企画内容について
今回は長期間の調査になりますが、非常食の実食レポートを作ってみることにしました。食事はサバイバル時や非常事態時のときにはメンタル面でも深く影響します。
なので、様々な観点から1つの商品ごとに焦点を当てて、この記事を読んだ人の参考になれば嬉しいと思って執筆しています。
▼対象商品はこちらの画像にあるものです。
今回は「ホリカフーズ」の「レスキューフーズ 1食ボックス詰め合わせ」を紹介します。
メーカーと商品の特徴についてまとめてあるので、他の非常食の記事と見比べて家庭ごとに相応しいものを探してください。


商品データ
・2018年より一部の製品の賞味期限が5年6ヶ月に。
・多くの商品の賞味期限は3年6ヶ月。
・温かい食事を水、火を使わずに作ることが出来る。
・非常食としては具が豊富。
ホリカフーズについて
米どころで有名な新潟県魚沼市に会社を構える「ホリカフーズ」は咀嚼や嚥下の困難な方への介護食や栄養摂取に制限がある方向けの治療食、災害時等に備える非常食を開発・販売しているメーカーです。
コンビーフや大和煮などの缶詰や牛丼やカレーなどのレトルト食品、米飯を無菌充填しているので、いずれの商品も長持ちするのが特徴です。
レスキューフーズとは?
基本的には3年6ヶ月の賞味期限である商品が多いのですが、2018年3月以降、「白いごはん」「ビーフカレー」「一食ボックス カレーライス」は賞味期限が5年6ヶ月と長くなりました。
他社の商品でも5~7年の賞味期限であるものは幾つかあるので、珍しい訳ではないのですが、個人的にプッシュするのが「白いごはん」です。
白いごはんと発熱セット
非常食の白いご飯と言えば、炊きたての米を乾燥させたアルファ米が主流であり、水やお湯を注いで時間をおけば手軽に作れ、水分を含んでいないので軽いというのがメリットです。
しかし、アルファ米は味の面では残念ながらイマイチです。
ですが、ここの「白いごはん」はパックごはんの形状であり、電子レンジか湯煎での調理が必要になりますが、通常のパックごはんの賞味期限が10ヶ月前後の商品が多い中、「白いごはん」は賞味期限が5年6ヶ月と6.6倍も長持ちします。
味は後ほどレビューで紹介しますが、非常食の主食としてはトップクラスの美味しさを誇っています。
『電子レンジもお湯も非常時には使えないって話をよく聞くよね?』という疑問が湧くと思いますが、どちらも使わずに加熱する方法が「ホリカフーズ」では用意されています。
電気・ガス・水道が無くとも食品を温めることが出来る「発熱セット」です。
「発熱セット」は保存袋に発熱剤(アルミニウムを主成分とした)に少量の水を注ぐことで高温の蒸気が生まれます。
「崎陽軒」の紐を引いて加熱する弁当である「ジェット式シュウマイ」の強力なバージョンがイメージとして近く、簡易蒸し器として活用できます。
常温で食べられる?
製造会社の問い合わせにて確認した所、『残念ながら、常温のままでは固い状態になっていますので、湯煎または発熱セットを使用して加熱してからお召し上がりください。』
という返信を頂きました。
非常食や保存食の多くは常温で食べられるようにしてあるので、「白いごはん」も同様に食べられると考える人もいるかもしれません。
恐らくですが、この商品はデンプンの老化(β化)状態であり、ざっくりと言うとご飯が硬くなっており、消化が悪くなっています。
その老化を解消する為に、加熱を行うことで再び糊化(α化)され、炊きたてご飯と同じ様に消化と味が良くなります。
自社工場で製造し、直営店舗で販売、できたての製品に、安心安全をプラスしてお届けいたします。
と、楽天の販売トップページに記載されているので賞味期限が長いものが納品されるはずです。
レスキューフーズ 一食ボックスについて
こちらの商品は1食約1,000円と高額になっていますが、1つの箱にレンゲと紙ナプキン、主食、主菜、そして、食品を温めるための「発熱剤」が入っているのが特徴です。
先ほど紹介した「発熱セット」の小型版に当たり、アツアツの食事をどんな場所でも作ることが出来ます。
現在(2018/10/26)、「カレーライス」「牛丼」「シチュー&ライス」「和風ハンバーグ」「中華丼」の5種類が販売されており、「カレーライス」のみ賞味期限が製造より5年6ヶ月、その他は3年6ヶ月になっています。
「レスキューフーズ 一食ボックス 詰め合わせ」では人気商品である「カレーライス」「牛丼」「シチュー&ライス」が1つずつ入ったセットになっています。
1食ボックスは別売りされているものをまとめただけなので、いずれの商品も単品での購入を行うことが出来ます。
レビュー
今回紹介するのは「レスキューフーズ 1食ボックス 詰め合わせ」です。
▼キッチリと収まっているので場所をとりません。
▼フィルムで更に梱包されています。
「白いごはん」と「カレーライス」だけは賞味期限が5年6ヶ月と長いですが、その他は3年6ヶ月なのには注意しましょう。
上記の理由から主にこちらは味見用と割り切る考えがあってもいいかもしれませんね。
作り方
今回は「牛丼」を使った調理工程を紹介します。
▼箱の裏には作り方と盛り付けのポイントが記載されています。
▼中身をすべて出したものです。
内容物は「加熱袋」「レンゲ」「白いごはん」「牛丼の素」「発熱溶液」「発熱剤」「紙ナプキン」です。
1.発熱剤の中身に入っている袋を破かずにそのまま加熱袋に入れる。
2.発熱剤の上に食品を入れる。
画像ではわかりやすいようにしていますが、発熱剤は1番下(レトルトの下敷き)になるようにしてください。
3.加熱袋ごと箱に入れる。
▼かなりの高温になるのでセットする箱の底は厚くなっています。
4.発熱溶液を加熱袋に注ぎ、加熱袋のチャックをしっかり閉める。
5.数秒経つと蒸気が約20分間発生し、その後10分間蒸らす。
▼蒸気穴があるので、火傷するのでそこには決して手を触れないようにしましょう。
6.かなり熱くなるので取り出す時には紙ナプキンを使う。
これで驚くほどアツアツな食事を食べることが可能になります。
白いごはん
エネルギー 314kcal
タンパク質 2.2g
脂質 0.8g
炭水化物 74.6g
食塩相当量 0.0g
様々な非常食を試した所、パンや麺類は美味しいものが幾つかありましたが、日本人にはかかせないごはんで納得できるものはおかゆやリゾットなどしかありませんでした。
アルファ米は非常に便利なので、非常食としては外せないですが、味に関してはこの「ホリカフーズ」の「白ごはん」には太刀打ちできないくらい差があります。
米がしっかりと砕けずに1粒1粒キレイに炊かれており、日常で食べているパックごはんと同様のクオリティが味わえます。
「ホリカフーズ」が米どころである新潟に工場を構えているというのも大きいのかもしれません。
牛丼
エネルギー 335kcal
タンパク質 14.0g
脂質 23.2g
炭水化物 17.5g
食塩相当量 3.0g
食物繊維 6.5g
「牛丼の素」は常温でも食べられる様に作られていますが、恐らく加熱を前提として作られているので牛バラ肉を使用しており、他の非常食よりも旨味とコクが多いですね。
又、味付けするための汁がたっぷりと入っているので、牛丼はつゆだく派の人でも十分に満足できますね!
砂糖や醤油の強さは牛丼チェーン店で食べるものと似ており、強いて言うならば「すき家」の「牛丼」がイメージに近かったです。
牛肉の他には玉ネギとしらたきが入っており、玉ネギはトロトロとしたのではなく、程よい歯ごたえが残っているのがポイント高いですね。
ビーフカレー
エネルギー 171kcal
タンパク質 7.0g
脂質 4.5~11.0g
炭水化物 18.3g
食塩相当量 2.0g
食物繊維 3.2g
カレー自体のトロミは日常で食べるものと比較するとややゆるめですが、味に関しては非常食の中でもレベルが高いです。
非常食のカレーはトマトベースが多い中、チキンブイヨンが効いている部類のカレーであり、ほんのりとピリッとしているのが嬉しいですね。
▼具は他のラインナップと比べると少し寂しいです。
非常食のカレーは万人が食べられる様にするために、甘口のカレーばかりなので、少しでも辛味が欲しい人に向いています。
ビーフシチュー
エネルギー 211kcal
タンパク質 10.3g
脂質 9.0g
炭水化物 22.0g
食塩相当量 1.4g
食物繊維 2.5g
先程の「ビーフカレー」とうってかわって、市販のレトルト以上に大きな具がゴロゴロと入っているのには驚きました。
トマトベースのデミグラスソース風になっており、多くのレトルト食品では肉汁が残っていない肉が多い中、こちらは丁寧に下ごしらえされた牛スネ肉の味がします。
「ホリカフーズ」でも非常に人気のある非常食であり、こちらの味が良いために他のラインナップの評価が下がってしまうほどです(笑)。
▼これぐらいの大きさで素材が揃えられています。
じゃがいもや人参も同様のサイズであり、硬さも柔らかすぎず丁度いい歯ごたえを楽しめます。
調理の工夫
これだけでホカホカな食事を楽しめるのには驚きましたが、他の食品と組み合わせても十分に暖まることがわかりました。
ここでは加熱剤の蒸気を利用できる方法で実際に試したものを紹介します。
もう一品レトルトをプラス
オススメは「KAGOME」の「野菜たっぷりスープ」で、160gのボリュームがありますがアツアツに加熱できました。
賞味期間が製造より4年(きのこは5年6ヶ月)と野菜の保存食では長いので管理しやすいのが1つ目のポイントです。
常温でも食べられ、非常食の中ではかなり野菜を摂取することが出来ますが、非常時において重要なカロリーがあまり摂ることが出来ず、非常袋に入れるにはあまりオススメ出来ません。
しかし、持ち歩かないのを前提である備蓄食としてはそれらの欠点は考える必要がないので、「ホリカフーズ」の商品と一緒に購入しておくと非常に活躍すると思われます。
▼この様なセットになっています(複数の組み合わせアリ)。
スープに加えて缶詰も
先程の「野菜たっぷりスープ」を入れた袋に缶詰をプラスしても十分に加熱できました。
非常食の缶詰は常温で食べられるものが普通ですが、ここではあえて日常的に食べている缶詰を使うのが良いでしょう。
特に湯煎して温めると美味しく食べられる脂の多い缶詰は常温ではイマイチですが、非常食では摂取しづらい油脂類が取りやすいのがポイントです。
非常食では油脂類を減らすことで、常温での食事を可能にし、保存性を高めています。
なので、普段保管している缶詰と非常食を同じ場所に管理しておくと、ローリングストック(賞味期限が切れそうな食品を食べて、使った分を補充)を行っている缶詰ならば、ただの缶詰を非常食にすることも出来ます。
総評
ワンセットが重く、すぐに食べられないので携帯性や利便性はよくありません。
なので、持ち歩き用の非常袋や防災袋に入れず、家庭内でのストックに使うのがベストだと思います。
しかし、味は今まで紹介した非常食の中でも群を抜いて一番いい味をしており、こちらは保存食のリピートをした最に真っ先に購入が決定しました。
今回紹介したのも「レスキューフーズ」のセットの一部なので、様々なセットを比較し、各自適したものを選んでください。


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