本レシピのポイント
・市販のめんつゆを美味しくする方法を記載。
・牡蠣の旨味をめんつゆに移す。
・牡蠣自体はぷっくりとした仕上がりにする。
牡蠣そばについて
牡蠣そばとは牡蠣の旨味を活かしたそばであり、元祖と言われているのは北海道の釧路にある「玉川庵」という蕎麦屋であると言われています。
あまり蕎麦屋のメニューとしては定番とはいい難いですが、「アサムラサキ」の「かき醤油」が人気である様に、牡蠣は和風出汁と醤油との相性は中々のものです。
今回は市販のめんつゆの旨味を濃厚にする方法と一緒に牡蠣そばのレシピを紹介します。
市販のめんつゆと飲食店のめんつゆの差
うどん屋や蕎麦屋のめんつゆはの基本は削り節や昆布、みりん、砂糖などのシンプルな材料で構成されています。
吸い物だしとは比べ物にならないぐらい、削り節を贅沢に使うことで濃厚な旨味がありますが、長期保存には適していないデメリットがあります。
一方、市販の即席めんつゆの多くは賞味期限を保たせる為に、腐りやすい魚由来の旨味は少なめにし、酵母エキスやたんぱく加水分解物などを利用して旨味を補強しています。
又、様々な調味料をブレンドすることにより、物足りなさを感じさせない工夫がされています。
長期保存を考慮した製品でありながらもそれなりに美味しいクオリティかつ買いやすい値段にまでなっているのはプロの仕事ですね。
市販のめんつゆを美味しくする方法
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上記の記事でも紹介していますが、老舗の蕎麦屋では驚く程濃厚な出汁を使っているので、削り節の香りと旨味が市販のめんつゆとは比べ物になりません。
逆に言うと、市販のめんつゆにはそれだけが欠けているとも言えるので、それさえ補えばいいことがわかります。
つまり、水の代わりにかつお節や鯖節などの出汁で割るだけで品質をグッと高めることが可能です。
なので、基本的には普段飲んでいる吸い物出汁で市販のめんつゆを割るとかなり美味しくなります。
ですが、元から旨味自体はどの様な形にしろ、市販のめんつゆにも含まれているので、濃すぎるものを使うとバランスが崩れやすいことは覚えておきましょう。
本枯れ節でも構いませんが、本枯れ節の方が香りがやや弱いので、風味を足したい場合には荒節を削った花かつおの方がオススメです。
厚削りから出汁を取りたい人は素直にめんつゆを自作してください(笑)。
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『花かつおから出汁を取るのが面倒!』という人は塩分が入っていない出汁パックを使いましょう。
「茅乃舎」や「千代の一番」などもそうですが、多くの出汁パックには塩分が入っているのでめんつゆを割るのには適していません。
どのめんつゆがオススメ?
結論から言うと、好きな麺つゆを使ってください(笑)。
というのは、甘味が強い、塩気が強い、うま味調味料が入ったものが好きなどと様々な好みがありますが、普段使っているめんつゆは個人の嗜好をそれなりに反映しているものです。
上の画像はストレートタイプの麺つゆですが、この手の製品は高価な分、手間を掛けずとも中々良い味わいですね。
管理人はやや辛口の藪系の汁が好きなので、基本的には自作のつゆしか使いませんが、無いときには甘味と醤油のバランスが取れている「にんべん」の「つゆの素ゴールド」を使用しています。
水の代わりに何かの出汁で割るというシンプルな話なので、かえしに当たるめんつゆは好みのものが一番になるはずです。
牡蠣そばの材料(2人前)
好みのつゆ 500ml
だしパック 1包
加熱調理用牡蠣 8~10粒
小麦粉 大さじ1
A(薬味)
ネギ 適量
生姜 適量
牡蠣で覚えておくと良い知識
牡蠣ごはんに限らずですが、加熱調理用と生食用牡蠣は完璧に用途を分けてください。
生食用牡蠣は殺菌するためにオゾン殺菌水などを使用し、ノロウイルスを殺菌していますが、加熱用と比べると味が落ちます。
これは生食するための規格基準があり、条件を満たすには数日間かけて牡蠣を絶食状態にさせながら殺菌していくからです。
一方、加熱調理用の牡蠣はノロウイルスを殺菌をしていませんが、余計なことをしていないので鮮度が良いのが特徴です。
『生牡蠣用だから新鮮!』という思い込みをしている人が多数いますが、実際には逆であるということを覚えておきましょう。
牡蠣の下処理
1.ボールに牡蠣と小麦粉を入れてむらなく合わせる。
小麦粉以外では大根おろしを使うのがメジャーな方法です。
2.少量の水をいれて優しく洗う。
3.何度か水を変えながら小麦粉と汚れを丁寧に取っていく。
牡蠣はこれだけ汚れがある貝類なので、必ず洗浄作業は行うようにしましょう。
4.しっかりと水を切る。
薬味を用意する
1.生姜は針生姜にする。
2.ネギは小口切りにする。
牡蠣を煮る
1.出汁パックからめんつゆを割る出汁を取る。
2.めんつゆと1の出汁を合わせて好みの味付けにする。
3.沸騰させたら牡蠣を入れて、弱火にして3.4分煮る。
1の工程ぐらい沸かした所に牡蠣を入れ、弱火で加熱するのがふっくらと仕上げるコツです。
加熱時間はコンロや鍋によって違うので、このレシピに記載している時間は目安にしてください。
4.最後に軽く沸騰するぐらい1,2分加熱する。
ノロウイルスの殺菌温度は大量調理マニュアルという給食や食堂などに採用されている衛生基準では中心温度が90℃以上で1分以上となっています。
それらを考慮し、最初にゆっくりと牡蠣を加熱し、最後にノロウイルスを殺菌するために温度を上げます。
これぐらい煮る程度ならまだまだふっくらと仕上がりますが、始終この火力でやると硬くなってしまうので、3の工程では必ず弱火で煮ていきましょう。
5.牡蠣を別の器に移す。
6.煮汁を軽く沸騰させてアクを取り除く。
盛り付け
後はそばを茹でたら盛り付けをするだけです。
写真でも見てわかる様にカキがふっくらとしていることがわかります。
牡蠣の香りと旨味が改良されためんつゆに加わることで、下手な蕎麦屋で食べるよりも幸せになれますね(笑)。
つゆと具がとても美味しいそばなので、薬味は風味が強すぎないものを選ぶようにしてください。