セールスポイント
・高級店で使う小豆を銅釜で丁寧に。
・小豆の美味しさが市販品と大きく違う。
・甘さが控えめなので手を加えやすい。
キノアンについて
1959年、東京都板橋区に設立された「木下製餡」は「キノアン」という名で地元民に親しまれており、いい素材を使い、手間を惜しまない昔ながらの製餡所です。
焦げやすく・メンテナンスが大変である直火銅釜を採用することにより、熱伝導が良く、ムラ無く炊けることが美味しいあんこの秘訣の1つとなっています。
主に業務用製品を飲食店に提供していましたが、「マツコの知らない世界」「ZIP!」で紹介されてから一躍有名になり、楽天に個人向けの販売店を出してからも高評価を得ています。
こだわりの小豆「豊祝」
現在で有名な小豆といったら大粒種の大納言であり、煮た時に小豆の皮が破れにくく、糖分が多いことからほとんどの製餡所・和菓子屋で使われています。
高級な和菓子屋や味に拘りを持っているメーカーなどは中納言を選択することもありますが、こちらは大納言と比べると生産の手間がかかり、生産量が少ないことから高価となっていますね。
中納言は大納言よりもややサイズが小さい小豆(といっても、スタンダードなサイズの小豆)ですが、皮が薄く、風味が強いのが特徴となっていおり、エリモ、きたのおとめ、しゅまりなどの品種が該当します。
その中でも粒の大きいものを選りすぐった高級ブランドの1つが豊祝(ほうしゅく)であり、これより高いクラスの小豆はハイブランドクラスの大納言(備中・丹波・春日など)しか残っていないほどに高価ですね。
レビュー
今回紹介するのは「キノアン」の「キノアン・サービスセット」から2種類選びました。
▼パッケージ。
今回は「吟醸匠のこしあん 500g」と「極上つぶあん 300g」でしたが、みたらし団子のタレや白あんなども選択肢に入っています。
極上つぶあん
つぶあんにして潰れており、大納言小豆の様な見目麗しい仕上がりにはなっていませんね。
しかし、潰れた大納言の場合には口当たりがややイマイチですが、本製品は見た目に反してゴワゴワとした歯ごたえでは無く、形が悪い皮も気にならず、柔らかな舌触りと歯切れに驚かされました。
贅沢を言えば完璧な粒あんの状態で1回は楽しみたいという願いもありますが、豊祝の小豆の美味しさに比べれば多少潰れていても構わないと考えさせられる程です。
▼良い餅と一緒に味わうと至福。
肝心な味わいは今まで食べた小豆よりもなんとも言えない奥深い旨味があり、小豆特有の風味の良さがしっかりと感じられるにも関わらず、口に入った後に野暮ったい匂いがありません。
又、晒し餡にしていないにも関わらずの、アクの無いスッキリとした味わいが堪能することが出来、自分で豊祝を買った程にお気入りの粒あんでした。
吟醸匠のこしあん
メディアにてよく紹介されるのがこちらの「吟醸匠のこしあん」であり、藤紫色と表現されていますが、これは丁寧に焦がさず作業しているこしあんに見られる色合いです。
この色になっているということは渋きりが上手に行えていることの証拠であり、アクが少ないことが見るだけでわかります(覚えておくと小売店であんこの目利きが可能)。
こし餡は潰してから濾すという工程が入る為に、メーカーによっては不揃い品や品質を下げた小豆を使用することがありますが、本製品にも高価な豊祝を使用しています。
▼粒あんとブレンドしてお汁粉に。
中納言が使用されている為、小豆の味わいがしっかりしていながらも非常に滑らかであり、高級店で中納言を使用する店が多数あるのは納得する出来ですね。
写真ではわかりませんが、「キノアン」の粒あんとブレンドすることで、餡の美味しさが汁全体に広がり、時たま現れる粒あんが歯ごたえの変化を楽しませてくれます。
粒あんと同様に、一般的なこし餡よりもコクがありつつもアクが少ないので、羊羹や饅頭などに使うとグレードアップしそうですね。
総評
個人的には粒あんの方が好みの為、次回以降は粒あんを中心にリピートしますが、粒あんとこし餡の両者ともに大抵のメーカー品よりも上等な味わいでした。
味付けはやや控えめであり、個人個人で甘さを調節することが可能となっており、公式では無糖タイプも取り扱っているので、味付けに拘る人はそちらの購入がオススメですね。
色々なお取り寄せをしているとあんこのクオリティの低さに驚くこともかなりありますが、「キノアン」の餡子は安心して勧められる良品でした。