セールスポイント
・実は辛味が少なく、子供でも食べやすい。
・使用方法は食べるラー油と似ている。
・普通の七味とは大きく異なる生の薬味は独特である。
丸昌稲垣について
1908年に創立された漬物と味噌の老舗である「丸昌稲垣」は伝統の味を守りながらも、おかず味噌やドレッシングなどの現代に即したもの作りを行っています。
特に2003年に立ち上げた「稲垣来三郎匠」というブランドは、様々なサービスエリアの販売コーナーにて漬物や加工調味料を展開しており、通販でも人気のあるメーカーです。
当サイトでは同じメーカーの「大根味噌漬」を購入しましたが、こちらはドシッとした旨味を楽しめる漬物なので、良かったら併せて読んでみてください。
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【実食レシピ】強い旨味と歯ごたえ「大根味噌漬/丸昌稲垣」
・自社製味噌で長期間付けた大根の味噌漬け。
・昔ながらの塩気と発酵した旨味がたっぷりの調味液。
・そのままは勿論、酒のあてやお茶漬けにも最適。続きを見る
生七味とは?
恐らく元祖となるのは出汁パックで有名な「茅乃舎」となりますが、現在では様々なメーカーが販売しており、コストパフォマンスの良い「桃屋」の「さあさあ生七味とうがらし 山椒はピリリ結構なお味」が売れ筋となっています。
生七味と言うぐらいなので、当然七味唐辛子を踏襲した内容ですが、入っているものは様々あり、おおまかに3つのタイプに分けられます。
生の薬味をすりおろしたもの
「茅乃舎」や「会津高砂屋」などのタイプは生の薬味をすりおろしたものをバランスよく配合しており、メーカーによって内容は異なっています。
基本的には薬味+食塩という形になっており、シンプル故に薬味としての使い勝手が良いのですが、そのまま食べるのには不向きな調味料です。
旨味や味付けがしっかりとされているもの
今回紹介する「丸昌稲垣」の生七味がこれにあたり、他のメーカーでは「ユウキ」が似ていますが、こちらは豆板醤を使っている少し風変わりな生七味です。
砂糖や酢、旨味などの材料を生七味に加えることで汎用性が高く、クセが少なめの味わいになっています。
油が使われているもの
意外かもしれませんが、「桃屋」の生七味のみ、油が豊富に使われているタイプになっています。
ゴマ、生姜、のり、唐辛子、ねぎ、山椒、ユズ皮の7つをベースになたね油と砂糖、塩などで味をつけた「食べるラー油」を想像させる品物です。
レビュー
今回紹介するのは「丸昌稲垣」の「生七味」です。
▼ビンのパッケージはこのようになっています。
▼生七味の中では珍しく、醤油がベースになっています。
唐辛子、白ごま、ゆず、生姜、山椒、陳皮(みかんの皮)、のりの7種類が薬味に相当しており、醤油と複数の甘味料、かつおぶしなどで味付けをしています。
▼食べるラー油を彷彿させますが、油は入っていません。
生七味というだけあり、通常の七味唐辛子と比べると瑞々しい香りが楽しめますが、辛味が弱めで旨味が強めなのが特徴です。
醤油ベースに砂糖や水飴などで繊細な甘味を表現しているのですが、不思議なことに醤油の味がそこまで強くないのが面白い所です。
又、七味の中にパプリカを加えることで赤い色を強めるだけではなく、ほのかに洋風なテイストを感じさせます。
写真の見た目からわかる様にほのかにプチプチとした食感が楽しめるのも、『生』ならではの楽しみですね。
どういう風に使う?
こちらの生七味はしっかりと味付けがされているので、ご飯に乗せる、野菜と和える、鍋の薬味などと幅広く役に立ちます。
簡易的な使い方は商品説明にも載っているので、今回はそれ以外の幾つかレシピを紹介します。
メバチマグロのユッケ風
材料
メバチマグロ 50g
生七味 小さじ1
濃口醤油 小さじ1
卵黄 1個
長ネギ 適量
作り方は角切りのメバチマグロに和えるだけの簡単料理ですが、ビンナガマグロではマグロの味が負け、本マグロでは勿体無いので、メバチマグロがオススメです。
最初は卵を崩さずに味わい、生七味の薬味の香りとマグロの赤身を楽しんでください。
ある程度食べた所で黄身を崩し、ご飯に乗せて醤油をたらりと少しかけると生臭さを感じさせない上等な卵かけご飯を楽しめます。
生七味焼きおにぎり
材料
おにぎり 2個
生七味 小さじ1
マヨネーズ 小さじ1
作り方
1.おにぎりはやや強めの塩気で握る。
生七味とマヨネーズだけの味ではご飯全てをフォローするのは厳しいです。
2.生七味とマヨネーズを混ぜておにぎりに塗る。
3.200℃のオーブンで5分程度焼く。
味噌や醤油の焼きおにぎりよりも味付けが若干弱いので、塩を強めにすることがポイントです。
「丸昌稲垣」の生七味自体はあまり辛くないですが、マヨネーズが加わることで更にマイルドになります。
通常の七味唐辛子と違って、生なので加熱した際の香ばしさがより豊かなのが嬉しいですね。
生七味のピリ辛竜田揚げ
材料
鶏もも肉 300g
生七味 大さじ1
鶏ガラスープの素 大さじ1
片栗粉 大さじ2
揚げ油 適量
白菜 適量
作り方
1.白菜はザグ切りにして、茹でてから水に取って絞る。
2.鶏もも肉をぶつ切りにし、調味料を揉み込む。
3.片栗粉をまぶしたら、180℃の油で揚げる。
4.2,3分揚げたら一度取り出し、10分間寝かす。
5.最後、180℃の油で揚2,3分揚げて完璧に火を通す。
普段付け合せは指定しませんが、この料理には非常に茹で白菜が合うので冬になったら是非試してください。
生七味を使っているので、さぞかし和風の味わいになると思ったら…トルコとか彷彿させるような中東風な味わいに仕上がりました(笑)。
醤油と七味をベースにした味わいを感じさせませんが、独特な旨味と香りを楽しめるので、ご飯も酒もどんと来いと言った懐の深さを持っています。
写真では見た目が寂しかったのでマヨネーズを掛けましたが、合わないのでやめておきましょう(笑)。
総評
この手の調味料で即リピートしたのは一年以上前の「石渡商店」の「気仙沼完熟牡蠣のオイスターソース」以来でした(笑)。
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【実食レシピ】気仙沼完熟牡蠣のオイスターソース【石渡商店】
・「完熟牡蠣」のみを使って作る最高級の国産オイスターソース。
・通常のオイスターソースと違い、牡蠣のすべてをエキス化している。
・添加物は不使用な上に、和洋中と料理を選ばずに使える万能ソース。続きを見る
用途は幅広く、油を食べさせる様な調味料が多い中では非常によく出来ている商品と言っていいでしょう。
柚子胡椒を手作りするとわかりますが、生唐辛子をすりおろしたものは優しい香りが特徴的で、熟成させたかんずりや柚子胡椒よりも食べやすいです。
在り来たりの調味料に飽きたら、この様な薬味を使ってみるのがオススメです。