セールスポイント
・本場スペインの味を再現した贅沢なパエリアの素。
・銘店以上の味を家庭で作る事が出来る。
・魚介類の美味しさを100%引き出している。
ANETO社について
1960年代に創業された「ANETO(アネト)」は天然スープに特化したスペインの食品メーカーです。
名前の由来はピレネー山脈にある最高峰の場所であるアネト山であり、工場はアネト山の近くにあります。
当初は生ハムの製造会社でしたが、現在は26種類以上にも及ぶ天然スープを生産しており、添加物は一切使用していないのが特徴となっています。
PAELLA CALDOの特徴
「ANETO」が作るCALDO(カルド、ブイヨンやスープという意味)は大きな釜にて鮮度の良い素材をじっくりと煮出したシンプルな製品ですね。
ただし、手作りかつレシピを贅沢にしているのが大きな特徴であり、本製品は1本/1Lだけで2,000円前後する高級パエリアスープの素となっています。
どれぐらい贅沢かは後ほどレビュー内の原材料について触れるときに記載しますね。
現状、日本に輸入されている製品は「魚介パエリアのカルド」「イカ墨パエリアのカルド」「バレンシアパエリアのカルド」の3種類となっています。
パエリア/パエリャの基礎
世界的に人気のある有名なスペイン料理の1つであり、野菜や魚介類、肉などを加えた炊き込みご飯の1種で発祥はバレンシア地方とされています。
バレンシア風の元祖パエリアは肉系の素材(ウサギと鶏、カタツムリなど)やパプリカなどの山の幸を使っていましたが、他の地方に料理が伝わるとエビやムール貝、白身魚、イカなどの海の幸を使ったパエリアが誕生しました。
ここ数十年で魚介類と肉を合わせたパエリアも出てきましたが、パエリアには塩とサフラン以外の香辛料を基本的には使いません。
時代と共に徐々に旨味を増やす工夫を行っているという事もありそうですが、魚介類が高いので、チキンを足してコスパを良くした事も考えれらますね(特に観光地近辺では)。
レビュー
今回紹介するのは「ANETO」の「PAELLA CALDO CON SOFRITO MARINERA」です。
ポイント
レシピは「グランジャポン」というスペインの食材輸入販売しているメーカーが各カルドごとに公表しているので、参考にしてください。
「グランジャポン」は「ANETO」の貴重な日本正規輸入販売元となっています。
▼パッケージ。
日本で一番人気のあるのが本製品ということで、お試しで1本だけ購入しました。
▼パッケージの裏。
あんこう、玉葱、人参、セロリ、西洋ネギ(ポワロ)、トマト、タラ、フェンネル、メバル、アナゴ、カサゴ、タチウオ、カニ、ムラサキガイ(ムール貝)、車エビ、ザルガイ、オリーブオイル、ニンニク、サフラン、食塩…
このレシピは調理師から見ても正気かと疑うほどに贅沢であり、添加物はオールフリー、手間暇かけて作っていますし、高くなる理由しかありませんね(笑)。
本場スペインでもここまで贅沢に素材を使用しているカルドは一流店/高級店だけでしょう。
▼驚きの色合い。
この見た目は赤い魚や甲殻類から出たエキスと色素、トマトなどの影響であり、ポタージュみたいになっているのは長時間煮出したからですね。
加えて、サフランを8g以上使うという贅沢極まりないことをしているのも色合いを濃くしている一因であり、日本ならば1g当たり1,000円が相場と言えば「贅沢」の意味合いがわかるはずです。
カルドの状態で味見をしてみましたが、アンコウとタラの甘さがスープに染み渡り、カサゴやメバルなどの白身魚のコク、エビやカニなどの甲殻類の旨味と香りが複雑に混ざり合っていますね。
非常に高級な魚介類で作ったスープなので、『いっそ、パエリアにこだわらなくても良いのでは?』と思うほどに美味であり、塩胡椒を少々足し、クルトンを加えればエビのビスクみたいになるほどです。
本製品を使う時の注意点
加熱前の段階で含まれている塩分は減塩味噌汁ぐらいの味(塩分濃度0.8%)なので若干物足りません。
しかし、パエリアは水気を飛ばす為、塩気はしっかりと料理に入るので『絶対に余計に味を足さないこと』が大切です。
パリッと仕上げるタイプのパエリアにしてしまうと塩気が強すぎて、酒飲みですら少々塩分が強く感じる程なのでふっくら仕上げる方法を推奨します。
どうしても、水分を飛ばすレシピを採用するならばカルドの使用量を1/2~2/3ぐらいに抑え、水を少量加えて作れば恐らく可能です。
材料
バレンシア米 2合(300g)
魚介パエリアのガルド 1000ml
ムール貝 適量
スルメイカ 適量
赤エビ 適量
紫玉葱(アーリレッド)適量
スペイン米やボンバ米、ジャボニカ米とも、タイ米では無く、日本のうるち米に似ているが、硬めに仕上がる米。
リゾットやパエリアはバレンシア米で作る方が料理のクオリティが2段階ぐらいランクアップしますが、安くはないのは欠点ですね(1kg当たり1,500円前後)。
パエリアの調理方法とコツ
パエリア鍋(パエジェーラ、底が平らで浅めの両手鍋)を使う、芯を残すor残さない、ふっくら仕上げるorパリッと仕上げる...などと色々な話を聞きますが、重要なのは1点だけです(細かい事は好みですから)。
それは調理中に米をかき混ぜすぎて粘り気を出さない事であり、日本の米を使用するとモチモチしすぎるかおかゆになってしまうので調理難易度が上昇し、味もイマイチ。
ということで難易度を下げつつ、味を両立させる方法としてオススメなのが、以下の手順になります。
調理手順
1.テフロン加工の鍋で強火でカルドを沸騰。
2.米を入れたら鍋全体に平らに広げる。
3.米が見える程度までカルドの水分を中火で飛ばす。
4.弱火で数分加熱(仕上げの1歩手前の硬さに)。
5.鉄やアルミなどのフライパンに移し、具材をのせる。
6.オーブンにて220℃で10分加熱し、完成(要調整)。
ポイント
オーブンを使用しない場合には炒めた具材をトッピングして、フタをして蒸らしてください(炒めないと生臭い)。
パエリアのお焦げが好きな人は蒸らしの時間を少し短くし、フタを外して中火・強火でカリッとさせましょう。
完成品
折角なのでここまで豪勢に盛り付けていますが、実際にはスペインで食べるものと同様に具材はもっと少なくとも構いません(半分以下ぐらい)。
というのは、調理前に味わったカルドの時点でわかっていましたが、風味豊かで旨味が十分なので、米だけでも美味しいぐらいだからです。
そのエキスが濃縮され、米に染み込めばアンコウやタラにある特有の甘味はより強く、メバルやカサゴのコクはより深くなり、芳ばしく焼けた貝やエビなどの風味が加わり、至福の味わいとなります。
カルドには人参や玉葱などの香味野菜も使われていますが、縁の下の力持ちといった感じで、日本の昆布出汁の様にあまり主張はしていませんね。
▼米の部分をピックアップ。
裏面にはほのかなお焦げが出来、表面はややしっとり、個人的にはもう少し水分を飛ばしたいのですが、煮詰まったことで塩気がやや強めなので写真の水分ぐらいがギリギリのラインかもしれません。
香辛料のサフランは贅沢に使われているだけはあり、しっかりと感じられ、胡椒やハーブなどは使わない方が上品な香りを損ねません。
ですが、紫玉葱の極薄スライスだけはほのかな辛味と甘味がパエリアにマッチしており、見た目の美しさだけでは無く、味変出来る希少な素材なので用意しておくことをオススメします。
総評
バレンシア米+ANETO CALDO+魚介類だけで4,000~5,000円ぐらい掛かってしまいますが、相応の価値がありました。
魚介版コンソメスープの様な贅沢さがあり、たっぷりのトッピングを載せたパエリアならばパーティの1品に向いている華やかさもあり、ボリュームも出せます。
又、旨味と塩気がしっかりしていることから、ワインも良く進み、話題の種にもなるので家族や友人たちとの贅沢な一時を過ごしたい時にはオススメですね。