セールスポイント
・鯛の出汁だけではなく、牛骨のブイヨンも使っている。
・複雑な旨味が楽しめるが、辛さとスパイスは控えめ。
・具なしのプレーンがあり、オリジナルカレーも手軽に作れる。
ごとについて
2006年に長崎県五島市に設立された「ごと」は五島列島産のさつまいも「ごと芋」を使った冷凍焼き芋の製造販売から始まり、現在はかんころ餅やカレーなどを販売している食品メーカーです。
かんころ餅は聞き覚えがある人が少ないと思いますが、ざっくりいうと干し芋と蒸したもち米を合わせて、蒸したものをかまぼこ型に整形したもので、炙って食べるさつまいも風味のお餅です。
五島列島は学問的な呼び名であり、実際には五島と言うことが多く、多数の島が形成する豊富な自然と漁業が盛んな場所です。
長崎の魚介類は良質
長崎は魚介類の豊富な場所であり、品質が高いため、「いきつるぎ」というブランド烏賊や大きめの瀬付きアジである「ごんあじ」、養殖ながらも高品質の評価を受けている「黄金ぶり」「黄金ひらす」などがあります。
上記のブランド魚が有名ですが、長崎の魚は魚屋に通っていればよく見かけるかつ値段もそこまで高くないので有り難い産地の1つですね。
五島の鯛で出汁をとったなんにでもあうカレーとは?
如何にも『海鮮系のカレーです!』といった商品名ですが、実はベースは牛骨スープであり、鯛のアラを程よく効かせたWスープです。
具材は後述しますが、多めの具材により旨味が加わるので物足りないと感じることはありません。
使用している鯛の出汁は五島で朝に水揚げされたものを即座に手作業でキレイに捌き、澄んだスープを取るために一度下茹でしてから流水で汚れを全て取り除き、そこから2時間かけて煮出していきます。
このカレーのレシピはレストランでオーナーシェフを務めていた人が26年間の独自の研究により、『海のものと陸のものが出会うとおいしくなる』という結果にたどり着き、牛骨と鯛の出汁を合わせたものを作り出しました。
5種類もあり、中でも異質なプレーンが光る
現在(2019/12/17)の時点では「プレーン」「チキン」「ビーフ」「チーズ」「五島豚とんこつ」の5種類が販売されています。
面白いのは「プレーン」の存在であり、なんとレトルトでも飲食店でも類を見ない『具なしカレー』です。
具材が入っていないといっても材料には違いはなく、例えば炒めた鶏肉を一緒に煮込めば市販のカレールゥよりも簡単にカレーを作ることが出来ます。
そして何よりも値段がお取り寄せの中でもトップクラスの安さであり、「プレーン」は1袋100円(税込み110円)という驚きの値段です。
具材が入っていないのでカレーソースとして使用することも出来、パスタやグラタンなどに使うことを公式ではオススメしています。
又、レトルトカレーというと具材がないのが定番(笑)ですが、こちらのシリーズは具材が多いことでも定評があるので、リピーターが非常に多いです。
五島の鯛で出汁をとったプレミアムな高級カレー
こちらは商品名通り高級なカレーになっており、1袋1,000~1,500円という高級ホテル並の高級レトルトと同じ価格帯の商品です。
それだけの値段をしているだけあり、具材には和牛の香草焼きや車海老、SPF豚(自然放牧された上に健康である豚)、地鶏のガーリックソテーなどを具にしています。
通常のラインナップと比べて、各種スパイスや味付けの構成も変えているので、ギフトやプレゼントにも使える商品です。
レビュー
今回紹介するのは「五島の鯛で出汁をとったなんにでもあうカレー」の「チキン・チーズ・ビーフ・プレーン」です。
▼パッケージはこの様になっています。
湯煎時間は熱湯で約5分です。
具材がたっぷりなので、レトルトにも関わらず1皿に全てのカレーが乗り切らないぐらいのボリュームがあります。
どれぐらい多いかというと市販のレトルトカレーが170~200gの総量に対して、こちらのチキンカレーは約1.3倍の250gもあります。
チキン以外は大体200g前後になっています。
▼パッケージの中身です。
チキン
カレーとしてスパイシーさは穏やかかもしれませんが、牛骨や鯛の臭みなどは一切感じさせません。
鯛のカレーと聞いていたのでさぞかし魚介ベースの強い味だと思い込んでいましたが、ベースは牛骨であり、鯛の旨味は全体的に言うと1/4程度しか感じません。
しかし、牛骨だけだとクドいカレーになってしまう所、鯛のスープを加えることで不思議とバランスがとれ、新しい旨味と風味を作り出しています。
味に関しては塩気が強すぎることや甘味が強すぎることもなく、タマネギやトマトなどの存在を認識させないぐらいソースとして一体化しており、チキンの旨味とほのかな鯛の風味を感じさせます。
スパイスがマイルドであり、ほんの少し感じる程度なので物足りないと感じる人がいるのも頷けますが、塩気や旨味、具材、風味などのバランスを考えるとこれ以上増やしても減らしても味は落ちると思われます。
▼これでも小さめの具材になります。
具材のチキンはこれよりも大きな塊が多数入っており、下手なカレー屋よりも具材が多いです。
この手のレトルトの具材は圧をかけて調理した肉の様にホロホロになっているものが多いですが、こちらのカレーはその様なことはなく、ジューシィさを保っているのが素晴らしいですね。
プレミアム版と違い、こちらは特別具材を加工してから加えている訳ではない様ですが、それでもオリジナルのブイヨンと穏やかなスパイスが鶏胸肉にしっかりと効いています。
又、シンプルな鶏むね肉というのがポイントの1つであり、こちらのブイヨンとスパイスは強くないので、鶏もも肉だとバランスを壊してしまうと思われますが、サッパリとした部位を使うことでブイヨンの味を濁らせず、ほのかな旨味を加えることでより美味しくしています。
チーズ
食べる前は『チーズだけの肉なしカレーはイマイチなのでは?』と思っていましたが、ルゥにはしっかりと鯛と牛骨の出汁が効いているので肉が入っていなくとも物足りないと感じることはありませんでした。
写真ではわかりづらいですが、中々の量のチーズが入っているのでトロリとした口溶けを楽しめ、ブイヨンの味を消しすぎないのも良いですね。
ですが、チーズが入るとピリッとした辛さは残るものの、コショウ以外の風味が弱くなってしまうので、好みによってはスパイスを足してもいいかもしれません。
ビーフ
ビーフは値段が高いこともありますが、大きめの肉がゴロッと入っており、満足感を十分に得られます。
牛肉の塊は程よい歯ごたえがあり、旨味が抜けておらず、脂質が多いのでドシッとしたコクが楽しめます。
「五島の鯛で出汁をとったなんにでもあうカレー」ではかなりコッテリとした味であり、その他のカレーよりも鯛の味を若干感じにくいかもしれません。
今回紹介したカレーの中では一番コクがある商品なので、サッパリとしたチキンやチーズよりも好きな人も居るでしょう。
プレーンを使った料理(カレーパスタ)
材料
パスタ 100g
塩コショウ 少々
ベーコンブロック 50g
ナス 1/3本
ほうれん草 適量
プレーン 1袋
作り方
1.ベーコンは柏切り、ナスは斜め半月切りにする。
2.ほうれん草は茹でて流水に晒したものを3,4cmの長さに切る。
3.ベーコンとナスは塩コショウを振って炒める。
4.脂がしっかりとナスに染みたらプレーンを入れて煮る。
5.パスタは少量の塩を入れた湯でアルデンテに仕上げる。
この時にパスタの水分を残しておき、後に濃度調節に使います。
6.麺とほうれん草をカレーソースに入れ、ひと煮立ちさせたら完成!
写真ではカレーという雰囲気があまりしませんが、レトルトのパスタソースよりも遥かに美味しいカレー味パスタが楽しめます。
元がカレールゥなので麺とも絡みやすく、挽き肉を使ったカレーにすればミートソース風にもできます。
汎用性が高く、他のレトルトよりも圧倒的にリーズナブルなのでちょっと手を加える手間を惜しまない人にはプレーンはかなり重宝すると思います。
プレーンだけで味見もしましたが、具材が無くとも楽しめるぐらいに旨味があったので、この記事の追記を書いた後に10袋追加購入した程です。
総評
同じ調理師ですが、このレシピを考えた人は尊敬に値する人物と思うぐらいのクオリティが高いカレーです。
魚介系のカレーといえばエスニックでは定番ですが、牛骨を合わせるのは宗教上の理由や手間などの理由から殆ど無いはずです。
又、その味を日本のとろりとしたカレーとして落とし込み、スパイスを可能な限り減らし、日本人好みの旨味を前面に出した製品は現在類を見ないと言えるでしょう。
今まで多くのレトルトカレーを試していますが、現在トップクラスのオススメ出来る逸品でした。