セールスポイント
・姫路銘菓の1つである大きなかりんとう。
・蜜がたっぷりと掛かっているので濃厚。
・黒糖味と三温糖の2種類のフレーバーがある。
金岡製菓について
1929年、兵庫県姫路市に創業した「金岡製菓」は老舗の和菓子屋であり、油で揚げた菓子「油菓子」の専門店です。
実店舗と通販では◯◯ねじというひねってある大型のかりんとうとあられ型のかりんとうを中心に取り扱っており、地元では馴染みの味、県外からは隠れた逸品として評価されています。
姫路かりんとうについて
江戸時代に藩主である酒井忠以(さかいただざね)が各地から集積された小麦粉と菜種油を活用する事を指導した所、「姫路油菓子」「姫路かりんとう」が生まれ、全国に広がりました。
特徴としては硬めにこねた生地を捻って油で揚げており、一般的に想像する細長いかりんとうよりも太めとなっています。
今では姫路ではかりんとうが銘菓の1つとなり、その中でも「金岡製菓」の作る大型のかんりとうは名物として有名ですね。
黒ねじと三温糖ねじの違い
ねじったかりんとうは〇〇ねじという製品名で販売されることが多く、「金岡製菓」では黒糖を絡めた「黒ねじ」と三温糖を絡めた「三温糖ねじ」の2種類が代表作となっています。
実店舗では他のフレーバーも取り扱っている様ですが(抹茶味など)、通販では「黒ねじ」「三温糖ねじ」のみとなっています。
ただし、つくねと呼ばれている直径2cm程の大きさであるあられに「黒ねじ」「三温糖ねじ」と同様の味付けした製品は通販でも購入可能です。
レビュー
今回紹介するのは「金岡製菓」の「黒ねじ」と「三温糖ねじ」です。
▼中身は金岡製菓のもの。
元々は上流階級の菓子として広まったそうですが、播州駄菓子と呼ばれる様になり、駄菓子として発展していったそうです。
ゴマや抹茶、大豆などを生地に混ぜ込むタイプもあるそうですが、「金岡製菓」の製品にはその様なものは無いようですね。
駄菓子と表現されるものの、現代に残っている姫路のかりんとうはいい素材を使った高級かりんとうの分類に入ると感じました。
「金岡製菓」の製品を卸販売しているメーカーが複数あり、こちらの製品は実店舗では「2食ねじ」として販売されている品ですが、今回購入した「ぶーらんじぇ」では「姫の国のかりぽ」という名前でした。
黒ねじ
黒という製品名通りに黒糖を使った蜜がたっぷりと使われており、黒糖麩菓子以上に濃厚そうに見えますが、三温糖をブレンドすることで見た目程力強い味わいではありません。
使用している黒糖は沖縄県の波照間島産の物であり、沖縄の黒糖はミネラル分が強く、そのまま使うと旨味も強い分くどいのですが、三温糖を加えてまろやかにするという発想は調理師としても是非、真似したいテクニックですね。
その結果、最初は黒糖の良い風味を堪能していると生地に含まれる油分が交わり、見た目やかりんとうとは思えない上品さと高級感のある新たな味わいが楽しめます。
▼断面、フランスパン並みに空洞がある。
硬い和菓子というとかりんとうや芋けんぴなどは話題に挙がりますが、これらのバキッボリッとした硬さは「金岡製菓」のかりんとうにはありません。
軽やか…という程サクサクとした歯ごたえではありませんが、細長いかりんとうよりも適度な硬さとしっとり感が嬉しいですね。
又、かりんとうにありがちな脂っこさはほとんど無く、後味はスッキリしているのも特徴の1つでしょう。
これは大きめに切った生地をねじり、たっぷりの菜種油で揚げる事で脂が染みる表面積が減り、尚且つ、生地の膨らみが良くなる...1手間かけるだけで大きな味の差を生み出している見事な技ですね。
三温糖ねじ
一方、「三温糖ねじ」は名前のイメージよりも茶色なので、『茶ねじと表した方が最適なのでは?』と最初は思いましたが、「金岡製菓」では既に抹茶味の「茶ねじ」がありました(笑)。
製造メーカーによっては三温糖を使ったものを「茶ねじ」として販売していることもあるので、購入時には製品名と原材料を確認してみてください。
黒糖を使った物よりも当然ながらスッキリしており、個人的にはこの「三温糖ねじ」がオススメですね。
▼10cm程度の長さと太さが迫力。
油が染みた生地では無いせいか、三温糖の方が全体的に軽やかな味わいな分、黒糖よりも生地の味わいを余すこと無く楽しめるからかもしれません。
といっても、全体的に人気があるのは「黒ねじ」の方なので、両方とも賞味してみることをオススメします。
たっぷりの蜜を絡めてあるので手で持っても普通のかりんとうと違い、ベトベトとくっつくことが無いのも地味に嬉しいポイントですね。
総評
一般的に想像するかりんとうよりも軽やかで蜜が多いのが魅力ですが、別物と考えてもいい製品かもしれません。
その分、ハマってしまうと元のかりんとうに戻れなくなる人が多くおり、通販でのリピーターは思いの外居ます。
「カシライフ」が販売していると「姫の国のかりぽ」はパッケージこそ違いますが、製造元は同じ「金岡製菓」となっています。
ただし、「黒ねじ」しか販売していないので、管理人がオススメしたい三温糖のフレーバーが気になる人は「姫の国のかりぽ」を選びましょう。