審査対象 計33品(写真に掲載されていないもの有)
選ばれた商品は黄色マーカーでチェックしてあります。
国産パスタ(10品)
マ・マー 結束スパゲッティ 日本製粉(ニップン)
マ・マー 早ゆでスパゲッティ 日本製粉
青の洞窟 結束タイプ 日本製粉
オーマイパスタ オーマイ
REGALO 結束スパゲッティ オーマイ
ポポロスパ はごろもフーズ
洋食屋さんのトップスパゲッティ 赤城食品
Happy Berry スパゲティーニ Amazon
スパゲッティ 1.4mm 昭和産業
ザ・クラフトパスタ ニューオークボ
輸入パスタ(23品)
有機全粒粉スパゲッティ alce nero(アルチェネロ)
全粒粉 有機スパゲッティ GIROLOMONI(ジロロモーニ)
エクスプレス 早ゆでスパゲッティ Latino(ラティーノ)
スパゲティ・リストランテ Granoro(グラノロ)
スパゲッティ・リストランテ DIVELLA(ディヴェッラ)
スパゲッティーニNo.103 Voiello(ヴォイエロ)
No.10 フェデリーニ DE TECCO(ディ・チェコ)
スパゲッティ No.5 Barilla(バリラ)
セルシオーネオロシェフ No.5 Barilla(バリラ)
スパゲッティ 1.5mm Fabbri(ファブリ)
スパゲッティ 1.3mm 1.8mm Setaro(セタロ)
スパゲッティ 1.6mm Martelli(マルテッリ)
スパゲッティーニ 1.6mm GRAGNANESI(グラニャネージ)
スパゲッティ 1.7mm Selva(セルバ)
スパゲッティーニ 1.7mm Di Martino(ディ・マルティーノ)
スパゲッティNo.5 MAESTRI(マエストリ)
スパゲッティNo.15 1.7mm La Molisana(ラ・モリサナ)
No.72 スパゲッティーニ プレミア Buitoni(ブイトーニ)
リングイネ No.34 Giuseppe cocco(ジュゼッペ・コッコ)
スパゲッティー 1.7mm Rustichella(ルスティケーラ)
リングイネ&スパゲッティーニ 2mm Pastificio Vicidormini(ヴィチドーミニ)
スパゲッティーニ No.16 PASTIFICIO EXTRA DI LUSSO (ルッソ)
スパゲッティーニ 1.4mm DAL CUORE(ダルクオーレ)
この記事について
よく見る乾麺のパスタからあまり見かけない乾麺のパスタまで幅広く食べた経験を活かし、読者の好みに合ったおすすめパスタを選ぶために役立てる様にした記事です。
日本人は兎に角細長い麺類が好きであり、パスタといえば様々な形態の商品を指しますが、本記事ではペンネやマカロニなどを抜かした需要の多い細長いスパゲティのみを紹介します。
いつもながら能書きが前半に長々と続きますが、この記事を読んでおけばパスタの知識や疑問の解消が出来る様に構成されています。
美味しい商品だけを知りたい人はこちらをクリックorタップするか、目次から飛ばしてください。
スパゲッティの基礎知識
スパゲッティはイタリア料理で使われる麺であり、パスタの1つである紐の様に細長いヌードルのことを指します。
スパゲッティは太さによって品名が分類されており、以下の様になっています。
2.0mm強 spaghettoni(スパゲットーニ)またはvermicelli(ヴェルミッチェリ)
1.6mm前後 spaghettini(スパゲッティーニ)
1.3~1.5mm fedelini(フェデリーニ)
1.2mm未満 cappelini(カッペリーニ)
今回は一番日本人に需要のある(世界ではショートパスタの方が需要アリ)ロングパスタのスパゲッティーニとフェデリーニを基本にして紹介します。
パスタの材料であるデュラム小麦とは?
デュラム小麦はスパゲティやマカロニに向いているものであり、柔軟で弾力性のある強いグルテンを豊富に含む為、加工するとシコシコとした食感の強いコシが出てきます。
乾燥パスタに最も適した粗挽きがセモリナ、セモリナよりも細かく挽いたのがセモーラと呼び分けられています。
デュラム小麦は皮と糠を取った胚乳部分が黄色なので、パスタの色が黄色に仕上がりますが、全粒粉パスタの場合は小麦の茶色の部分が入るので色が茶色になります。
ほのかに茶色になっているパスタは乾燥機にかけられる際に高温である証拠であり、小麦粉のデンプンがカラメル化していることが考えられます。
テフロンダイスとブロンズダイス
乾燥パスタを製造する際にはダイスという穴の空いた型に水で練ったデュラム小麦粉の生地を入れて、押し出したものを乾燥させています。
ダイスは最近ではテフロン加工されたテフロンダイスと伝統的なダイスである銅で出来ているブロンズダイスの2種類が主流です。
テフロンダイスは表面が滑らかに仕上がるので、日本人が想像しやすい麺類の様にツルッとした舌触りです。
一方、ブロンズダイスはテフロンダイスよりも凹凸がある型なので、押し出したパスタの表面にザラつきが付き、麺とよく絡む特製があります。
▼ラティーノのエクスプレス(早茹で)タイプの実物。
ダイスの形状を工夫することにより、上記の写真の様に水が触れる面積を増やすことで茹でる時間を大幅に短縮できます。
大抵の早茹でタイプのパスタは切り口が星型や花型などに近い形状をしています。
パスタの味を決める要因
乾燥パスタの製造方法はシンプル故に、素材である小麦粉と水、使用するダイスの形状と金属の種類、乾燥方法で味が決まります。
小麦粉と水はわかりやすく、先述したダイスによって味が変わることも解ったと思います。
イメージが湧きにくいのは乾燥だと考えられますが、基本的に食材は高温加熱された場合に香りが出ますが、同時に素材に入っている風味は弱まってしまいます。
日本でいうと素麺がわかりやすいと思いますが、昔ながらの天日干しで丁寧に作られた良質な素麺は熟成期間が1~3年と長くとも、小麦粉の風味がしっかりと味わえます。
パスタも同様であり、美味しいパスタは自然乾燥にしろ、機械干しにしろ、低温で乾燥させることで風味を失わずに保存製を高め、生パスタとも違う独特の食感を生み出すことが出来ます。
日本のパスタの風味が弱い理由の考察
国産パスタよりも海外産パスタの方が風味豊かな理由として考えられることは収穫後から加工するまでに時間がかかるからでしょう。
日本では洋食化が進み、今では小麦粉は欠かせない主要食糧の為、国家貿易制度の元で製粉会社において2,3ヶ月間は一定期間保管されます。
なので、直ぐに加工することが出来ず、外国から海を経由して輸入されるので、収穫からかなりの日数が経っているので味が落ちてしまいます。
ピザ屋やパン屋などで国産小麦粉にこだわっているのにはこれが大きな理由の1つと考えられ、国産小麦粉は値段が輸入品よりも高いものの、香りと味に優れているのは収穫後にすぐに製粉することが出来るからだと思います。
これにより、現地で即座に加工出来る海外製パスタの方が味も香りが優れているパターンが多くなるのではと管理人は結論を出しました。
追記:上記の画像にある「ニューオークボ」の「スパゲッティー1.7mm」は国産で美味しいといえる唯一の乾燥パスタだったので、後にレビューで紹介します。
パスタの茹で方について
一般的に0.5~1%の塩水で茹でるのが基本とされており、スパゲッティは塩が使われていない麺類なのでこの塩が下味になります。
といっても、料理によって塩加減は全く異なるので、ペペロンチーノの様なオイルパスタなどは塩気をかなり強くした方が美味しくなることもありえます。
ほのかに芯が残っている状態であるアルデンテに茹でるのが日本では最上と言われていますが、現場や家庭、パスタの種類によってアルデンテに茹でるのが必ずしも正解ではありません。
本場イタリアでも家庭や料理人によってアルデンテの基準はバラバラであり、『アルデンテ?なにそれ笑』と言う人もいるぐらいらしく、パスタやリゾットなどの茹で置きも大衆食堂ならば珍しくないそうです。
逆に、日本で言うとんこつラーメンのバリカタ並に芯が残っている調理方法を行うイタリア人もおり、ほぐれるどころかまとまって麺が持ち上がるぐらいバキバキなのを出す店をあるとか(笑)。
日本でパスタが親しまれるきっかけである日本生まれのナポリタンも昭和時代は茹で置きを使うのが当たり前だったというのが平成の料理人としては謎だったのですが、イタリアで修行した人や旅行した人が模倣したからだったということがわかってスッキリしました。
フライパンでソースを絡める、ボウルで和えるなどの要素も加味するとアルデンテが正義ではないので、自分にとっての美味しさだけを追求しましょう。
パスタへの塩と硬水の関連性
塩は最初に入れたらすぐ沸騰するとか言われていますが、実際にはわずかな誤差なので個人的には後から入れた方が片付けは楽なのでオススメです。
又、上等な塩を使えば味が良くなるかというと微妙な話であり、パスタは大量の水を使うので良い塩だから美味しく仕上がるかは疑問です(理屈は以下の記事を参照)。
-
【コラム】もう騙されない!美味しい塩と安全な塩とは何か知ろう
・日本国内では3,000種類以上の塩が販売されているので、どの塩を選べばいいのかわかりません。そこで、今回は塩の基礎的な情報やパッケージから性質を読み取る方法などを紹介します。
続きを見る
『イタリアのパスタは硬水だから美味しく茹で上がる』というのは偶に出る話題ですが、硬水でパスタを茹でると糊化が抑制される為、塩を入れなくともアルデンテにすることが出来るメリットがあるらしいです。
しかし、日本の水道水は関東と九州を除き軟水(関東・九州は軟水と中硬水)であり、これを硬水にするには塩に入っている僅かなミネラル(主にマグネシウムがアルデンテにする作用があるらしいです)では到底補い切れきれず、海水よりも塩分が濃いレベルにしないといけません。
マグネシウムを補う為に、塩化マグネシウムであるにがりを水に加える、海外のミネラルウォーターを使うなどの方法はありますが、ミネラル分は基本雑味なので無い方が味は濁らないはずです。
なので、基本的には安い精製塩と水道水で茹でても問題はなく、そもそもアルデンテ自体曖昧なので前項で述べた様に好みの硬さに茹でられるコツを覚える方が実践的です。
厳選したパスタについて
単純に味だけを追求すると結果が超高級パスタだけに絞られてしまうので、値段をリーズナブル・高級品・超高級品に分けた上で特徴をまとめています。
好きな人には申し訳ありませんが、国産パスタ・早ゆで・全粒粉パスタは全て値段も味も見合わないと判断して選んでおらず、その理由をここでざっくりとまとめておきます。
▼国産パスタである青の洞窟です。
国産パスタは小麦粉の味が海外製パスタよりも1つ2つ落ち、メリットと言えることは100gごとに束になっている事とチャック付きぐらいなので、人によっては使いやすいかもしれません。
早ゆでタイプのパスタは同じメーカーで通常品と比べてみましたが、早ゆでタイプは味と食感が落ちるので、味に拘りがあるならば基本的には早ゆでタイプはやめた方が良いでしょう。
▼全粒粉のパスタを茹でたものです。
全粒粉パスタは舌触りが悪く、切れやすい上、玄米や全粒粉のパン以上に糠臭さが目立つので小麦粉の甘味を台無しにしている印象を感じさせられました。
勿論、好みは多種多様なので、こちらを好む人には普通のパスタだと物足りないと感じる人もいるでしょう。
値段とコスパのバランスが良いパスタ
値段に関しては執筆時の時点(2020/03/29)において、平均値や最安値などを参考にして出しています。
ここの項目で紹介するパスタは初めて海外製パスタを味わう、日常的にそれなりに美味しいパスタを味わいたい人向けです。
個別包装だと値段が高く感じるかも知れませんが、業務用サイズの3~5kgを選べば国産パスタよりも安くて美味しい味を楽しむことが出来ます。
パスタメーカーは基本的に細麺タイプのスパゲティ以外にもペンネやマカロニなどのパスタを製造しているので、好きなメーカーが出来ると商品選びが簡単に出来ます。
▼チャック付き袋と乾燥剤で長期保存可。
通常の長さならばパール金属の米びつ5kgがジャストサイズであり、5kgのバリラがスポッと入ります。
管理人は最早、米をいれずにパスタやうどん、そばなどの乾麺ケースとして使っています。
Barilla 5kg 2,110円
データ
本場イタリアで3人に1人が選ぶパスタブランド。
デュラム小麦は全てオリジナルブランドかつ自社管理。
ツルッとした舌触りが楽しめる。
日本における海外製パスタの代名詞的存在その1であり、イタリアでの売上No.1ブランドのノーマルクラスの商品です。
伝統的な製法よりも安心・安全かつ大量生産によるリーズナブルな値段と安定した品質がトップシェアの理由です。
テフロンダイスを使用したツルッとした舌触りであり、色と味から察するに低温乾燥じゃない為、風味はDE CECCOよりも若干控えめですが、値段を考えれば優秀な味わいです。
テフロンダイスで作られるパスタは水分多めのトマトソースやオイルパスタなどに合うと個人的には感じています。
DE TECCO 5kg 2,865円
※写真を撮り忘れました。
データ
家庭・専門店でも定番メーカー。
小麦粉の味と香りも良く、クセがない。
料理を選ばず、比較的麺が伸びにくい。
日本における海外製パスタの代名詞的存在その2であり、料理しやすいバランスの取れた味とほのかな舌触りがある上、適当に茹でても美味しく仕上がってくれます。
DE TECCOの製品は全てブロンズダイスを使用しており、舌触りはほのかにザラザラしている程度ですが十分にソースと絡みます。
又、低温乾燥を行っている為、少し値段が張りますがこの価格帯では風味が優秀であり、麺の大きさや形状に適したソース作りを行えば失敗が少ないのが嬉しいメリットです。
Barillaよりも風味がある為、クリームソースやミートソースの様に強いソースでも麺が負けにくいです。
DIVELLA 5kg 2,065円
データ
麺が伸びにくく、時間をかけて楽しめる。
日本人が好きなコシがある。
麺の表面が滑らかであり、クセが無い。
スーパーではあまり見かけないですが、イタリアの120年以上ある老舗メーカーであり、イタリア国内でのシェアはかなり高い製品です。
ブロンズダイスよりもテフロンダイスを多用している製品が多いので、日本人好みのツルツルとした舌触りとコシが楽しめます。
単純に味だけ見るとDETECCOやBarillaよりも小麦の風味は少し落ちると思いますが、伸びにくい事に特化しており、クセが無いのは麺類としてかなりの強みです。
料理をゆっくり楽しむスタイルの人にオススメです。
味の差が出てくる高級パスタ
こちらから値段が急に跳ね上がるものの、ブロンズダイスによるザラ付きのあるパスタが多く、風味がリーズナブルな商品よりも豊かになる傾向にあります。
又、モチッとした食感が強くなるので、生パスタを好む人や麺自体をシンプルに楽しみたい人にオススメです。
ザ・クラフトパスタ(ニューオークボ) 300g 324円
データ
イタリアの伝統的な製法を踏襲しており、国内製造品。
高級な小麦粉を使うことでほとんどの国産パスタと比べると非常に美味。
日本人の口にあったパスタであり、コスパも悪くない。
イタリアの伝統的な製法を全て踏襲しており、ブロンズダイスを使用することでザラ付きがあり、全ての製造工程において38℃を超えることなく作ることで風味を飛ばしていません。
自然の風で乾燥させたパスタ同様に低温で作る場合には時間がかかるので、「ザ・クラフトパスタ」では低温の風で72時間もかけています(90℃で10時間のメーカーもあるぐらい)。
小麦粉の風味は本項目「味の差が出てくる高級パスタ」の製品と比べると少々落ちますが、甘味や舌触りでは遜色ないですね。
サイズは日本人好みの1.6mm、1.7mm、1.9mmの3種類が用意されており、円安の時にはお世話になる人も多いかも知れません。
少し記事を書き足すのを怠っていたらニューパッケージになっていましたが、内容は一緒です。
Barilla SELEZIONE ORO CHEF 1kg 598円
データ
通常のBarillaのハイモデル版。
麺が伸びにくくなり、コシが強くなった。
風味は少し強くなるが、極端には変わらない。
Barillaの最上級グレードであり、SELEZIONE ORO CHEF(セルシオーネオロシェフ、通称:SOC)という商品名です。
通常のBarillaと比べると風味と旨味が少し改善され、日本人が麺に求めるコシはより強化されています。
値段を計算してみるとディ・チェコの500gタイプより少し高い程度なので、通常のBarillaじゃ風味と麺のコシが物足りないからと言って、コチラを頼む人も多数います。
ですが、通常のBarillaと比べて極端な差を感じにくいので、Barillaでどうしてもこだわりたい人向けです。
Voiello 500g 398円
データ
幻のパスタと言われ、イタリアでも入手困難。
非常にソースと絡みやすい強いザラつきがある。
風味が豊かであり、この価格帯では一番旨味がある。
ナポリ伝統のパスタメーカーであり、イタリア国内でも入手困難と言われているぐらいなので、高い輸入食材を取り扱う店舗にしか無いですね。
業務用サイズで手に入るパスタと比べると香りと味は三割増し以上に感じる程、香りが芳醇であり、ブロンズダイスならではのザラつきのある舌触りは強いです。
モッチリとした歯ごたえとコシがありますが、生パスタとも良くある乾燥パスタの歯ごたえとも違うので他の麺にはない楽しみがあります。
それ故に万人向けというよりは通向けのパスタだと思いますが、これだけの味ならば値段と品質を考えればむしろ安いかもしれません。
MAESTRI スパゲッティNo.5 500g 560円
データ
高級パスタの中では一番モチモチとしている。
伝統的な手法ながらも比較的リーズナブル。
やや強めのソースと相性がいい。
「MAESTRI」はイタリア・カンパーニュ州ナポリの東に位置しており、伝統的なパスタの製法を踏襲した味と食感にこだわっているメーカーです。
ブロンズダイスを使用しており、45℃前後で最低2日間の低温乾燥を行っているので伝統的なスパゲッティを初めて試す場合にもオススメします。
1.7mmとは思えないぐらいに太く茹で上がるので、茹で加減は少々難しいパスタかもしれませんが、コツさえ掴めば冷製でも楽しめます。
▼淡い朝日の様なキレイさ。
先述した様に高級パスタは低温乾燥させているので淡い黄色をしているものですが、「MAESTRI」のパスタはかなりキレイですね。
イタリア界の更科そばみたいな雰囲気があり、風味は穏やかですが小麦粉の味は存分に味わえます。
後述する超高級パスタと同じぐらいの品質を誇っており、乾燥パスタでは最上級のモチモチとした食感を味わえるので生パスタ派にはこちらがオススメですね。
後述している高級パスタ「Martelli」よりも小麦粉の風味が良く、値段も安く、モチモチしているので上位互換と言っても良いレベルの商品です。
Fabbri 500g 600円
データ
色がとても薄いが小麦の味がしっかりとある。
兎に角クセがない澄んだ味。
細麺でもやたらと伸びにくい。
▼知っている限りで一番淡い色です。
Fabbriはブロンズダイスとテフロンダイスの両方を使用しているメーカーですが(本製品はテフロン)、どちらのダイスでも38℃の低温乾燥を行っています。
1,5mmの細麺を購入したのですが、これがやたらと伸びにくいので調理しやすく、淡い黄色の麺が印象的でした。
細麺でも丁寧な低温乾燥のおかげなのか、小麦粉の風味も感じられ、いつまでもアルデンテの状態がキープされました。
テフロンダイスの麺なのでツルッとしており、淡い色味を楽しめるので冷製パスタに良かったですね。
No.34 Giuseppe cocco 500g 507円
データ
最高級のデュラム小麦を天然水で練り上げている。
この価格帯でありながら最高級にも負けないレベルの味。
低温乾燥&ブロンズダイスによる伝統的なパスタ。
1916年に創業された「ジュゼッペ・コッコ」はイタリアのアブルッツォ州にあるファーラ・サン・マルティーノで作られている伝統的な乾燥パスタを製造している老舗メーカーです。
最高級のデュラム小麦を天然の冷たい湧き水で練り上げた「アブルッツオ州式」の生地をブロンズダイスで押し出し、直射日光の長時間低温乾燥で仕上げていると超絶正統派のパスタですね。
ローマ法王庁御用達のパスタであり、様々な国に輸出されていますが、輸入食材店でも中々入らなくなってしまったので幻のパスタと言われるのもしょうがないですね(笑)。
ですが、このパスタは非常に美味しく、風味の良さ・麺の伸びにくさ・程よい弾力などが優れており、この価格帯でありながらも後述する超高級品にも負けないぐらいの品質ですね!
入手しづらい欠点を抜かせば値段も考慮すれば最高のパスタの1つと言っても過言ではありません。
次見つけたら即大量購入することを決意するほどのパスタです。
スパゲッティーニ1.4mm DAL CUORE 500g/510円
データ
・伝統的なテフロンダイスで作ったパスタを自然乾燥。
・タンパク質が多い性質から麺が伸びづらい。
・非常に麺とソースの絡みが良い。
1,000年近く、乾燥パスタの伝統的な製造方法を継承している「PASTIFICO LIGUORI DAL/リグオリ社」はパスタ発祥の地とされているグラニャーノに本社を構えています。
その会社が作る「ダル・クオーレ」はデュラモセモリナ小麦粉100%であり、ブロンズダイスを使用した上で、自然乾燥させながらじっくり時間をかけて作っています。
なので、小麦粉の風味が良く、ソースとの絡みが非常に良いですね。
▼風味が良く、1.4mmの細さでも麺が伸びづらい。
一番の特性としては『タンパク質の含有量が多い』ことから他社の製品と比べるとかなり伸びにくく、柔らかく仕上げても水分を吸いすぎません。
グラニャーノで製造される麺はガッチリとした歯ごたえがあるパスタが特徴ですが、「ダル・クオーレ」はアルデンテに仕上げても日本人の好みの硬さに仕上がりやすいのが嬉しいですね。
品切れしづらく、様々な形状のパスタが販売されている上に、この価格帯でありながら後ほど紹介する超高級パスタに負けないクオリティです。
伝統的な製法を活かした超高級パスタ
これらのパスタは全て伝統的製法にこだわっており、機械乾燥を行わずに自然乾燥を用いています。
又、使っている小麦の品質も非常に高く、明らかに風味が異なるので別次元の美味しさと言っても過言ではありません。
その代わり、値段も想像以上に高く、安い乾燥パスタと比べて5,6倍するので完璧に嗜好品レベルです。
高級パスタの情報を求める人がいるので、全てレビューにして紹介していますが、管理人がオススメするのは現状(2022/07/11時点)で「Setaro」と「GRAGNANESI」のみです。
Martelli 500g 918円
データ
乾燥パスタの中ではかなりモッチリとした麺。
伝統製法にこだわっている。
50時間かけて自然乾燥させている。
機械乾燥を用いずに、ブロンズダイスで作ったパスタを50時間かけて自然乾燥させています。
表面がザラザラしており、ソースとの絡みも非常に良く、何よりも乾燥パスタの中で一番モチモチとした弾力を楽しめますが、他の商品と比べると風味が明らかに弱かったです。
アルデンテにこだわる人よりもモッチリとした生パスタ派が喜ぶ製品かもしれませんね。
この価格帯のパスタは生パスタに似ていると感じる人が多いらしく、生パスタを愛用している人にとってはむしろ安い考える人も居るそうです。
Pastificio Vicidormini 1kg 2,200円
データ
非常に大きく、長さは50cm×2。
イタリア産無農薬デュラモ・セモリナ小麦100%使用。
乾燥時間は120時間と長く、太麺好きが好む。
1本のスパゲッティが太さ2mm&長さ100cm以上と茹でる前から大迫力の乾燥パスタですが、力強い小麦粉の味わいを堪能できます。
ただし、茹で時間が15分前後になるので小麦の香りは湯に抜けやすく、他のパスタと比べると風味の点が減点対象となっています。
又、正直な話になりますが、長すぎて扱い辛いにも程があり、保管する際に非常に困ります(折れば解決しますが、長さも特性なので迷う所)。
1.6mmと2mmタイプの2種類を試しましたが、歯応えと太めの麺を求める人が好きなのがこちらの商品なので、購入するならば2mmタイプを推奨します。
後述する「GRAGNANESI」と同様にグラニャーノ州の乾燥パスタは質実剛健といった男らしい味わいであり、良く噛んで楽しむパスタです。
Setaro 500g 988円
データ
高級食材店では欠かせない奇跡のパスタ。
300年の味は近代製造のパスタを凌駕している。
値段と茹で時間以外に弱点がない。
▼麺に荒い粒子が大量に見えます。
かつて乾燥パスタの中心であった村、トッレ・アヌンツィアータはヴェスヴィオ火山から吹き込む風により、高品質な商品を作ることが出来ましたが、人工乾燥が主流になると流通の利便性を求めて、イタリア各地へと工場が拡散していきました。
なので、現在ではSetaro以外にはこの村で乾燥パスタを製造するものはなく、300年間頑なに伝統にこだわり、奇跡のパスタと言われる様になりました(他社は老舗でも150年前後が多い)。
▼茹でると粒子は消え、ツヤのあるパスタに。
実はこの企画を考えるきっかけとなった商品なのですが、信じられないことに圧倒的に細いフェデリーニ(1.3mm)でも、他のパスタを追従させないぐらい風味・旨味・硬さ(伸びにくい)などが完璧です。
シンプルに美味しく洗練された乾燥パスタであり、伝統を守る≒値段(手間賃が大きい)が高いが味は普通という方程式が食品では多数ありますが、こちらは良い意味で裏切られました。
▼日本式ではなく、イタリアのカルボナーラで。
材料
スパゲティ 120g
パンチェッタ(ベーコン可) 50g
粉チーズ 20g
卵黄 1個
黒胡椒 仕上げに適量
パンチェッタ(豚バラ肉の塩漬け肉)とパルミジャーノ・レッジャーノかペコリーノ・ロマーノの粉チーズ、卵黄で作る本場のカルボナーラを味わうと日本でも滅多に味わえない専門店を超える味を楽しめます。
安い素材で作るぐらいなら手を出す事はやめた方が賢明な商品であり、グルメ漫画の如く、材料にこだわるか、自分でベーコンかパンチェッタを作ることを推奨します。
GRAGNANESI 500g 800円
データ
シャッキリしたパスタが好みならコレ
香りと旨味がとても力強い。
麺の硬さに拘っているメーカー。
ヴェスヴィオ火山とソレント半島の中間にあるグラニャーノはパスタの町として知られる都市であり、グラニャーノ産パスタはIGP(保護地理的表示、要は国のお墨付きの証)の対象です。
そのグラニャーノ産パスタの中でも有名な老舗GRAGNANESIのパスタは硬めの麺に仕上がるのが特徴であり、硬さが美味しさと栄養がある証拠と考えているそうです。
そのせいか、モチモチというよりはうどんのコシの様な弾力を彷彿させられ、普通の乾燥パスタのアルデンテとは違う印象ありました。
小麦粉の風味を活かす為に36℃での一次乾燥と46℃での二次乾燥を行っており、実際に他のパスタには無い風味の力強さを感じます。
総評
基本的にはテフロンダイスとブロンズダイスで作った乾燥パスタを2種類揃えると料理に幅が出る様に感じました。
テフロンダイスのパスタはリーズナブルなものが多く、気軽に使いやすいのが大きなメリットです。
ブロンズダイスのパスタは値段が急に上がりますが、ソースへの絡み方や旨味、風味の良さは格別なので麺自体を楽しむのに最適です。
ブロンズダイスのパスタで『どのパスタが美味しい?』と尋ねられたら、迷うこと無く「Setaro」「GRAGNANESI」のパスタを勧めますが、『どのパスタがオススメ?』の場合ならば「Voiello」と「DAL CUORE」を勧めます。
如何せん、「Setaro」と「GRAGNANESI」は美味しいですが、日常的に味わうにはかなりリッチな層しか許されないでしょう(笑)。
なので、今回一通り食べた後に業務用サイズの「Barilla」と「Voiello」を数袋購入しました(見かけないパスタを見つけると買ってしまいますが)。
麺自体を存分に味わいたい時は「Voiello」を使い、普段使い商品は気分次第で「DIVELLA」や「DE CECCO」にも切り替えます。
『BarillaとDE CECCOはよく使っている!』という人は珍しくないと思うので、普段使い用としてDIVELLAを試してみることをオススメします。
オススメ商品のリンクまとめ
SetaroとGiuseppe coccoに関しては超絶入手が難しい商品なので、相当運が良い時のみ入手できます。