情報番組と特殊な健康法は時間と金の無駄遣い
テレビでは低予算で作ることが出来る情報番組は流行にも合っており、毎日の様に健康食品や新常識的な番組をやっています。
ですが、実際に特定の食品を食べることや特殊なダイエットを行うことで健康になることはあり得るのでしょうか?
答えは勿論、そんな都合の良いことはなく、健康な身体は常日頃からバランスの良い食事と生活習慣からもたらされます。
全てが間違いということはないですが、大抵は科学的根拠がなく、専門家が警鐘を鳴らすのが日常茶飯事です。
本記事では如何にテレビやネット、本などによるダイエットや健康に関する内容を閲覧する時間が無駄であるかということをまとめたものです。
又、ダイエット本や健康本、健康食品などを購入する無意味さを記載しています。
それらに使う時間や労力、情報を獲得するためにかかるコストなどを無くすためにも本記事を執筆しました。
健康・ダイエット情報番組が花盛りだが…
管理栄養士という免許を持つ上に、自分のブログを持っているのでその情報が合っているのか調べる為に、色々と論文や本などを読みますが、健康食品やダイエット本などのほとんどが付加価値でごまかしているというのが現状です。
付加価値というのは正確に説明すると違いますが、管理人はマーケティングのプロじゃないのでうまく説明出来なくて申し訳ありません(笑)。
「アイドルのCDに握手券を付ける」
「食品そのものに含まれる情報を盛大にアピールして、食品の利用価値を高める」
「あらゆるサービスにより商品の価値を高める」
付加価値は上記の様に商品の価値を高める為にプラスアルファの情報やサービスなどを付けることであり、食品の場合は含まれている成分をまるで健康の神様の様にたてまつり、『健康になる・ダイエットになる』という価値を付けて、売れやすくしている訳ですね。
怪しい広告の体重減少の内容
新聞ではなく、ネットでニュースを確認するのが常識となっている現代では記事の間に広告を挿入することでアプリの開発者や多くのメディアは収入を得ています。
そういう所に記載されている広告は様々ありますが、ダイエットに関する広告や美容用品などはとても怪しいですよね(笑)。
『〇〇日や〇週間で体重が何キロも減った!』という広告をよく見かけますが、脂肪を1kg落とすには約7200kcal分のエネルギーを消費しないといけないので、その他の成分を身体から抜いているだけだと考えられます。
1番簡単なのは朝昼晩とたっぷりの食事を取ったその日の晩飯後に体重計に乗り、その数値を現在の体重と申告し、2日後の朝に排便した後の体重を量ればそれだけで2kgぐらいなら数値を減らすことが出来ます。
更に水分の摂取と食事、糖質制限によるグリコーゲンの枯渇により、2,3kg程度なら簡単に減らせるでしょう。
これが現実であり、あらゆるダイエットサプリやダイエット方法はなんの意味もない数値を見せて、知識のない人をカモにしているのが長年の歴史において幾度となく繰り返されています。
ダイエットビジネスだけではなく、聞き慣れない単語で素人をカモにする内容が増え、銀行で言えばリボ払いが以前よりプッシュされる様になりました。
しかし、これは金利が高い上に長いスパンで分割する分、利息が増えるので闇金クラスの借金と同じシステムです(笑)。
いずれにせよ美味しい話には裏があることを覚えておきましょう。
ダイエットと体重計
体重を量りたい時には起床後に排便の有無を考慮し、飲食をしない状態で体重計に乗るようにすると比較的正確な値が出やすいです。
毎日量ると正確な体重変化がわかりやすいですが、微々たる変化なのでメンタル面にダメージがあるという欠点もあります。
そこで、月に2kg痩せると目標を立てた時には1週間に1度計量し、だいたい0.5kg痩せ続けることが出来ていれば、ダイエットが上手く行えていることを実感できるはずです。
そんなの考えるの面倒だと思った場合には最近の体重計は体脂肪も正確に計れるらしいので、この様な商品を買っても良いかもしれません。
健康・ダイエット本はほぼハズレ
『ネットニュースで挙げられた記事の多くが出版されている本からの引用かつ、最後に本を紹介して締める。』
という一連の流れが多くあり、テレビや新聞などでは広告費と関連して筆者とメディアはウィンウィンの関係にはなりますが、ダイエット・健康関連の内容の本は購入する人がカモにされるケースが非常に多いのが現状です。
栄養学というのはとても地味であり、つまらない答えばかりになるので『楽に痩せれる!』『1週間で体重がマイナス○○kg!』などの生物の仕組みを無視した派手な商品がメディアでは紹介されます。
果てしなく地味な内容を1時間番組で紹介しても視聴率が取れませんが、派手なダイエットは『えーっ!そうだったんだー!』とサクラが仕事しやすいので盛り上げやすいですしね(笑)。
書店やネットニュース、ウェブ検索においても地味なタイトルというのは興味を持たれづらいので、派手なタイトルになりやすい内容が持て囃されるという悪循環に陥るわけです。
『悪貨は良貨を駆逐する』ということわざがありますが、人の為に真面目に研究している人は世界中には多数いますが、この様な悪玉菌系ダイエット・健康本で儲けている悪人のせいで同じ肩書を持つ人に迷惑をかけています。
斬新な本の医者・管理栄養士監修は気をつけろ
ここの項目がタイトルと一部重複していますが、許してください(笑)。
当サイトはお取り寄せがメインのサイトですがポリフェノール、酵素、美肌、美容、健康などを広告主が紹介していても、本記事にて記載していないのはほとんどエビデンス(根拠)が無いものばかりだからです。
といっても、美味しいければ安かろうと高かろうと紹介するので商品自体には間違いはなく(怪しすぎるものはそもそも買いません笑)、マーケティングに則ったセール方法としては常套手段なので、ある程度はスルーしています。
管理栄養士の立場から見て、楽して健康的なダイエット方法と100%の寿命を全うすることが出来る理想的な生活や体重がわかるのは神様ぐらいだと思います(笑)。
なんせ産まれてから死ぬまでの追跡調査を生涯(80年以上のデータ)の食事と生活を一部ももらすことなく、記述し続ける人を大量に確保するのはあらゆる意味で厳しいですからね。
なので、新しいダイエット方法を提唱しているたかだか1人の医者や栄養士・管理栄養士には気をつけてください。
医者の場合は知人がいるわけではないですが、医者が出版している本(医学部の大罪)や経済ニュースなどを見ていると栄養学というカリキュラム自体が医大には存在しておらず、予防医学が重要視されている現在問題になりつつある様ですね。
なので、医大の栄養学を専攻・専門としている医者以外はかなり怪しく、『新常識!』的なTV番組の解説してる人はグレーな存在もありえます。
栄養士・管理栄養士に関しては研究職に付いている人はほぼごく一部であり、資格を取った後に勉強をしている人はあまり多いとは言えないのが現状です(ほとんどの職業におけることかもしれませんが…)。
そして、勉強すればするほど地味な栄養学では特殊なダイエットが無理だと結論に至るはずです。
至らずに斬新なことを言っている人は医者・管理栄養士共に業界から煙たがられており、医者と栄養士の立場や地位を下げています。
メディアで紹介される本は大抵落書きの様な内容であり、天然信仰と医者信仰をしている人は少しは疑うようにしましょう。
弁護士や医者などが『先生』である時代は終わり、ただの人であり、いずれの職業のプロ同様にピンキリです。
反面教師としてこの手の本を偶に買う必要がありますが、本当に時間とお金の無駄になるので全スルー推奨ですね(笑)。
ポリフェノールは無いものを探す方が難しい
ポリフェノールでも有用なものは勿論存在しますが、実際に役立つものはあまり無いでしょう。
ポリフェノールは自然界に5,000種類位上あると言われており、確かに有用な成分が幾つか発表されています。
多くの食品や素人が書いた美容コラムなどでは野菜や果物にポリフェノールたっぷりと言っている記事が多数ありますが、そもそもポリフェノールは植物にはほぼ含まれているものであり、光合成によって出来る、植物の色素や苦味の成分に当たります。
ポリフェノールには確かに抗酸化物質としての働きがありますが、ヒトに対する健康効果は無いとの研究報告があがっているものもあり、『抗酸化物質が入っている=活性酸素を除去』という方程式が成り立つわけではないことを覚えておきましょう。
かつて、『赤ワインが健康にいい!』という話題がのぼり、アメリカや日本で赤ワインブームが来ましたが、2014年に発表された論文により、効果が無いことがわかりました。
アメリカではその事実が発表されたのにもかかわらず、まだまだ赤ワインのポリフェノールを含有したサプリメントが市場ではかなり売れているそうなので、食品における健康の期待は恐ろしい経済効果を生むことがわかります。
Resveratrol Levels and All-Cause Mortality in Older Community-Dwelling Adults
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/1868537
勿論、効果のあると言われているお茶に含まれているカテキンやコーヒーに含まれているクロロゲン酸などもありますが、意図して大量に摂取するのではなく、嗜む程度で十分です。
酵素を摂取して効果があるものはわずかしかない
上記の商品も酵素を利用しており、洗剤とは名が付いていますが、界面活性剤やアルカリ剤などは使われてもいないにも関わらず、汚れが落ちます。
洗濯洗剤にはタンパク質を分解できるプロテアーゼや油を分解できるリパーゼなどが利用されていることがあります。
他に使われている日用品で言うとムダ毛処理に使われる脱毛剤に酵素パパインという、毛の構成成分であるケラチンを分解するタンパク質分解酵素が使用されています。
工業製品や食品加工、香料などと多岐にわたる活躍をしてくれる酵素ですが、残念ながら食品として摂取する場合にはほとんどが作用しません。
中学生の生物の復習になりますが、酵素は身体の中の化学変化を助けるタンパク質であり、体内で様々な働きをしてくれています。
ですが、タンパク質である酵素は42℃まで加熱されるか、強い酸に触れると失活(酵素の役割がなくなること)してしまいます。
管理人が知る限りでは例外を除くと、唾液や胃液などに含まれている消化酵素は酸性に耐えられる希少な酵素になります。
ジアスターゼというでんぶんを分解する消化酵素が含まれている山芋は酵素が体内に影響する希少な食品であり、消化が良いのはこの為ですね。
医薬品の胃薬に当たる消化酵素製剤はこの消化酵素を複数含む製剤であり、体内の消化酵素の働きを助けるものです。
上記の事から酵素を謳っている健康食品はほぼ効果が無いと言えるでしょう。
地道なダイエットが王道であり、美しくなれる
※見づらいですが写真は拡大出来ます。
上記の食事バランスガイドは農林水産省が1日に何をどれだけ食べたらよいかを参考に出来る様におおよその量をイラストでわかりやすく示したものです。
様々なダイエット方法がありますが、主食、主菜を食べすぎず、野菜やフルーツ、乳製品などをバランスよく取るという方法以上に王道なダイエットはありません。
『楽なダイエットは無く、1ヶ月に1,2キログラムずつ痩せる。』のが現状では正解でしょう。
『1ヶ月でそれだけ?』と思った人もいると思いますが、1年続ければ12~24kg痩せるので実際には十分すぎると言っていいでしょう。
又、『キレイになる方法は食生活と生活習慣を改善すること』であり、『ポリフェノールや酵素、スーパーフードなどに頼る必要性はほぼ無い』ので余計なお金や習い事にお金を使う必要はありません。
昨今では様々なメディアで人の体型や肌を気軽に加工できる時代になっていますが、実際には化粧や照明、写真加工がなければキレイじゃない人も多く居ます。
変な食生活になるようなダイエットでは急激に体重が落ちるという数値の魔力を味わえますが、実際には食生活を改善し、コツコツ減らして、内側も外側もキレイになる方がよほどモテます(笑)。
見た目に関しては好みはあるものの、肌がキレイな人が嫌いな人は居ないといっても過言ではないと思うので、肌がキレイになれる様にバランスの良い食生活にしましょう。
「痩せる」から「健康のために」へと置き換える
そもそもダイエットは「痩せる」という意味合いではなく、本来は「健康や美容のために食事の量を制限する」という意味です。
なので、痩せ過ぎている人を健康体になる様に食事量を増やすこともダイエット言えますが、日本では最早その使い方には違和感があるので、「健康体になる」という意味合いで使ったほうが良いでしょう。
太っている理由としては大まかに別けると食べ過ぎか病的な理由の2つとなり、後者は通院すべき内容ですが、『食べすぎている量を適切な量に正す』のは寝不足を治すためにしっかりと睡眠を取るのと一緒の話です。
お酒を飲みすぎている人やタバコを吸っていて、健康になれないと言われてもダレも納得しないのと同様に、食べすぎているのに痩せたいというのはおかしい内容ですよね(笑)。
そこに付け入るのがダイエットジムやサプリメント、健康食品などであり、騙した時点で大儲けになるのが長年の歴史にて証明されています。
なので、その様な都合のいい話を信じずに、『痩せるor体重を減らすためではなく、健康になるために多く摂取した量を減らす』というマインドを持つことで自分の身体と懐(財布)を守る様にしましょう。