でたアスパラガス
塩がやや多めの熱湯で歯ごたえをほんのりと残したアスパラガスとの組み合わせがオススメの野菜の1つです。
アスパラガスの独特の風味と旨味が強化され、バルサミコソースのスパイスとコク、甘さが絶妙にあっています。
風味が弱いレタスや人参、タマネギなどの良くあるサラダにこの「SABA」を使ってみた所、ハッキリいってバルサミコソースに味が支配されてしまいます。
ドレッシングに使う場合は安いバルサミコ酢の方が酸味は強めなので、オリーブオイルと合わしたい時は熟成期間が少なく、あまり濃縮されていない市販品がオススメです。
ローストビーフorポーク
公式ではジビエ料理にオススメと言われていますが、日本の家庭においてはジビエを料理する機会はほぼないので豚か牛に使うのが無難ですね。
今回は肉の味を前面に出しやすい様に低温調理(サイズや環境によって色々と変わりますが、スーパーで販売されているブロック豚を63℃で6時間、牛なら55℃で5時間)を行い、最後にガスバーナーでガッと炙っています。
こうすると瑞々しさを残しつつ、肉は柔らかく、若干肉のクセを残すことが出来るので「SABA」と相性が良くなります。
市販のローストビーフやローストポークだと安全面と効率からやや強めに火を入れているので、物足りなく感じるかもしれませんね。
カブのコンソメ煮
市販品のコンソメブイヨンに塩を少々加えて、火が通りやすい様に切り込みを十字に入れたカブを丁寧に煮たものにバルサミコソースを掛けたものです。
カブ単体だとバルサミコ酢の味に負けてしまうので、コンソメでカブを補強し、コショウをサッと振っています。
ポイントとしては煮たカブの水気をしっかりと取ってからソースを掛けることですね。
カブの甘さとバルサミコ酢の甘味は思いの外ケンカしないので、ちょっと変わった食べ方をしてみたい時にオススメです。
バニラアイスクリーム
これは何しても勝ち!と思われる組み合わせかもしれませんが、実はそうではありません(笑)。
「SABA」は味が強いので、乳脂肪分の多いアイスクリーム(厚生労働省が定めている規格において、乳固形分が15.0%以上で8.0%以上のもの)じゃないとアイスが負けてしまいます。
今回は「ハーゲンダッツ」を使用しており、その他の市販品では「レディーボーデン」や「ニュージランドアイス」などがアイスクリームに該当します。
100円代のカップアイスなどは大抵がコクの弱いアイスミルクやラクトアイスなので、こちらのソースに負けてしまうでしょう。
高いソースに高いアイスクリームの組み合わせですが、これは料理と言っていいほどの完成度の高い組み合わせであり、一度クセになると他のバルサミコソースでは物足りなく感じるほどのフルーティーさと独特の味わいを楽しめます。
総評
同じバルサミコソースである以前紹介した「Acetem(アチェートゥム)」の「バルサミコソース ブレイズ」はたっぷりと使える上にリーズナブルかつクセがないのでオススメの商品です。
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【実食】仏でも大人気「バルサミコソース ブレイズ」【Acetem】
・本場のバルサミコ酢を濃縮して、味を整えてあるソース。
・チョコレートソースのようにデコレーションに使える。
・このソースを使えばお店の味わいを家庭で出せる。続きを見る
逆に今回紹介した「Cavedoni」の「SABA」はハッキリいって通向けですが、使い方がわかると途端に化けます。
特に乳脂肪分の高いアイスクリームとローストビーフorポークに使うとハッキリとわかります。
「Cavedoni」のラインナップでは唯一、この「SABA」だけが大容量タイプが販売されているのでそれだけ虜になる人が多かったのだと思います。