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調理器具

プロレビュー/ホームベーカリー「SD-MT3」【Panasonic】

SD-MT、見た目、スイッチ部分

セールスポイント

・兎に角、パンドミを食べたい人向き。
・チェーン店のベーカリーを凌駕する味。
・工夫をすれば様々なパンやスイーツを作れる。

SD-MTシリーズは良品なのか?

管理人が購入した時には格安品のsiroca(シロカ)やアイリスオーヤマの1万円クラスばかりが売れていましたが、コロナの影響なのか高級ホームベーカリーがよく売れる様になりました。

本記事では残念ながら新型「SD-MT4」のレビューではなく、1世代前のモデルである「SD-MT3」のレビューになりますが、実際にこちらの製品で十分に満足しているほどです。

結論を言いますと、シンプルな食事パンを普段良く食べている人ほど「SD-MTシリーズ」は良品であり、リッチ・パン・ド・ミ(おうち乃が美、高級生食パン)をメインに食べる以外の目的ならばあまりオススメ出来ません。

というのは、以前使用していたのが2014年製のTIGERから発売されていた「KBX-A100」(発売当時では高級ホームベーカリー)でしたが、発酵食品やモチなどのクオリティはさほど変わらなかったからです。

SD-MTシリーズを買うべき人

本シリーズで作るリッチ・パン・ド・ミが頭一つ抜けた美味しさであり、焼き立ては勿論、一日経っても中々の味わいです。

米粉パンや米パン、フランスパンなども美味しく焼けますが、その中でもピザ生地の品質が高く、塩・オリーブ油・チーズ・ちょっとしたトッピングで十分勝負出来ますね。

上記の事から、食事パンを美味しく食べたい人向けであり、多岐にわたる機能は電子調理器にありがちなオマケに近く、保温調理器が無い人ぐらいしか使わないと思われます。

保温調理器について

本記事では真空保温調理器、電気圧力鍋、ヨーグルトメーカーなどが該当します。

▼コンフィや温泉卵も作れるヨーグルティアS。
ヨーグルティア、YOGURTIA、S、簡単に低温調理が出来、発酵食品も作れる

特に、真空保温調理器とヨーグルトメーカーは1万円クラスのものを買うとプロクラスの料理や発酵食品を気軽に作れます。

KBJ-4500-BKを購入したのでレビュー。
40年以上愛用している調理師一家がシャトルシェフを勧める理由

・手間をかけずにおいしい料理が出来上がる。
・加熱する時間を1/3に抑えられ、時間に余裕が出来る。
・電磁調理器(IH)にも使える。

続きを見る

ヨーグルティアSは当サイトでは記事にしていませんが、真空保温調理器であるシャトルシェフは20年以上のお付き合いとなっているので記事にしています。

旧型モデルと最新モデルの違い

ハイエンドタイプ(最上位モデル)はSD-MDX4、スタンダード(新モデル)はSD-MT4という型番であり、両者とも旧モデルのSD-MT3よりも進化しており、「3D匠ねり」と「Wセンシング発酵」という機能が搭載されています。

パナソニックの公式HP「3D匠ねり」ではこの機能がない製品と比較して、約17%伸びが良くなり、膨らみが良くなったそうです。

又、「Wセンシング発酵」は室温センサーと庫内温度センサーが付くことで安定した出来上がりが期待できる様になりました。

SD-MT3にも室温センサーと庫内温度センサーは付いていますが、性能が上がった模様ですね。

メニューはSD-MT3では39種類でしたが、SD—MDX4は43種類、SD-MT4は41種類となりましたが、ここは誤差程度と言っても過言ではないでしょう。

レビュー

今回紹介するのは「Panasonic」の「SD-MT3-W(ホワイト)」です。

新型モデルと旧型モデルのパーツ互換の差はパンケースぐらいであり、計量スプーンやパン捏ね用の羽根などはほとんど一緒となっているので十分に参考になるはずです。

▼パッケージ。
Panasonic、SD-MT、ダンボール

▼レシピブックとマニュアル。
SD-MT、マニュアルとレシピブック、パナソニック

両方とも公式から無料でDL出来るので冊子が仮に無くなったとしても困りません。

2年使用している為、多少ボロボロになっていますが気にしないでください(笑)。

▼中身。
SD-MT、セット一覧

右下のピンクのケースは酵母菌を製造する生種容器(フタ付き)ですが、一度も試していませんので今回の記事では一切触れません。

▼左が「パン羽根」、右が「めん・もち羽根」
パン羽根とめん/もち羽根の2種類がある、使用時に間違えない様に

料理ごとに適した羽根を使うだけですが、セッティングミスすると料理を高確率で失敗すると考えられます。

調理後には羽根の穴に絶対に生地が張り付くので、チューブブラシ(ワイヤーブラシ)を利用しましょう。

▼羽根はパンケースに取り付けておく癖を。
全ての製品に言えるが、パンがくっつく場合には油を塗ると良い

ポイント

細かいパーツは無くす可能性があり、うっかり羽根よりも先に材料を入れてしまうと地獄を見るので、洗浄後には必ずセッティングするのが大事です。

こちらのパンケースはテフロン加工がされている為、研磨剤やタワシなどは絶対に使わないでください。

▼操作部分。
SD-MT、見た目、スイッチ部分

最近の電気調理器は色々な機能が付いていますが、炊飯器と同じぐらいの設定項目とメニュー表示があります。

といっても、旧型モデルのSD-MT3の時点で焼き色の調整を使うことはほぼ無く、予約機能で困ったことも一切ないので、よほど機械音痴で無ければ気軽に使えます。

▼フタの裏面。
SD-MT、フタの裏面

取り外しが出来ないので、使用後は濡れ布巾などで清掃してください。

▼自動投入部。
SD-MTシリーズ、材料の投入部

左側がレーズンやナッツなどの後入れする具材を置く場所であり、生地の発酵が終了すると自動投入され、パンの中に混ぜ込んでくれます。

右側の黒い穴はドライイーストを投入するところです。

使用しているドライイーストによって膨らみ方や使用量が異なる為、ここだけはレシピ通りに作ると失敗する可能性がありますが、市販品の定番であるスーパーカメリヤならば大体レシピ通りになります。

ドライイーストの発酵臭が苦手な人はフランスのサフ社が販売しているインスタント・ドライイースト赤(通称、赤サフ)がオススメです。

▼ホームベーカリーの必需品。
ホームベーカリーを購入する場合には電子測りも良いものを選ぶ

ポイント

砂糖は誤差の範疇ですが、ドライイーストは小数点第一の位が表示できる秤が必須となります。

変な製品を購入すると後々苦しむので、国内メーカーの製品の購入を検討してください。

全自動機能でパンを焼く手順

今回はリッチ・パン・ド・ミを全自動で焼くモードのメニュー1で作ります。

1.フタを開ける。

SD-MT、内部の仕組み

フタは3層になっており、先述した自動投入用のフタの下部を持ち上げるとパンケースを仕舞う場所が現れます。

2.パンケースをはめ込む。

SD-MT、セッティング方法

パンケースと内部の位置がずれない場所に固定します。

上手に出来るとカチッと音がします。

▼パンケースに材料を入れる。
SD-MT、材料投入した中身

実際には上記の写真の様に計量した材料を入れてからホームベーカリーにセッティングします。

3.自動投入部にはドライイーストを。

SD-MTシリーズ、材料の投入部

イースト専用の穴に計量したドライイーストを入れます。

自動投入機能について

具材の重量は100gまで、大きさは素材によりますが大体が5~10mmぐらいです。

代表的なのがレーズンパンですが、大粒な高級品ではなく、小粒の安いものを使うのがポイントとなり、大きいと具材だと全く落ちないことがありました(笑)。

4.メニュー1を選び、スタートを押す。

スイッチ部分、比較的シンプル

レーズンはなし、メニュー1、焼き色は標準、後はスタートを押すだけです。

リッチ・パン・ド・ミは4時間50分と長めの時間がかかりますが、1時間で焼くパンのメニューもあります。

リッチ・パン・ド・ミの完成

パン・ド・ミをホームベーカリーで作成

ホームベーカリーで焼いたパンは型を使ったものよりは不格好に仕上がりますが、全体的に良い焼き色になっているのがわかるはずです。

焼き立てパンはキレイに切れない為、パン生地を冷ましてから切るのが常法ですが…アツアツの美味しさは格別なので、すぐに食べることをオススメします。

▼もっちり&ふわり。
ホームベーカリーでもキメの細かいパンは幾らでも作れる

リッチ・パン・ド・ミは一般的なパン・ド・ミと異なり、バターと砂糖を多めに用いることで皮はほのかにサクッ、中はフンワリとした軽い食感が更に強くなっています。

バターは香りが良いものを使えば風味が立ち、甘味がしっかりと感じられるのでシンプルに食べるだけでも非常に美味しいですね。

▼お気に入りのバターを用意すべし。
山中牧場の製品はどれも美味だが高いのが欠点

贅沢なスタイルを求めるならば高級バターや発酵バターを使うことであり、フランスのエシレバターや山中牧場のバターなどを仕上げに添えれば…至福の一時が堪能出来ます。

リッチ・パン・ド・ミはスキムミルクと牛乳を使わないので、乳糖不耐症の人にもオススメであり、特別な材料が要らないのが強みの1つですね。

▼冷ます場合は下側を浮かせる。
パンクーラが無いときの代用品は浮かせられれば何でも良い

ケーキクーラーを使うのが一般的だと思われますが、理屈でいえば下が浮いていれば焼き魚の網でも代用できます。

後ほどパンを切る台に箸を2本離して置き、パンが落ちない様に乗せれば洗い物は箸しか増えないので手軽です。

▼十字切りなら出来立てでもそれなりに。
焼き立てパンは切りづらい、思い切ってスライスを諦めるのもアリ

ポイント

色々試してみましたが、アツアツの状態ではこの切り方だとパンを潰しにくくなります。

コツは皮目からパン包丁を当て、力を込めずに鋸の様に動かし、最後まで引き切ります。

パン生地を作り、オーブンで仕上げる

贅沢なナッツパン、究極の素焼き7種のミックスナッツ、みの屋

パンを焼く前、つまり、二次発酵までやってくれるモードが本製品には備わっています。

昔から大抵のオーブンには発酵モード(38℃前後に予熱)がありますが、ホームベーカリーの方が発酵機能は安定しているので上手に作れます。

個人的にオススメな使い方がこの1つであり、自動投入を使いづらい大きめのドライフルーツやチョコレートなどはこのメニューを用います。

上記の写真は適当に刻んだミックスナッツを伸ばした生地の中に巻き込み、整形してから180℃で15分焼いたものなので、難しいことは特にありません。

ピザを作る

京風照り焼きピザ、漁師のまかない海苔、レシピ

モッチリタイプのナポリ生地ならば45分、サクサクタイプのローマ生地ならば8分で練りと発酵が終わります。

この写真では照焼きチキンを細かく刻み、万願寺とうがらしをメインにしたピザであり、生地はサクサクタイプのものなので生地を薄めにしています。

中途半端に残った素材や料理、ソースなどが余っている場合にピザを作ると冷蔵庫の中はスッキリし、美味しいピザが楽しめます。

美味しいピザ生地の伸ばし方

綿棒を使うのがお手軽ですが、カチカチのピザ生地に仕上がりやすいのでオススメ出来ません。

簡単なのは生地のフチを持ち、生地の重みでビローンと伸ばしながら回転させる方法です。

本記事の趣旨からは大きくずれるので、やり方は「ピザ生地 伸ばし方」で調べればいくらでも動画が出てきます。

打ち粉は可能な限り少なくするのが、うどん・そば・パンなどの生地を美味しくするコツであることだけは覚えておいてください。

好きな生地で様々なパンを作る裏技

非正規の方法なので挑戦する場合には自己責任でお願いしますが、燒き始める前に取り出せば様々なパンを作ることが出来ます。

例えば発酵終了間際で取り出したフランスパンをバタールやバゲットの形状に仕立て、オーブンで焼けば見た目も完璧になり、ガスオーブンならば味が更に良くなります。

惣菜パンのバリエーションを増やすのに便利であり、冷凍パン生地を作ることも可能です。

ハイエンド機種のSD-MDX4(ビストロ)にはマニュアル機能が備わっており、この裏技を使わずとも練から発酵、燒きまで細かい調整が出来るので便利そうですね。

総評

買った当時は紹介した「SD-MT3」が最上級のモデルでしたが、2年も経つと新型が発売され、「SD-MT3」は生産終了となりましたが、現在は格安品として購入することが可能です。

一世代前の「SD-MT3」でも食事パンにおいては一切不満が無かったのですが、「3D匠ねり」が加わったことで、より美味しくなったことが想像できます。

一番高級な「SD-MDX4」はマニュアル機能が備わっているので6,000円程高くなっていますが、ここまでのこだわりを持っている人は稀でしょうから基本的には最新モデルの「SD-MT4」を選ぶのが大半だと考えられます。

食事パンを中心に作りたいと考えている人には間違いない高性能なホームベーカリーなので、買って後悔はしないでしょう。

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