セールスポイント
・塩分と添加物を一切不使用で、原材料は魚のみ。
・高級素材である枯れ節のみで作られている。
・リーズナブルな値段でありながら全て国産。
かつおぶしの中野の混合だしパックを徹底研究
結論から言ってしまいますが、このだしパックはかなりのオススメ出来ます。
上等な3種類の枯れ節から取れる出汁は「混合だしパック」と名乗っていますが、ハイレベルなかつおぶしと遜色ないですね。
煮物出汁から吸い物出汁まで美味しく取れ、品質を考えると値段もかなり安いです。
そこで、今回は有名なだしパックである「千代の一番」と「茅乃舎だし」と比べてみました。
レビューはこちらをクリックorタップすればすぐに読むことが出来ます。
原材料について
「混合だしパック」は化学調味料、保存料等は無添加なので、自然な材料だけで作られています。
又、全て国産の魚を使っているので、安心感もありますね。
多くのだしパックに入っている塩分もこちらはゼロなので、低塩分なのが好みな人や料理好きにはとても便利です。
驚くべきにこちらのだしパックには全て枯れ節のかつお節・そうだかつお節・さば節を使っているリッチな仕様になっています。
荒節・枯れ節・本枯れ節について
かつおぶしやマグロ節などは製造する工程としておおまかに分けると「魚をおろす」「煮る」という工程を行った後に、「焙乾(燻製のようなもの)」と「放冷」の作業を何度も繰り返して水分を飛ばしていきます。
この作業を数回行って出来たものが荒節と言い、素材の香りが強く、コクが少ないのでサッパリとしています。
荒節は原材料で表記されるときは○○ふし(かつおやそうだかつおなど)となっています。
スーパーでよくおいてある削り節や花かつおなどの多くの削り節がこれに該当します。
製造時間は平均で2~4週間ほどかかりますが、比較的安価で購入できます。
枯れ節は多くの人が想像するかつおぶしのことで、先程の荒節にカビを付けて、日に干してから表面のカビを丁寧に取っていきます。
カビを付けることで水分を吸収させながら保存性を高めつつ、発酵と熟成が進むことで旨味が増え、節についている脂肪分を分解することで脂の浮いていない出汁が取れるようになります。
この「カビ付け」と「日乾」を繰り返したものを枯れ節といい、最低2回以上この作業を行ったものしか枯れ節と名乗ることが出来ません。
製造時間は3ヶ月以上かけるので荒節よりも値段は高くなります。
枯れ節の特徴は発酵と熟成により、旨味が増えるのでコクがありますが、荒節よりも魚の香りは若干減っています。
枯れ節は原材料で表記されるときは○○かれぶし(かつおやそうだかつおなど)となっています。
今回の商品とは関係ありませんが、4回以上「カビ付け」を行ったものは更に高級品である「本枯れ節」となり、更に旨味が増しています。
制作期間は3~6ヶ月かけ、メーカーによっては更に1、2年かけて熟成させていくので、本枯れ節はいずれも値段が高くなっています。
と、かつおぶしの業界では言われていますが、実はJAS法による定義がないので現状は枯れ節ですら本枯れ節と呼ばれています。
なので、安い本枯れ節と高い本枯れ節ではかけている時間が圧倒的に違います。
同様の理由から本枯れ節であっても原材料では○○かれぶしと表記されています。
安くて美味しい枯れ節の混合だしパック
長くなりましたがつまり、「かつおぶしの中野」の「混合だしパック」の原材料を見てみると…
「かつおのかれぶし」「さばのかれぶし」「そうだがつおのかれぶし」「昆布」「椎茸」となっており、いずれも国産の高品質品を使っています。
大きなポイントはいずれの節も枯れ節を使っている商品なのです。
今回紹介する「かつおぶしの中野」の「まいにちおだし」は「茅乃舎だし」や「千代の一番」などと比べると知名度はほぼありませんが、この商品はコスパと品質においてかなりの優れものであることがわかりました。
レビュー
今回紹介するのは「かつおぶしの中野」の「混合だしパック」です。
ポイント
本製品がリニューアルされ、「まいにちおだし」という商品になりました。
サイズが小さくなり、椎茸と昆布が加わったので更に隙がなくなりました。
▼旧商品のパッケージです。
▼新商品のパッケージです。
ベースは旧商品と一緒なので、新しく記載した情報が欲しい場合は以下の記事を読んでください。
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【プロが29品実食比較】究極の出汁パックを厳選紹介
・出汁にうるさい調理師である管理人が3年以上かけて出汁パックを研究した記事です。
続きを見る
▼だしパックの内容量は20gなので平均値の2倍以上の量とサイズです。
▼沸騰したお湯に入れたら5分間煮出すだけです。
今回は吸い物出汁を取ったので、沸騰させずに弱火と中火の中間ぐらいで行いました。
味は荒節だけの出汁よりも香りが穏やかですが、旨味は断然こちらが上ですね。
さばぶしの味はあまりせず、かつおだしと言われれば正直わからないと思います。
▼だしパックの中身です。
ポイント
知っているだしパックの中ではかなり粒が大きいのですが、食べてみると出汁殻なので、あまり美味しくありませんでした。
「茅乃舎だし」の様に粉末を直接利用するには舌触りがかなり気になるのでふりかけぐらいにしか中身は利用できなさそうですね。
▼なめこの吸い物です。
味付けはシンプルに塩だけ入れましたが、それでも美味しく飲めるということは出汁の旨味が十分に出ていることがわかります。
こちらのだしパックの利点とも欠点とも言えますが、昆布が入っていないので旨味の相乗効果(特定の旨味が一緒になることで一気に美味しくなる)ではその他のだしパックでは劣ります。
なので、なめこという旨味を豊富に持つ素材を選びました。
といっても、昆布はゴミの扱いが楽な素材なのでハサミで切って入れれば手間もかかりません。
出汁醤油
材料
濃口醤油 400cc
かつお厚削り節 20g (今回は混合だしパックを使用)
唐辛子 2、3本
日高昆布 10g
干し椎茸 2、3個
デパートや鮮魚コーナーなどでよく販売しているコレなんて正直買うものではありません。
原価を考えると1,000円近いお金を取っておきながらこれはちょっと…と思うのでレシピを紹介しておきます。
削り節を家で削っていた時代は端っこの部分が上手に削れないのでこのように醤油につけることで無駄なく使っていました。
ですが、現在では本枯れ節を使う家庭が減ったので、このような商品を購入する人が思いの外多いそうです。
総評
かつおぶしよりも安いそうだかつおぶしとさばぶしを利用することでコストダウンをしています。
3種類の枯れ節の配合が上手なので、市販の荒節ベースのだしパックと比べるとかなり美味しいですね。
パッケージのシンプルさもコストダウンの一貫なのでしょうが、見た目で惹かれない人が多いと思いますが、本当にいい仕事をしているだしパックなのでオススメです。