セールスポイント
・長崎産の真穴子なら西のとろあなご。
・フワッとした食感ととろける様な口溶け。
・今では希少な国産品の真穴子の為、高級。
真穴子について
穴子の王様と言っても過言ではない真穴子は日本全国で天ぷら種や寿司種として重宝されていましたが、現在では安定して国産品が手に入りません。
なので、数十年前の様に気軽に食べられるものではなくなり、近海物はかなり少なく、遠洋漁業で取るものもあります。
穴子の生態はウナギにかなり近いのですが、ウナギの方が成長しやすく、単価が高い為、穴子の養殖に力を入れている所は極わずかです。
市販品の多くは穴子であって穴子でなし
現在、回転寿司やスーパーで使われている穴子の多くは、昔から日本で親しまれているマアナゴではなく、イラゴアナゴというマアナゴの親戚みたいなものです。
イラゴアナゴ自体はそれなりに美味しく、真穴子の代用品としても今では無いと困るものですが、身の味や脂の質などでは残念ながら真穴子には大幅に劣ってしまいます。
▼検索に出るアナゴは大抵はマアナゴではない。
このアナゴは中国産や韓国産などもありますが、北海道や岩手県、青森県、宮城県などでも捕獲されるので国産品として販売されている場合もあります。
なので、『国産と記載しておきながら真穴子とパッケージに書かれていない場合は大体がイラゴアナゴ』なので、裏面の原材料は要チェックとなります。
▼中国産でも真穴子はある。
上の画像では中国産の真穴子ですが、色々な添加物を使うことで素材の味を誤魔化しています。
それでもイラゴアナゴよりは美味しいので、スーパーのパック穴子を最初に手に取ってみるのも悪いことではないでしょう。
西のとろあなごとは?
長崎県の津島西沖には豊富なエビやイカが存在しており、それらを食べている穴子は肉質と脂の乗りが良いことから「西のとろあなご」や「黄金あなご」などのブランド名が付けられています。
安い穴子は底引き網(海底に網を落とし、引きずる漁)で雑に取るのですが、良質なアナゴの場合は伝統的なウナギやアナゴなどはかご漁(細長い穴の空いた筒を鎮める罠猟)を用います。
前者は捕獲対象を定めずに、そこの地域にいる魚を根こそぎ捕まえる為、魚がかなり傷みやすいのですが、後者のかご漁だと漁獲量は少ないものの、魚にストレスをかけない上に傷をつけないので、味が非常に良くなります。
又、アナゴはウナギと同様に死んでから捌くと大幅に味が落ちてしまうのですが、丁寧に捕まえた元気なアナゴを使っているのが美味しさの秘訣でもあります。
レビュー
今回紹介するのは「対馬水産」の「西のとろあなご」です。
▼パッケージ。
実物を見るとやや小ぶりに思うサイズかもしれませんが、天ぷらや煮穴子にするにはこれぐらいの型がベストです。
真穴子の場合には大きなサイズになると骨が気になりやすく、泥臭さが出やすいので煮穴子には向いておらず、どちらかというと蒲焼きに向きます。
握り寿司でいうと1尾で1.5貫分ぐらいが丁度いいサイズだと個人的には思いますが、中途半端な大きさになりがちなので、それなりに高級な寿司屋だと1貫にドーンと載せています。
穴子の押し寿司
昔から真穴子をなるべく選ぶ様にしていますが、本格的な江戸前寿司の煮穴子と同じぐらいのクオリティであり、穴子特有の甘い香りがしています。
「西のとろあなご」はふんわりとしており、名称に相応しい柔らかさと油分が普通の真穴子より優れていますね。
穴子自体の味を損ねない様にする為に煮穴子自体の味付けは薄めになっていますが、タレ自体はしっかりとした味になっているので調整しながら食べると良いかもしれません。
▼非常に贅沢。
押し寿司にする場合は2尾分使うので、これだけで中々のお値段となります。
タレは付属のものを煮詰めて作りましたが、量が欲しい場合には手作りしたほうが良いでしょう。
穴子の桜ちらし寿司
塩漬けの桜を使用したちらし寿司であり、ねぎ塩の様なイメージに仕上げてみました。
穴子自体の味付けが控えめなので、タレ以外の味付けが出来るのも本製品の良い所ですね。
トロリとした穴子と桜の風味がよく合い、シンプルな塩味とは違った美味しさを堪能できました。
総評
ガイアの夜明けやいきなり黄金伝説でも紹介された有名な煮穴子ですが、回転寿司やパックずしで食べるアナゴとは一味違いますね。
昔はこれぐらいの真穴子が気軽に食べれたのですが、今ではウナギ以上に高級になってしまいました。
穴子モドキと良質な真穴子では大きな格差があるので、どうしても国産の昔ながらの美味しい穴子を食べたい人には対馬産のあなごがオススメですね。