実食した胡椒31品
ほとんどが〇〇コショウか〇〇ペッパーなのでメーカー名だけを記載する場合があります。
商品名orブランド名/メーカー名の順番で記載しており、話題のカンポット産のものは黄色マーカーでチェックしています。
上記の画像は追加購入した一部の製品のみですが、面白そうなメーカーが合った場合には度々買っています。
黒胡椒(ホールのみ)
Sela pepper(セラペッパー)
NERO DI SAWARAK/MARICHA(マリチャ)
AROMATEICO DI SAWARAK/MARICHA
Chef’s choice(シェフズチョイス)
スパイスアップ/オーバーシーズ
Mascot(マスコット)/ヤスマ
GABAN(ギャバン)/エスビー食品
ORGANIC SPICE/エスビー食品
マコーミック/ユウキ食品
Angkor Pepper(元祖アンコールペッパー)/フォレストジャパン
KURASHI
サンタローサ
KURATA PEPPER(クラタペッパー)
サンフレッシュ(生姜工房)
RS(アールズ)
白胡椒(ホールのみ)
FAUCHON(フォション)/エスビー食品
GABAN(ギャバン)/エスビー食品
MONTOSCO(モントスコ)
マコーミック/ユウキ食品
サンタローサ
サンフレッシュ/生姜工房
Angkor Pepper(元祖アンコールペッパー)/フォレストジャパン
赤胡椒
GABAN
サンフレッシュ(生姜工房)
完熟胡椒(RIPE PEPPER・ライプペッパー)/KURATA PEPPER
Angkor Pepper(元祖アンコールペッパー)/フォレストジャパン
生胡椒
Sela pepper(セラペッパー)
粒生こしょう(元祖粒生胡椒)/こしょう本舗
粒こしょう 生タイプ/エスビー食品
元祖生アンコールペッパー/フォレストジャパン
塩漬け胡椒(フレッシュ胡椒)/La Plantation(ラプランテーション)
本記事で使用したペッパーミル
ペッパーミル 18cm/PEUGEOT(プジョー)
C collection KALA(カーラ)SSステンレス/Crush Grind(クラッシュグラインド)
ペパーミル PPP01/IKEDA
セラミックミル スパイス・結晶塩用 40ml /京セラ
良質な胡椒とペッパーミルは一生の友達
この記事を作るのにあたって2年間ミッチリと胡椒の研究に邁進してきましたが、高級胡椒は他の調味料と比べればはるかにリーズナブルであり、料理にあまり力を入れていない人にもオススメ出来ます。
というのは、品質がいいものは使用量がかなり控えめでも香りと辛味が十分楽しめ、冷奴や卵かけご飯、カップラーメンなどのインスタントな食品に使っても驚くほど美味しくなるからです。
しかし、胡椒についてほとんどの人が何となく使っているのが現実であり、良い胡椒を買っても良いペッパーミルを使わずに、胡椒を無駄にしている人も多数います。
本記事では需要の問題から胡椒について先述していますが、後述するペッパーミルを最初に買うことを強くオススメします。
本記事を読む前の注意点
〇〇胡椒や〇〇ペッパーなどと紛らわしい商品が多数ありますが、本記事で取り扱う製品は日本で一般的に使用されている『黒胡椒・白胡椒・赤胡椒』の原材料であるものを指します。
実食・調理したもので紹介するものは『黒胡椒・白胡椒・赤胡椒・生胡椒』の4種類を製造できる『コショウ科コショウ属のPipper nigrum』を指します(一部例外アリ)。
よって、ピンクペッパーやチリペッパー、柚子胡椒などは当然ながら除外しています。
いつも通り、前述が長いので胡椒の製品だけをついて知りたい人はコチラをタップorクリックしてください。
ペッパーミルの箇所はコチラをタップorクリックしてください。
胡椒とはそもそも何か?
金の価格で取引されたと歴史の授業で習った記憶が強いと思いますが、強すぎる刺激と香りが貴族から蔑まれ、貧民のスパイスと揶揄される時代もありました。
現在ではリーズナブルながらも汎用性が高いことからスパイスの王様とまで呼ばれる様になり、近年では全世界で利用される傾向になりつつあるので、値上がりしています。
黒・白・赤・緑・ピンクの違い
胡椒に関しては様々な製品が世界中にある為、日本人向きの情報だけを記述しています。
黒胡椒(ブラックペッパー)
赤く色づき始める直前の緑色の未熟果を摘み取り、皮ごと天日乾燥させることでシワが付き、黒色に変化する。
主に料理に使用される胡椒のタイプであり、産地の味が主に反映されるのは黒胡椒。
辛味と香りが一番優れている為、産地とメーカーの味が一番わかりやすい。
白胡椒(ホワイトペッパー)
赤く熟した果実を1周間ほど水に浸し、『発酵させてから』柔らかくなった外皮を取り除き、中身の白い部分のみを乾燥させたもの。
最近では効率化により、特殊な機械を用いて皮だけを取り除き、未発酵のまま乾燥させるものもあるが、先述したもの白胡椒よりも風味と旨味に欠ける。
旨味が増え、辛さと刺激がマイルドになった分、風味の弱い素材の下味に向いていると言われている。
緑胡椒(生胡椒、塩蔵胡椒など)
黒胡椒と同様に未熟果を収穫し、茹でてから塩蔵したものか、そのまま塩漬けするのが主流の製造方法であり、日本では生胡椒(以下、生胡椒で表記を統一)として販売されていることが多い。
黒胡椒の方が強い刺激と辛味を持っているが、緑胡椒にはフレッシュさを感じさせるプチッと弾ける食感とマイルドな辛さがある。
フリーズドライのグリーンペッパーは購入先がほとんど無い為、本記事では取り扱っていません。
赤胡椒(レッドペッパー)
完熟させた果実を乾燥、又は茹でてから塩蔵したものだが、基本的には乾燥させたものが多い。
黒胡椒よりも香りと辛さがマイルドになり、やや果実香を感じるのが特徴。
1房全てを完熟にした場合にはコショウの木が枯れる恐れがある為、一房の数粒だけが赤く熟したタイミングで収穫する手間が必要であり、希少価値も相まって高価。
又、カンポジア産のkhmer種(クメール)からしか摂れないと言われているのも高値になる要因の1つ。
ピンクペッパー
日本ではピンクペッパーと言えばウルシ科の樹木である「ペッパーツリー」の実を乾燥させたもので、見た目が胡椒に似ているからという理由でピンクペッパーと名付けられた。
乾燥させているが、本記事で扱うツル性植物の胡椒と異なり、実に皺が無く、色が違うので見分けるのは簡単。
香辛料としては中々有用であり、胡椒の風味と苦味があり、味を引き締める働きがある。
胡椒の生産量と製品名について
製品名は主に産出国名+地名で表されることが多く、以下の様なものが多く表示される傾向にあります。
しかし、品質があまり高くないものは表記しない方が主流なので、スーパーやコンビニなどの小売店では見かけないかもしれません。
インド+マラバル胡椒、テリチェリー胡椒、アレッピー胡椒
インドネシア+ランポン胡椒、ムントク胡椒
マレーシア+サワラク胡椒
ブラジル+ブラジル胡椒
安い胡椒は何故イマイチなのか?
コショウはインド原産ですが、現在では世界中の熱帯域で広く栽培されており、現在ではベトナム産が圧倒的に多くなっています。
日本でも胡椒といえばスパイスの中では安価で購入でき、少なめの量の1瓶or1袋が200~300円で購入できるものが一般的ですね。
発展途上国から先進国が安く買い叩く結果、肥料代や労力を惜しみ、あまり手間を掛けていない胡椒が製造されることも珍しくありません。
安い胡椒は辛さが目立ち、控えめな香りである為、香りを楽しもうとしたら料理が辛すぎになってしまう傾向にあります。
こちらのグラフを見てみるとわかることがあり、2011年から2020年の間に胡椒の生産量が一気に高まりましたが、明らかに面積に対する胡椒の収穫量が増えています。
『製造方法や生産技術が向上した!』という話ならば単純な話ですが、質の悪い胡椒が大量に販売される様になったことの現れとなっています。
更に、多くの国では様々な食品のグレードや規格などが設けられていますが、日本の食品規格は昔から現在まで穴だらけとなっており、特に輸入品に対しては非常に杜撰です。
その結果、真面目な取り組みをしているメーカーもありますが、香りや辛さが優れていなくとも最高品質と謳うことが簡単となっているので、自分の舌を信じた方が良いですね。
カンポットペッパーは本当にうまいのか?
カンポットペッパーは胡椒の王様と言われていますが、絶対的なものではなく、『普通のものもあれば、良いものもある』というのが正直な意見です。
カンポットペッパーはカンポット・ペッパー協会という団体が完全有機栽培のガイドラインを定めており、ガイドラインを順守したものがカンポットペッパーというブランド名を名乗れます。
※ただし、カンポジア産と名乗ることは当然ながら出来ます。
有機&無農薬、サイズの規格以外の条件はわかりませんでしたが、同じカンポット産の胡椒でカンポットペッパーを名乗っていなくとも良品はありました。
近年話題になる様になった理由がカンポジアの紛争処理がようやく落ち着き、胡椒農園が復帰したからであり、「クラタペッパー」や「アンコールペッパー」などが話題になったのも同時期です。
カンポット産胡椒の生産量は世界生産量の1%にも満たないのですが、高級店と食通からの需要が高いこと、更にフェア・トレードを実施している胡椒農園が多いので、高価になってしまうのは仕方ありません。
厳選胡椒のレビュー
胡椒は様々な状態で販売されているので、黒胡椒・白胡椒・赤胡椒・生胡椒の部門で紹介していきます。
基本的には高級品が多くなっていますが、単純に味だけで評価しておらず、費用対効果が良いものも選出しています。
黒胡椒部門
料理に欠かせない黒胡椒は産地によってフレーバーと辛味が異なり、何を重視しているかで意見が大きく変わるはずです。
管理人の結論としてはカンポジア産の胡椒を1種、マレーシア産サワラク胡椒を1種常備すれば辛味と香りを堪能しきれます。
値段・辛味・風味の基準となる黒胡椒はGABANであり、その上で価値があるかどうか選出しました。
黒胡椒 Sela pepper/KANDA
手作業をよしとするカンポットペッパーに対し、洗浄施設や研究所などをしっかりと併設している近代的な胡椒製造メーカーとなっています。
故に、カンポジア産カンポット胡椒ではありますが、カンポット・ペッパーのブランドではありません。
カンポジア産の黒胡椒は辛さが強く、スッキリと突き抜けるミントの様な刺激と風味がありますが、「Sela pepper」も十分に本質を発揮しています。
GABANの黒胡椒と比べても1~2割高い程度であり、その程度の価格差でありながらも品質が高く、コストパフォーマンの良い黒胡椒は本製品で決まりですね。
管理人は料理の下処理や下味には全てこちらの製品を使用しており、辛味が欲しい場合には仕上げに使うこともあります。
NERO DI SARAWAK /MARICHA
イタリア語で「MARICHA」とは胡椒の事を指し、「NERO DI SARAWAK」はサラワクの黒という意味です。
本製品のラインナップは特殊な胡椒であり、製造方法や品種、見た目が先述した内容と大きく違いますが、便宜上黒胡椒のカテゴリーに分けています。
原産国がイタリア産となっているのは「MARICHA」の製造を行っているメーカーがイタリアの「ジャマイカカフェ」が手掛けているからですね。
昔はイタリアではコーヒー豆と胡椒が一緒に販売されていたそうで、商品の発掘の為に世界を旅する中で理想の胡椒と職人に出会い、「MARICHA」が誕生しました。
▼一般的な黒胡椒よりもやや薄めの色。
マレーシア産サラワク胡椒の1つであり、品種は「Kuching」、収穫後から24時間以内に冷水で洗浄し、湯通した後に天日乾燥を行います。
こちらは本記事を書くきっかけになった黒胡椒であり、風味は非常にスパイシーでインパクトが強く、辛味はカンポジア産胡椒よりも控えめですが、中々刺激的です。
後述する「AROMATEICO DI SARAWAK」よりも香りはやや控えめですが、バランスが良く、肉料理とややクセのある食材の仕上げに使うと活躍します。
AROMATEICO DI SARAWAK /MARICHA
「AROMATEICO DI SARAWAK」はイタリア語でサラワクのアロマという意味の製品名となっています。
マレーシア産サラワク胡椒であり、創生品種である「Utirancotta」の熟した新鮮な実だけを収穫し、24時間以内に以下の全ての作業を終了させます。
冷水で洗浄し、圧力鍋で水を使わずに火をかけて素早く実を柔らかくしたら、外側の薄皮を手作業で取り除き、低温(85℃)のオーブンで乾燥させ、再度、短時間火にかけたら完成となります。
▼NERO DI SAWARAKより色が明るい。
「MARICHA」のラインナップには7種類の製品がありますが、こちらの「AROMATEICO DI SARAWAK」は香りが一番優れたものであり、辛味に関してはカンポット胡椒に圧倒的に軍配があがるでしょう。
しかし、スパイスの香りだけで言ったら筆舌に尽くし難い魅惑的な香りがミルで轢いた瞬間にブワッと部屋に漂い、胡椒香り世界ランキング戦があったら絶対に優勝するほどです。
その性質から仕上げor卓上胡椒以外の用途には向いておらず、料理中に使うと加熱時に優雅な香りが飛んでしまい、非常に勿体ないことになります。
『辛さが控えめで風味が豊かな黒胡椒』というややマニアックな製品な故に、黒胡椒に何を求めるかでこちらの製品は意見が分かれると考えられ、もう少し刺激が欲しい人には「NERO DI SAWARAK」がオススメです。
白胡椒部門
黒胡椒よりも風味と刺激がマイルドになっているので、魚料理の下味や色を出したくない料理(ホワイトソース系統や白身魚など)に使用するのが一般的です。
風味が強い外側の薄皮を取り除く性質上、ある意味では一番胡椒の品質が問われるのが白胡椒かもしれず、白胡椒部門では1品しか選べませんでした。
Angkor Pepper(ホワイトペッパー)/FOREST JAPAN
「Angkor Pepper」は三つ星シェフの取得のレストランでも採用されており、日本でも通販で非常に人気があります。
白胡椒というと『何となくピリッとしている気がする』と感じている人が多数いるかも知れませんが、「Angkor Pepper」の白胡椒は風味と辛味が凄まじく主張していますね。
白胡椒特有の発酵した時の風味も残っていますが、料理をしている最中にクセは無くなり、素材の旨味を引き出してくれます。
粗挽きで使う香辛料ではないので、細かく切れるミルと組み合わせるのがオススメです。
赤胡椒部門
完熟させた赤胡椒はヨーグルトやアイスクリーム、チョコレートなどの乳製品系や高脂肪分の物などとの相性が良いですね。
普通の料理にも使うことは可能ですが、黒胡椒よりも風味と刺激が劣り、加熱すると赤胡椒特有の風味が飛びやすいので仕上げ用の胡椒となるでしょう。
こちらの製品は香りが穏やかなので、高級ミルは必須となります。
完熟胡椒(RIPE PEPPER・ライプペッパー)/KURATA PEPPER
カンポットペッパーとカンポジアの復興に協力したことで有名になった日本人「倉田浩伸」が運営するメーカーであり、自社農園の胡椒を秋篠宮殿下に献上しています。
通常品は味・香り・値段とやや評価しづらいですが、完熟胡椒に関しては控えめな辛味とほのかな甘味、果実香のバランスが優れているのでオススメ出来ます。
▼左が安い完熟胡椒、右がクラタペッパーの完熟胡椒。
風味と甘味を料理やスイーツに加えたい時に便利なスパイスであり、胡椒の刺激が強すぎると判断した時に役立ちます。
黒胡椒は主役として使うことが多いですが、赤胡椒は名脇役といったところであり、素材と素材の相性を高める役割や手軽に物足りなさを補うのに最適です。
Angkor Pepper(レッドペッパー)/FOREST JAPAN
一般的には赤胡椒と言えば控えめな辛さとフルーティーさ、ほのかな甘味を楽しめるのがメリットであり、先述した「RIPE PEPPER」がまさにその代表的な製品でした。
しかし、「Angkor Pepper」の赤胡椒はあらゆる赤胡椒の中でも辛味が強く、甘味は僅かにしか感じませんが、一転して料理にも使える唯一の赤胡椒となっています。
スイーツには向いていませんが、真っ赤な色合いを活かしたトマト料理に違和感なく使え、黒胡椒の感覚でステーキやグリルなどを美しく仕上たい時などに重宝しています。
生胡椒部門
日本での生胡椒が流行ったきっかけは恐らく、『調味料選手権2017 お酒がすすむ調味料部門』で「こしょう本舗」の「粒生こしょう」が最優秀賞を受賞してからだと思われます。
生胡椒は黒胡椒や赤胡椒と異なり、作り手の好みや製造方法が大きく反映される為、各メーカーごとに味わいがかなり異なります。
マツコの知らない世界で紹介され、元祖粒生胡椒と名乗っている「粒生胡椒」は通販では大人気ですが、様々な商品を試した所、本部門では落選しました。
塩漬け胡椒/Sela pepper
感動するほど旨い生胡椒という訳ではありませんが、ベーシックな製造方法とリーズナブルさから生胡椒を初めて注文する人にオススメの商品です。
黒胡椒の弾力と瑞々しさがたっぷりのプチッとした歯応えを楽しめ、同じメーカーの黒胡椒ほどではありませんが、新鮮な風味とが口に広がります。
▼たっぷり使えるのが魅力。
一方、瑞々しさがかなりある製品の特製から辛味は強く感じられ、辛口好きにもオススメですね。
価格が他社の生胡椒と同じ量に置き換えると半値近くになるので、たっぷりと使えるのは大きな魅力ですね。
生アンコールペッパー/FOREST JAPAN
アンコールペッパーの製品は全体的に辛味が凄まじく強く、風味も豊かですが、こちらの「生アンコールペッパー」は全体的に控えめになっていますね。
ただし、生と製品名に付くのに相応しいフレッシュさは全メーカーでも随一であり、最もフルーティーな味わいを堪能できます。
更に、塩分がかなりマイルドになっており、減塩派の人でも選べる唯一の製品と言えるでしょう。
生の胡椒は木になるキャビアとも言われていますが、それを実感できるのが本製品でした。
塩漬け胡椒(フレッシュ胡椒)/La Plantation
世界の三つ星シェフが利用している「La Plantation」の生胡椒は他社の製品よりも胡椒の辛さと風味がしっかりと感じられます。
その味を作り出しているポイントが生の黒胡椒を茹でずに、そのまま塩漬けすることですが、門外不出のレシピとなっている為、詳細は不明です。
▼たっぷりの塩で水気が少ない。
塩漬け胡椒と称しているだけはあり、塩の形状が残ったたっぷりの塩が他の生胡椒よりも水分を少なくし、プチッとした噛みごたえを強めています。
同時に、発酵食品の様な旨味を生み出しており、生胡椒の中でも特徴的な仕上がりになっています。
個人的にはこれが一番好みの生胡椒であり、生胡椒のエキスが染み込んだ塩も余すこと無く美味しく頂きました。
胡椒の総評
黒胡椒、白胡椒、赤胡椒、生胡椒の4種類から厳選しましたが、最初に手を出すべき胡椒はやはり黒胡椒ですね。
▼和食(牡蠣飯の葱胡椒のせ)と黒胡椒は相性が良い。
白胡椒と赤胡椒は汎用性にかけ、料理やスイーツ作りが好きな人にオススメ出来ますが、日本人の現状の食卓や料理の構成を見ると黒胡椒の方が活躍しやすいからです。
胡椒らしさを求める人はカンポジア産カンポット胡椒、香りを楽しみたい人には「MARICHA」シリーズから試してみてください。
ただし、今回胡椒の注文を心に決めた人に忘れないで欲しいことは『高級胡椒を安いミルに使わない事』なので、以下の文章も併せて読んで頂けると幸いです。
胡椒を最大限楽しむ為にペッパーミルは必須
ミルは色々なメーカーで取り扱われていますが、日本における有名な高級ミルメーカーと言うと以下の様になります。
失敗しないミルメーカー
PEUGEOT(プジョー)/フランス
Crush Grind(クラッシュグラインド)/デンマーク
COLE&MASON(コール&メイソン)/イギリス
IKEDA (イケダ)/日本
管理人が使用しているもの
ペッパーミル 18cm/PEUGEOT(プジョー)
C collection kala SS ステンレス/Crush Grind(クラッシュグラインド)
仕事で使う機会があるのが「ペパーミル PPP01/IKEDA」、全く使ったことがないのが「COLE&MASON」です。
今回は持っているペッパーミルの細かいレビューをしていきます。
ペッパーミル 18cm/PEUGEOT
使用感としてはIKEDAの方が若干滑らかに回り、大量に出るので使用量が多い現場では便利ですね。
一方、PEUGEOTのペッパーミルはガリガリと回す時の感触が気持ちが良く、最初の頃は無駄に使いたくなるほどです。
本製品は胡椒を切った瞬間からブワッと香りと刺激が広がるタイプではなく、長時間風味と刺激が持続し、口の中に入った瞬間に風味が一気に広がります。
▼ライオンは鋭い歯のイメージから起用。
車で有名なPEUGEOTは元々はノコギリの刃とペッパーミルが有名な工業製品メーカーであり、創業年は1810年と200年以上続いている老舗です。
PEUGEOTのペッパーミルはデザインが秀逸であり、ブランドバッグを持っている様な気分が味わえ、キッチンの何処に置いてもインテリアとして機能します。
▼ペッパーミルだけは鉄製の刃。
ソルトミルは錆びにくいステンレス製を採用していますが、ペッパーミルでは伝統的な鉄製であり、胡椒以外には花椒とコリアンダーシードにも使えます。
▼Uセレクトシステムにより細かさを変えられる。
ミル下部のダイヤルを回して、目盛りに合わせるだけで細引きから粗挽きまで6段階に粗さが調整可能となっています。
一番小さな目盛りではかなり細かくすることが出来、肉や魚などの下処理に最適なペッパーミルとなります。
ただし、目盛りを調節する際にはミル上部のネジを緩めないと破損の原因になります。
▼左が最小時、右が最大時。
欠点という程ではありませんが、荒々しいコショウを出すのが苦手な所であり、コショウの迫力を出したい時には不便ですね。
ただし、均一に整った胡椒がどの大きさでも最適に飛び出してくれるので、安定した味を作りやすくなっています。
▼ミルトレイは買わずとも問題無い。
木製のミル、というよりは刃が下に付いているオーソドックスな製品の場合、トレイが無いと微量の粉が散らばってしまいます。
勿論、本家PEUGEOTで購入しても良いのですが、受け皿がアクリルの上に高価であり、デザインの好みが分かれます。
▼少し深めな方が周りを汚しにくい。
ということで、管理人は余っていた深めの茶托(ちゃたく、湯呑のコースター)を利用しており、茶托に溜まったてしまった胡椒も無駄にせずに使用しています。
C collection KALA SS ステンレス/Crush Grind
本製品のミルは非常に軽やかな廻し心地であり、ほとんどのスパイスと岩塩を砕く事が出来る多目的高機能グラインダーとなっています。
又、ミルの部分が上部になる設計になっているので、残ったスパイスが周りに飛び散ることを防ぐことが出来ます。
▼良質なステンレスが見た目でわかる。
セラミック刃の保証期間は驚きの25年であり、多少高価でも費用対効果は中々優れています。
▼グレーの部分で粗さを調整。
セラミック刃は強度が高い為、岩塩でも快適に挽くことが出来るそうですが、管理人は試していません。
▼セラミック刃の部分。
見た目は全く切れそうな雰囲気を感じられませんが、胡椒のポテンシャルを余すこと無く味わえる点ではPEUGEOTよりも圧倒的に上です。
又、本製品はガラス&セラミック刃なので全洗浄を行えるので、中身を全く違うスパイスに入れ替える時に混ざることを防げ、非常に衛生的かつ汚れも気にする必要がありません。
▼最小時(左)と最大時(右)。
こちらで切った胡椒は最大限の香りと刺激を生み出し、非常にパンチの効いた味を楽しむことが出来、風味の持続力もありますね。
ただし、細かく切るのが少し苦手であり、繊細な料理には微調整が難しくなっており、スパイスの効いた料理や粗挽き胡椒を仕上げに使いたい時に活躍します。
ステンレス製の本品は少々値段が高いのですが、廉価版である「C Collection KALA SS ブラック」はミルの部分が樹脂な分リーズナブルとなっています。
その代わり、樹脂製のミルには大きな欠点があり、『粉末にしたスパイス類が静電気でくっつきやすい』という料理において面倒な要素があるのには気をつけてください(岩塩ならば付きにくい)。
木製タイプである「C Collection STOCKHOLM」や「C Collection PARIS」などは「C collection KALA SS ステンレス」よりも高価ですが、クラシックなデザインが楽しめます(性能はどの製品でも一緒の模様)。
安いミルや電動ミルなどについて
安いものは正直、五十歩百歩なので特にこだわりがないのですが、中国メーカーの中国産製品だけは絶対に手を出しません(木製が1,000円台だが壊れやすい)。
電動ミルはいずれのメーカーでも購入することはなく、以前、友人に使わせてもらいましたが、自分で細かい量の調節がしづらく、耐用年数が短いのがデメリットです。
そもそも、良いミルならば手が疲れませんし、高級ミルよりも数倍高い電動ミルを買う意味は…よくわかりません(笑)。
ということで、通販で気楽に5~600円で買える「セラミックミル スパイス・結晶塩用 40ml /京セラ」をサブで使用しており、使用頻度が少なめの花椒(ホワジャオ)やオレガノなどはこちらに詰めています。
ペッパーミルの総評
本記事では胡椒をメインに紹介していますが、何よりも最優先で購入すべきなのがペッパーミルとなっています。
圧倒的に人気なのがPEUGEOTの製品ですが、個人的に買うべき1本目はCrush Grindのいずれかの製品をオススメします。
若干、細かく切りにくいという弱点がありますが、胡椒のポテンシャルを余すこと無く引き出してくれるからです。
2本目以降ならば細かく切れるPEUGEOTかIKEDAのミルが料理用にオススメであり、胡椒だけに焦点を絞れば2本あれば大抵のことに困りません。
まとめ
かなり長い文章になりましたが、生胡椒以外は何を買うか迷った人が多いと思いますので、管理人がオススメする組み合わせを最後に記載します。
Sela Pepper(黒胡椒)+IKEDAorPEUGEOT
料理の下ごしらえと仕上げまで無難にこなせる組み合わせであり、胡椒らしい辛さと風味を楽しめ、コストパフォーマンにも優れています。
Sela Pepper(黒胡椒)+ Crush Grind
良質ながらも最高のコストパフォーマンを誇り、胡椒道の一歩目にしてはかなりの贅沢さを堪能できます。
MARICHA(黒胡椒)+ Crush Grind
香りを最大限に楽しむセットであり、仕上げ専用の黒胡椒とペッパーミルを卓上に用意しておくと、サラダやステーキ、麺類などがワンランクどころかツーランクあがります。
Angkor Pepper(白胡椒)+PEUGEROT
先述した様に細かくして使うことしか基本的には無いので、非常に均一かつ細かく出来るPEUGEOTのペッパーミルとの相性が最適です。
完熟胡椒/RIPE PEPPER(赤胡椒)+PEUGEOT
赤胡椒は面白い調味料として活躍しますが、粗挽きにすると自己主張が強すぎるので、安定して細かく出来るPEUGEOTとの組み合わせが最適です。