セールスポイント
・味噌だれと朴葉がセットになっているので、気軽に楽しめる。
・味はくるみ、山椒、あぶらえ入りの3種類。
・コンロ、フライパン、グリルなどと調理器具は選ばずに作れる。
船津醤油について
1919年から岐阜県に根付いている「船津醤油」は味噌と醤油を醸造している有名老舗メーカーであり、味噌や醤油自体も昔ながらの製法を守っており、評価が高いです。
ですが、一番の売れ筋は朴葉味噌を手軽に楽しむことが出来るセットであり、おみやげ用に開発した所、その朴葉味噌が大ヒットして、今に至ります。
朴葉味噌とは?
岐阜県の飛騨高山地方の郷土料理である朴葉味噌は甘味を足した味噌にネギや山椒などの薬味を加えて、山菜や肉などを混ぜ込んで朴葉(朴の葉)にのせて焼いたものです。
朴葉特有の香りに加え、瑞々しさを残している青い葉には殺菌作用がある為に、朴葉寿司や朴葉餅などに使われていました。
落ち葉(枯れ葉)になった後にも、簡単に火が移らないことから朴葉味噌や朴葉焼きなどの材料としても使われています。
かつての飛騨高山地方では厳冬期になると漬物の野菜を解凍する為に、朴葉に味噌を載せたものと一緒に温めて食べていたそうです。
同じ郷土料理である漬物ステーキの原型とも考えられていますが、こちらは朴葉を使わずにフライパンで作ります。
現在では便利な加工食品が多くなり、少々手間のかかる朴葉味噌は岐阜県民でも家庭で食べる機会が減っているそうです。
どうしても食べたくなった時は「船津醤油」の朴葉味噌の様な商品を購入することが多いそうです。
レビュー
今回紹介するのは「船津醤油」の「朴葉味噌 山の幸」です。
▼山椒、くるみ、あぶらえの3種類があります。
あぶらえはあまり聞き覚えがないかもしれませんが、いわゆる「エゴマ」のことを指し、飛騨ではあぶらえと呼んでいます。
▼朴葉1枚でパックされた味噌ダレが包まれています。
朴葉味噌の作り方
1.乾いている朴葉は水にしばらく浸けて、柔らかくする。
ポイント
あくまで葉っぱなので重しを利用して浮かないようにしましょう。
『公式では水で洗って柔らかくする』と記載していますが、かなり乾燥されている朴葉は割れやすいので、貯め水で戻すことをオススメします。
時間は10分前後で十分ですが、水から取り出す時に葉っぱが折っても割れないかを確認すると間違いがありません。
2.材料を1口大に切り、味噌ダレと良く和える。
今回は鶏もも肉を250g使用していますが、味噌が70gとたっぷりあるのでもっと具材を入れても味が薄いことはないですね。
ネギや生姜などをみじん切りにして混ぜ込むのもいいですが、今回は3種類の味わいがわかる様にシンプルにしており、野菜は上から載せているだけです。
3.アルミホイルで器を作り、葉を乗せる。
ポイント
『朴葉がお皿代わりじゃないの?』と思うかもしれませんが、加熱している内に葉の隙間から漏れることがありえます。
なので、写真の様に縁を作ったアルミホイルを用意しましょう。
4-1.沢山の具材を載せる場合。
ポイント
朴葉の大きさは30cm以上あるので、大量に具材を載せたい時にはこの焼き方がオススメです。
朴葉の香りが強すぎるのが苦手な人も朴葉の味が底の部分だけで済み、表面は味噌がほんのりと焼けた香ばしさを楽しむことが出来ます。
4-2.少量の具材を朴葉で包む場合。
ポイント
こちらは四方を折り込み、タコ糸でギュッと縛る為に具材があまり入る方法ではありません。
その代わり、朴葉の風味がしっかりと素材に移り、具材が少ないので全体的に濃厚な味わいを楽しむことが出来ます。
注意点としてタコ糸を水でぬらしておかないと焦げることは覚えておいてください。
5.弱火で加熱し、朴葉に焦げ目が付くまで焼く。
ポイント
炭火、グリル、ホットプレート、フライパンなどと幅広いもので加熱出来ます。
今回は家庭にあると思われるオーブントースターで焼きました。
180℃で10~15分加熱すればいい具合になりましたが、当然ながら具材が豊富になると火の通りが悪くなるので各自調整してください。
鶏肉と長ネギの朴葉味噌焼き-くるみ入り-
久々に朴葉焼きを食べる機会が出来ましたが、食べる前からしっかりと朴葉の香りがし、旅行に行った気分が味わえますね(笑)。
塩が効いている熟れた赤味噌は旨味がしっかりとしており、少量の砂糖とみりんで味を整えています。
その赤味噌と鶏肉に朴葉の芳香がしっかりと染みており、否応なしにご飯やお酒がすすみますね(笑)。
くるみの味はそこまで強くなく、油分をほんのりとプラスするため程度の印象でした。
豚ヒレ肉の朴葉味噌焼き-あぶらえ入り-
豚ヒレ肉を5mm程度の厚さにスライスし、味噌ダレと絡めてから包んで焼いています。
ヒレ肉はサッパリとした部位なので、そのまま焼いて食べると少々物足りなく感じますが、あぶらえ入りの朴葉味噌を使うと複雑な旨味を楽しめます。
あぶらえというのはエゴマのことですが、エゴマには油分がたっぷりと含まれており、それを擦ったものが味噌に加わることでコッテリとした味を楽しめます。
なので、脂身の少ない部位や豆腐、魚などと組み合わせるのが良いですね。
合鴨のモモ肉の朴葉味噌焼き-山椒入り-
合鴨は3mm程度にスライスし、その上に味噌をすべて載せた後に包んで焼いています。
合鴨の強い味わいとたっぷりの脂が味噌と渾然一体となることで、最高の朴葉味噌の組み合わせになります(個人的な意見ですが笑)。
味噌の味付けや朴葉の香りは同じであり、山椒はピリッとするほどではなく、素材の香りを抑えるために使っている程度です。
山椒味にこだわりたい場合は仕上げにサッとふってあげると強い朴葉の香りにも負けないですね。
総評
朴葉だけを買う場合だとかなりの枚数になってしまうので、これぐらいの量だと気軽に消費できますね。
今回は人気のある肉類だけで作りましたが、この写真の様に豆腐やしいたけ、ゴボウなどのアッサリした組み合わせも乙なものです。
炭火を使うのがベストなので、BBQなどに持ち込むと料理上手として注目されるかもしれません(笑)。