セールスポイント
・ツンとこない酢が欲しいと言われて作られた米酢。
・まろやかな酸味と穏やかな香りがする。
・加熱せずとも使いやすい調味料。
ツンとしない酢が作られた理由
業務用ユーザーからの『味は天下一品だが、この酢の匂いがなんとかならないか。』と言われたがのきっかけで「鼻にツンとこないお酢」の開発を決意したそうです。
通常の酢は発酵しやすい温度帯で効率良く醸造していくものですが、こちらは氷温状態で生産作業を行うことで刺激の少ない酢を作ることに成功しました。
公式HPが存在してないので管理人の考えになりますが、効率があまり良くない発酵方法なので製造時間は非常にかかります。
ですが、同時に通常の発酵よりも時間がかかる上に、氷温の性質上水分が飛びやすいので米の味を残しつつも酸の濃度を強く出来るのでしょう。
氷温について
水は0℃で凍りますが、野菜や果物、肉、魚などは食品ごとに凍る温度は異なっています。
0℃以下でも凍らない温度帯が氷温であり、それぞれのものが凍り始める温度が氷温域と呼ばれ、熟成や発酵、水分濃縮などを添加物なしで促すことが出来ます。
レビュー
今回紹介するのは「マンネン酢」の「氷温純米酢」です。
▼ラベルです。
▼中身はやや色が薄め。
左が「氷温純米酢」、右が「ミツカン」の「純米酢金封」です。
白い器に大さじ1ずつ入れて、光度の高い撮影機材で写真を撮ったものを実物の色合いに近くなる様に編集したものです。
見比べてみると色が薄いということがわかりますね。
▼加熱しないでもまろやか。
「氷温純米酢」は香りを確かめてみると通常の酢よりも穏やかであり、日本酒の吟醸香の様な米の香りがほのかにします。
伝統的な静置発酵(時間をかけて菌に任せて作る方法)で作られているのでトゲトゲしい刺激は無く、柔らかな酸味とほのかに感じる甘さがありますね。
柔らかな酸味と言っても市販の酸味が強いものと比べてであり、あくまで酢の味わいは残しています。
▼名脇役といった印象があります。
使い方としては餃子のつけダレや中華あん、酸味が弱めのドレッシングなどの主役ではなく、補助的な役割として使う方法がオススメです。
▼逆に甘酢やピクルスなどには不向き。
『この酢で作る甘酢やピクルスならさぞかしクセがなく仕上がるだろう!』と思って試してみましたが、若干酢の迫力にかけ、ボケた味わいになってしまいました。
クセがなく、トゲトゲしさを感じさせない分、寿司酢や甘酢漬けなどの酢を全面に出した味付けには向いていないかもしれません。
総評
色々とおとりよせを試してみると『醤油はコレ!塩はコレ!』という正解がないことがわかってきます。
この酢もそうであり、向いている料理と向いてない料理がありました。
なので、こちらの酢は食卓に置く酢としてオススメしますが、料理用には「ミツカン」の「純米酢金封」もオススメします。
市販でもやや高めの米酢ですが、「ミツカン」の安い醸造酢とは比べ物にならないぐらいに伝統的な味わいであり美味しいです。
どちらが上という訳ではなく、家庭や人によって作る料理も変わってくるので甘酢漬けを作らないのならば「氷温純米酢」が使い勝手が良いでしょう。