本レシピのポイント
・低カロリーにするために油を控えている。
・油は少なめだが、旨味がたっぷりの味を楽しむことが出来る。
・味わいは広東料理と四川料理をミックスしている。
今回紹介する青椒肉絲の特徴
炒めものは油通しを行うことで味わいがグッと良くなりますが、同時に食材に油が入ってしまいます。
しかし、油通しをしなかった場合や炒め油を減らした場合には野菜のシャキシャキとした歯ごたえを残すことが難しくなり、余計な水分が出てしまいます。
そこで、今回は油が気になる人やダイエット中でも美味しい炒めものを食べたい人に湯通しを利用した調理方法とレシピを紹介します。
ベースは濃厚な旨味を持つ広東風にしていますが、豆板醤を少し入れることでほんのりピリッとする辛味を楽しめる味に仕上げています。
日本の青椒肉絲について
青椒(チンジャオ)とはピーマンやししとうなどの辛味のない緑色の唐辛子のことを指し、肉(ロー)は豚肉、絲(スー)は細切りのことです。
なので、本場中国の青椒肉絲といえば豚肉とピーマンだけを細切りにしたものを炒めた料理のことであり、日本の青椒肉絲と違ってタケノコやモヤシなどは入りません。
日本の調理方法では豚肉か牛肉のどちらでも構わないとしていますが、牛肉を使った場合は正確には青椒牛肉絲(チンジャオニウロース)という料理名になります。
材料(3人前)
A
濃口醤油 大さじ1
オイスターソース 大さじ1
甜麺醤 大さじ1
酒 大さじ1
B
好みの豚肉 300g
鶏ガラスープの素 小さじ2
コショウ 少々
片栗粉 大さじ1
酒 大さじ1
C
炒め油 大さじ1
豆板醤 小さじ2
ニンニク 1欠片
生姜 10g
ピーマン 6個
タケノコ 100g
合わせ調味料を作る
中華料理の基本テクニックとして椀献(ワンチェン)という調理方法があります。
これは混合調味料のことを指し、素早く炒めることを重視する中華料理では非常に大事なことであり、この工程を行っておくことで短い時間で味付けをすることが出来ます。
今回はAの調味料を全て混ぜておきましょう。
野菜の下処理
1.ピーマン・タケノコを細切りにする。
2.ニンニク・生姜はみじん切りにする。
豚肉の下ごしらえ
1.豚肉を細切りにし、Bの調味料で和える。
2.沸騰させたお湯を弱火にし、豚肉を丁寧に茹でる。
油通しの代わりに湯通しを行うことで、サッパリと仕上げることが出来ます。
油通しのときは片栗粉の分量が多少多くとも問題ありませんが、湯通しの際には少なめにしないと上手に出来ないことは覚えておきましょう。
3.ザルに揚げて水気をしっかりと切る。
ここでザルを使わずに適当に水切りすると余計な水分が入り、味がガクッと落ちてしまいます。
全ての材料を炒める
1.Cの炒め油で豆板醤、ニンニク、生姜を弱火で炒める。
豆板醤は発酵臭がするので合わせ調味料に入れるのではなく、単体で炒めることで香りが改善されます。
2.ピーマンを先に炒め、タケノコを入れる。
ピーマンは歯ごたえを残し、タケノコは温まる程度に加熱すればOKです。
3.下ごしらえした豚肉とAの合わせ調味料を和えたら完成!
盛り付け
具材は豚肉、ピーマン、タケノコとシンプルですが、オイスターソースのコクと砂糖を使わずに甜麺醤だけで甘味を出しているので驚くほど旨味が豊富なのが特徴です。
油通しした方が味わいは一段上になりますが、こちらの湯通しで作る低カロリーの作り方は想像以上にクオリティが高いことに驚くと思います。
薄い片栗粉で肉をまぶして湯通しするのは美味しい冷しゃぶにも応用出来、しっとり滑らかな舌触りと肉の旨味を逃さずに柔らかく仕上げてくれる効果があります。
味がしっかりとしている上に豚肉は細切りにしてしまうので、切り落としの格安豚肉で十分美味しく食べられます。
レシピのアレンジ
今回紹介したレシピでは豆板醤を増やすことでピリ辛炒めに出来、更に花椒を使うと四川よりの味わいに変化させられます。
もっとコクが欲しい!という人には豆鼓(トウチ)がオススメです。
最近のピーマンは何年も前と比べると糖度が増え、苦味も減りましたが、それでも子供にとってはピーマンは苦手な食材の1つです。
ですが、今回紹介したレシピでは切り方や調理方法を工夫しているので苦味を一切感じさせずに食べることが出来るので、美味しく野菜を食べさせたい人は試してみてください。