セールスポイント
・米粉麺としてはモッチリしており、日本人好みに仕上がっている。
・アレルギー対策やグルテンフリーを気にしている人に人気。
・秋田県産あきたこまちを使用し、うるち米のみで製造している。
波里とこまち麺
栃木県に本社を構える「波里」は米をはじめ、胡麻や大豆などの日本人になくてはならない食材を加工しているメーカーです。
白玉粉や上新粉、片栗粉などを主に見かけるかもしれませんが、一番有名なのが今回紹介する「こまち麺」でしょう。
栃木県に本社と工場がありますが、秋田県にも工場を持つ「波里」はあきたこまちにも精通しており、そのあきたこまちを主として他の品種をブレンドしたフォーの様な麺が「こまち麺」です。
こまち麺とフォーの違いは何か
エスニック料理の店は日本国内でも目が付きやすくなり、インド料理やベトナム料理などは本場の調理人がいることも珍しくありません。
今回はライスヌードルの一種である「こまち麺」の記事なので、ベトナムのフォーに注目していきます。
そもそもフォーとは?
ライスヌードルの1つであるフォーは生米を浸水させ、ペースト状にしてから熱した金属板の上に流し込み、固まったものを裁断して麺の形状にします。
ベトナムでは生麺を用いるそうですが、生麺の入手が難しい海外では乾燥麺が普及しています。
そのフォーは熱湯で茹でられ、鶏や牛などから取った透明なあっさりとしたスープに入れて、鶏肉や牛肉のスライス、つみれ、野菜、ハーブなどを載せます。
日本のうどんの様に食べ方は幅広くあり、地域によって肉とネギだけのものや甘めの味にたっぷりのバジルやコリアンダー(パクチー)、野菜を盛り付けているものもあります。
フォーのメジャーなトッピングはライムの絞り汁やヌクマヌ(ニョクマム)と呼ばれるベトナムの魚醤、生唐辛子などを加えて、日本のラーメン屋の様に各自でアレンジして食べます。
魚醤とは?
しょっつるやナンプラーも同じ魚醤であり、魚にたっぷりと塩を漬け込み、発酵させた醤油の様な調味料です。
低価格で少量で販売されているナンプラーが家庭では買い求めやすいでしょう。
日本で好まれて使われるフォー
下調べしている内にコシのあるフォーが普通の様な意見を多数見かけましたが、私の記憶にあるフォーはコシがないのがフォーでした。
といっても、数年食べていなかったので最初は自信が無かったのですが、その理由がわかりました。
ベトナムのフォーはとても柔らかく、歯がなくとも容易に切れ、コシが全くないのが普通だそうです。
しかし、日本人は大の麺好きであり、そんなフォーを食べると『うどんやそばみたいにコシがないから物足りない』となります。
そこで、もち米やデンプン、タピオカ、ビタミンC(クエン酸)などを加えることで麺にモッチリとした歯ごたえをプラスしたフォーが好まれて輸入されています。
ちなみにうどんにも上記と同じ加工がされているので、全てではないですが商品の原材料を確認してみるのも面白いかもしれません。
こまち麺はどう違うか
柔らかい麺とモッチリとしたフォーが存在することがわかりましたが、「こまち麺」はどちらかというと日本人向けのモッチリとした麺に仕上げています。
ですが、国内産の米で全て作られている「こまち麺」はフォーとは別物枠として捉えたほうが良いでしょう。
日本のうるち米(ジャポニカ米)と海外のうるち米(インディカ米)ではそもそも性質が異なります。
ざっくりと説明するとジャポニカ米の方は粘り気が強く、インディカ米の方がサラッとしています。
その粘り気をうまくまとめる為に少量のコーンスターチ(とうもろこしデンプン)とビタミンCを添加し、加工することで日本人好みのモッチリとした麺に加えて、シャキッとした様なコシをプラスすることが出来ました。
なので、日本で輸入している海外産のフォーよりも日本人好みのフォーとして仕上がっており、ややプッツンとした食感があるのが特徴です。
レビュー
今回紹介するのは「波里」の「こまち麺」です。
▼パッケージはこの様になっています。
▼裏面です。
調理方法
写真では確認しづらいので、調理方法を転載します。
公式の茹で方
1.鍋にたっぷりの湯を沸騰させて、麺を入れます。
2.冷やし麺でお召し上がりの時は、3分~3分半、温かい麺の時は3分位を目安にお好みの硬さに茹でてください。
3.茹で上がったらザルに取り、冷水で十分に水洗いします。
4.よく水気を切って、お好みの食べ方でお召し上がりください。
鍋料理のしめの麺でご利用の際は下茹でせずにそのまま入れて、4分ほど煮てからお召し上がりください。
▼半生麺タイプなので、乾燥フォーよりもキレイな形です。
▼熱湯で茹でます。
半生麺ということもありますが、茹でた前と後ではそこまで重量の差を感じませんでした。
今回は冷やしとフォーの2つのメニューを作ります。
茹でてからザルに空け、温かいフォーはあえて流水に晒していません。
ぶっかけこまち麺
麺は流水で洗っていますが、それでも麺がくっついたので、冷やして食べる場合は汁が多めのぶっかけか油を少しまぶした方が良いでしょう。
麺はうるち米を使っているのでほんのりと甘味があり、舌触りはフォーよりもツルッとしています。
普通の乾燥フォーの独特な香りが「こまち麺」にはほぼないのは半生麺や日本産というのが大きそうですね。
喉越しを楽しむ麺ではなく、噛んで楽しむ麺であり、パスタのアルデンテを少し強めたぐらいの硬さはあります。
茹で加減である程度硬さを調整出来ると思いますが、今回は公式に沿った茹で方を前提として紹介しています。
こまち麺のフォー(一人前)
材料
こまち麺 100g(半袋)
茹でた鶏肉 少量
ネギ 適量
サテ・トム お好みで
水分 200cc(要調整)
鶏ガラスープの素 小さじ2
魚醤 小さじ1
レモン汁 小さじ1
コリアンダーパウダー 少々
コショウ 少々
サテ・トムとは?
サテ・トムは植物油に唐辛子、レモングラス、ニンニク、魚醤、乾燥えびなどを入れて熟成させたベトナム式食べるラー油です。
日本の食べるラー油の様に旨味が強烈ではなく、香りと程良い旨味をプラスすることが出来るので、フォーの様なサッパリとしたものにも使え、様々な料理に使うことが出来ます。
作り方はスープの材料を合わせて加熱し、そこに茹で上がった麺を入れるだけです。
茹で上がりを流水に晒さなくとも、『汁がたっぷりならばくっつかないに違いない』と考えましたが、残念ながらくっつきました(笑)。
なので、温かい麺で食べる場合は水でぬめりを取り、熱湯をかけてからスープに入れた方が良さそうですね。
スープの味はフォーに似たようなスープに仕上げていますが、「こまち麺」はフォーよりも若干旨味と甘味、歯ごたえが強いので、少しスープの塩気と旨味は多めにしてあります。
個人的には冷たい麺はイマイチでしたが、この様に温かい麺として食べると好きな味でした。
総評
国産原料で作った上に、アレルゲンを完璧に除去した製造ラインで「こまち麺」はつくられているので、アレルギーの子供がいる家庭では安心して食べさせることが出来るのが大きなメリットですね。
ただし、うどん感覚で使うと性質が全く異なるので細かい工夫が必要になります。
麺の中では歯ごたえがしっかりしている方なので、プッツンと麺を噛み切るのが好きな人にもオススメ出来ます。
硬さが気になる人は素麺タイプの細いものも販売されているのでそちらを検討してもいいかもしれません。