調理器具

【二年時レビュー】桐製計量米びつ「米蔵」【竹本木箱店】

2022年11月17日

セールスポイント

・総桐製でありながらも計量機能付き。
・虫が発生しにくく、米の味が保たれる。
・木製なので米が全くくっつかない。

本記事について

今回はシンプルなレビューではなく、製品部分の説明を交えながら実物を見た方がわかりやすい為、細かい事を商品紹介の箇所にまとめています。

レビュー以降では『米の性質』や『米の取り扱い方』などの大事な所を全て記載してあるので、「米蔵」に限らず、様々な米びつを買う前に確認しておくと役に立ちます。

幾ら高性能な器具を買っても、保管方法が最悪ならば全く意味がないからです。

竹本木箱店と米蔵について

富山県高岡市にある「竹本木箱店」は富山県に多くある桐箱の製造メーカーの1つであり、職人が全て手製で制作している製造メーカーです。

主な販売製品は自動計量機能付きの総桐製の計量機能付き米びつ(ライスストッカー)である「米蔵」です。

「米蔵」には5kg、10kg、30kgのサイズがあり、「米蔵」のコンパクトサイズ版「優氣」は3kgと5kgが販売されています。

米びつ以外にはパン用のケースを販売していますが、圧倒的に売れ筋になっているのが「米蔵」であり、現在は一日中「米蔵」を作り続けているそうです。

昔から桐の容器が重宝されていた理由

西洋文化が浸透しきった日本では桐製の箱は実家や田舎などに行かないと中々出会えなくなったと思いますが、桐製品は丈夫で長期保存に適しており、プラスチック製品よりも遥かに優秀です。

桐は微妙な湿度管理を自然に行ってくれ、湿度が高ければ木材が膨張して密封性が高くなり、内部に湿気が入ることを防いでくれます。

逆に、乾燥した場合には桐が収縮し、通気性が良くなることで、内部が蒸れないようになります。

その湿度管理を自動で行ってくれる為、着物に使われていた絹には程よい湿度が保たれ、高級感があることから贈り物にも重宝されていた桐箱は日本文化には欠かせませんでした。

レビュー

今回紹介するのは「竹本木箱店」の「米蔵 10kg」です。

▼外装。

▼米蔵全体像。

サイズは【W230mm×H450mm×D430mm】となっています。

入れられる米の量は10kgとなっていますが、頑張れば11kgぐらいまで入ります。

その代わり、米を入れる際に均す必要があります。

▼横から見た米蔵。

ポイント

桐に含まれる渋味成分であるタンニンやセサミン、パウロニンなどのポリフェノールが防腐と防虫交換に役立ち、抗菌・消臭効果も期待できます。

桐の色が変化する理由も含まれているタンニンの効果の1つであり、年月を掛けた際の色の変化が楽しめます(アメ色・赤黒色になってきます)。

▼米を入れる上の部分(フタ)。

光の当たり方も関係していますが、フタが開く形に見えにくいほどにキッチリ作ってあります。

フタは完璧に分離しますが、物を置くのにもガタツキが全く無く、ちょっとした道具を置けます。

それほどに正確に作ってあるので、開けっ放しにしなければ外部から虫が侵入することはありません。

▼漏斗形が余さず米を集める。

個人的に金属製・プラスチック製で一番イライラするポイントが静電気で乾燥した米が張り付いてしまい、扱いが面倒だったことでした。

我が家は米の消費量が早いので、鮮度に関してはそこまで気にしていませんでしたが、様々な所に遊びに行ってしまう道楽物の米だけは厄介物です。

程よく湿度が保たれる性質がある桐の製品ならばこの現象が起こらず、漏斗形は米を1粒残らず穴まで落ちてくれます。

▼計量機能を担う「つまみ」。

1合を自動で計量してくれる機能が付いており、金属製品を使わずに、木だけで構成しているのが職人技ですね。

この機能自体が付いている桐製の米びつも数品は販売されていますが、底面を漏斗形(角度を付ける)にすることで米の量が少なくとも安定した計量が可能になっています。

▼つまみを引くと1合。

つまみは引く際に引き出し(計量した米が集まる場所)を戻していないと、つまみは動かなくなるので、手順ミスした際に米が至る所にばら撒かれる事件を防ぐことが出来ます。

1.つまみを引く時に底のフタが空き、米が引き出しに
2.つまみを戻す時に1合分の米が補充

という流れになっているので、1と2の各動作を2秒ぐらいかけて、ゆっくりとつまみを動かさないと計量ミスが起きてしまいます。

通販サイトのレビューを読んでいるとパッ・パッと作業をしてしまう人が結構おり、そのせいで『計量が正しく出来ない!不良品!』と思い込むみたいなので気をつけましょう。

計量機能自体には特許はありませんが、漏斗形になっている所とこの計量機能の作り方は特許取得済みなので他社製品にはない強みですね。

▼受け皿(引き出し)。

こちらに計測した米が集まる場所であり、最大6合まで収納されます。

残量が少ないときは米が切れたことの合図となりますが、その確認は微量だと気が付きにくいのが欠点ですね(例:残ってた米が140gでぱっと見判断が不可能)。

なので、米の補充をしてから数週間後にフタを開けて、残量のチェックするクセを付けておくと間違いが防げます。

掃除をしない時にはそのまま新しい米を補充すれば、古い米は漏斗形の恩恵により下部に溜まり、古い米が先に出る様になっています。

▼こちらは3合計量。

1合は大体150gとなっていますが、本製品にて1合を計量した場合には何g出るかを無洗米にて計測してみました。

無洗米以外を入れたことがありませんが、普通の精白米の方がg数が少なく出るので、より150gに近い数値になるでしょう。

10回ほど計量して平均値を取ってみた所、155gとなりましたが、計量カップを用いた場合と誤差は無いレベルと言っても良いでしょう。

どの米でも美味しく炊く方法

精白米(普通米)と無洗米では1合のg数が異なりますが、そもそも、家庭で米を炊く際には仕上がり時の好みの硬さや使用している米のブランド、炊飯器各種モード、器具などと水分量は様々です。

又、「米蔵」に限りませんが、レバー式のプラスチック製品も同様に正確に出ることは絶対にあり得ません。

枡を使おうとカップを使おうとおおよその量になり、米に含まれる水分量もマチマチ、安定した仕上がりを求めるならば毎回、米と水の量を秤を使って計量するのが良いでしょう。

しかし、器具を使わずにやる場合には難しいことをせずに、炊飯器の目盛りを基準にして加減する方法をオススメします。

▼目盛りとシンクのフチを平行に。

水を注ぐ場所がシンク付近だと思うので、傾きがあることを考えると所定の位置で必ずやらないと安定しません。

そこで、シンクのフチを所定の場所にし、目盛りと平行にするとある程度目分量が出来ます(線の位置が大きくずれると想像以上に水位が変わる事に注意)。

1回目は完璧に勘で作ることになりますが、2回目以降は『以前は硬かったから線が埋まるぐらいに水を増やそう』『以前は柔らかかったから線より下まで水を減らそう』という感覚が掴めます。

「米蔵」は米の保管容器として湿気調整を自動でやってくれる為、同じ製品であれば水分量が変わることはほぼないので、安定した米の炊き方がその内マスター出来るはずです。

総評

使えば使うほどつまみや引き出しがスムーズに動く様になり、色合いも変化してきます。

米がたっぷり入った状態で本体を落とせば一発で駄目になるでしょうが、基本的には頑丈なものであり、プラスチック製の製品よりも寿命は長いのでコストパフォーマンスは中々ですね。

又、虫が入れる隙間が無いほど精密に作ってあり、防虫効果のある製品を使わずとも済む桐製米櫃は虫がよく発生する環境では検討して良い製品です。

2年近く使っていますが、不満点はただ1点であり、「米蔵」のシールを剥がしたいという所ですね(笑)。

竹本木箱店

桐製品の手入れ方法

非常にお手軽であり、柔らかい布で木目に沿って優しく吹くだけなので、特別な道具も何も必要はありません。

出来れば米を足す際に毎回掃除をするべきですが、管理人は数ヶ月に1回程度しか行っていません。

シミが気になる場合には「との粉/とのこ」という石を細かく砕いた粉をシミの部分にふりかけ、柔らかい布で拭き取ると色が明るくなります。

高価な桐製品を買う前に米について知っておく

『桐を使えば』『虫よけを使えば』などと特定の器具を使えば問題は全て解決出来ると考えている人も偶にいるそうですが、人間以外の生物も大したパワーを持っているので簡単な話ではありません。

昔から桐製品は嫁入り道具の定番になるぐらいなので、安いものではなく、今回レビューしている「米蔵」もプラスチック製に比べれば遥かに高価でしょう。

製品自体の手入れはほぼ必要ありませんが、米についての知識をしっかりと抑えておくことで、より安心かつ美味しいお米生活を迎えましょう。

米の美味しい期間と丁度いいサイズの容量

保存食や熟成が必要な食品以外では、早く食べるべきと言われているものがほとんどですが、米もご多分に漏れません。

日本では新米が採れる様になると各メーカーがこぞって『新米はじめました』状態になりますが、新米が美味しい理由は水分量が古米に比べて多く含まれているからです。

しかし、新米だけではなく、古米も保存状態が悪いと驚くほど味の鮮度が保たず、湿気が多ければ虫やカビの問題が起き、乾燥しすぎれば水分が飛んで味と香りが落ちます。

精米後に美味しく食べられる期間は新米以外は大体1ヶ月(新米は2ヶ月)と言われているので、1ヶ月に消費する米のg数が理想の米びつのサイズとなります。

新米なのに普通の味?

保管技術が発達している為、米の水分量は年がら年中新米に近い状態になっていることが多く、味の差が無くなって来ているのが大きな理由の1つ目ですね。

2つ目は生産性を重視した大量生産の米の場合には、素早く米の糠を研磨する必要があるので、高温状態になるほどの摩擦熱が発生しています。

その結果、新米だろうと状態が良い米だろうと水分が飛んでしまい、大したことない味になってしまいます。

美味しい米のポイントは好みの品種も関係していますが、精米時に熱が出ない加工をしているメーカーならば新米じゃなくとも美味しいのです。

乾燥剤は味が落ちる

先述した様に乾燥は米の敵なので、乾燥剤や除湿剤を用いると米の水分を奪ってしまい、何も良いことがありません。

保管場所について

シンクの下に入れるのが主流となっていますが、臭いがこもる環境かつ湿気の問題があるので、場合によっては米にとって最悪な環境の1つとも言えます。

米自体だけではなく、米びつが木製の場合には匂いを吸着する性質があるので、高温多湿を避け、ガス周りや炊飯器、電気湯沸かし器などからは遠ざけた場所に保管しましょう。

袋やプラスチックなどの密閉容器でも、空気が多く入っていると寒暖差で水滴が発生し、カビの発生リスクも出てしまいます。

だからといって、天日が当たる場所に保管すると米の水分が飛び、最悪ひび割れてしまい、最悪の米を食べる羽目になります。

米びつには無洗米がオススメ

管理人は無洗米のみを「米蔵」で使用していますが、それには大きなメリットがあり、無洗米には米ぬかがほぼありません。

100%無い訳ではありませんが、米びつの手入れをかなり減らすことが出来ます。

逆に、普通の精白米や玄米の場合は丈夫な紙製の米袋か小さめのライスストッカー(上記商品)に保存し、無洗米よりも優先して使っています。

虫が湧く理由

米だけではなく、様々な穀類には虫が発生リスクは多かれ少なかれあり、どんなに精度の高い方法でも100%除去は出来ません。

管理人も調理現場でそれなりに仕事をしていますが、極稀に穀類を袋から取り出した時に遭遇することがありますが、日本は品質管理に煩い国なのでほとんど見かけたことがありません。

基本的には製造工程で紛れる・取り損なう、保管・輸送時に包装が破けてしまい、侵入してしまったなどですが、やはりこちらも少ないでしょう。

では、どの様な時に起こりやすいかというと『精米機を使用した場合』『訳あり品を購入』『家庭内で侵入する』の3点が多いそうです。

『訳あり品を購入』『家庭内で侵入する』はシンプルな話、管理方法の問題であり、袋が破けてれば虫は入りやすいですし、適当に扱っていれば隙間から入ってしまいます。

『精米機を使用した場合』は一番可能性が高く、中でも無人の精米機はトップクラスの危険度です。

穀類に発生する虫は米ぬかを好む性質があり、精米機を毎回清潔にしていない限り、入ってしまう可能性があり、様々な人が利用するので状況が全く見えません。

実は虫が湧いても食べられる

米に付きやすい虫は「コクゾウムシ」が多いのですが、一般的には米の中に唐辛子やニンニク、山椒、備長炭などを入れておくと防虫効果が高いと言われています。

万が一、虫が湧いてしまっても米を庭やベランダなどで陰干しすれば外に出ていき、食すことが出来ます。

現代人、特に日本人はこの様な場合には食べることを躊躇する人が多いので、生理的に受け付けないという人が多いかもしれません。

この様なことで食品の廃棄をするのはコストパフォーマンスにも影響しますが、食品を無駄にすることに繋がるので、しっかりとした容器を使用することをオススメします。

炭を入れると米が上手くなる理由とオススメの炭

『炭のミネラル分が米に染み込む』『米が水道水の塩素を除去する』『米ぬかの匂いを軽減する』『遠赤外線効果がある』などの作用が炭を入れて炊飯すると美味しくなる理由と言われています。

個人的に大きな働きが『炭の弱アルカリ性がでんぷん分解酵素の働きをよくする』ことであり、確かに甘味が強くなる傾向にあると感じます。

炊飯用の炭を3,4本/個ぐらい用意しておけばローテーションして使用することも可能であり、水道水を美味しくする炭としても利用できます。

▼写真上が竹炭、写真右下が備長炭。

一番のオススメはウバメガシを使った備長炭(白炭とも)という割れにくく、扱いやすい炭なのですがハッキリいって炭火焼き料理を普段行わない人が買うには高すぎます。

炭を定期的に購入する人ならば買っても良いかもしれませんが、500~1000円程度でそれなりの量が揃う竹炭がリーズナブルかつ軽やかな味わいです。

ただし、大抵の炭は軽くて浮きやすく、丈夫ではないので、炭を使った生活が定着しそうだと感じたら、重いことにより水に沈みやすいウバメガシの備長炭の購入の検討をしてみるのが良いでしょう。

ちなみに、水に浮くからダメな炭という訳ではなく、炭に使った元々の木が重く、大きな穴が少ないものが沈むだけです。

まとめ

以上で桐製の米びつと米の話は終わりになります。

桐製の米びつは安いものから高いものまで幅広くありますが、あまりにも安い製品は密封性がかなり低い様なのでオススメしません。

中途半端なものを買うぐらいならばプラスチック製のライスストッカーの方がマシですが、色々なこだわりがある人ならば「米蔵」は中々良い製品ですよ。

竹本木箱店

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