セールスポイント
・手作りの〇〇胡椒は風味が非常に良い。
・刺激を自由自在にコントロール可能。
・様々な柑橘類で作ることが出来る。
ゆずこしょう/すだちこしょうについて
青唐辛子と柚子の皮を使った調味料であり、九州や四国などでは定番の薬味として利用されており、現在では全国に定着しました。
九州の方言では唐辛子の事を胡椒と表し、普通の胡椒は洋胡椒と言う事から柚子胡椒と呼ばれる様になったそうです。(Wikipedia調べ)。
使い方は鍋の薬味が一般的かもしれませんが、唐揚げや天ぷら、湯豆腐、ソースに加えるなどと色々な利用方法があります。
材料の組み合わせ
赤い唐辛子を用いる場合もありますが、人気があるのは断然青唐辛子を使う手法なので、今回は青唐辛子+『好みの熟していない柑橘類』で作ることを前提に進めていきます。
管理人が今まで作った事がある〇〇胡椒の柑橘類は「柚子」「酢橘」「カボス」の3種類ですが、今までの経験則的に青いレモンや蜜柑、ライムなどでも美味しく作れるでしょう。
つまり、輸入物の柑橘類とシーズンに合わせて出てくる国産の柑橘類を全て利用すれば通年通して、新鮮な〇〇胡椒を楽しむことが出来るという事ですね。
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塩に関しては日本の塩、赤穂の塩や粟国の塩...要はにがりが多めに入っている方が和食には合っており、カルシウムやカリウムなどが無添加の岩塩は旨味がやや不足しているので物足りなく仕上がります。
塩選びに難航している人がいるならば上記の記事を参考にしてください。
皮の処理の仕方
基本的にはすりおろすか、細かく刻んで混ぜるというシンプルな方法しかありません。
① 皮を取り外さずにすりおろす。
個人で製造する方法で一番オススメであり、味が早く熟れるのが大きなメリット。
加えて、白い部分が全く入らない事により、えぐ味やアクなどがほぼ感じられない。
味は市販品よりも遥かに美味しく、作りたては風味を楽しめ、時間が経つと親しみのある味わいへと変化する。
デメリットはすりおろす手間が非常に掛かり、片手間の作業が不可能な所。
② 皮を剥いてから刻む。
包丁で柑橘類の皮を剥き、粗く刻む、又は細かく刻んで材料と混ぜ合わせるだけと簡単。
問題点は味を大きく落とす白い部分(中果皮、アルベド)が入りやすく、削ぎ落とすにはテクニックが必要。
果実がそれなりに大きい場合は大変では無いが、小さい果実の場合は少々苦労する。
より香りを出したい時にはすり鉢を使う場合もあるが、現代には密封容器と冷凍庫がある為、あまり必要性を感じない。
青唐辛子の下処理
青唐辛子のヘタと中の種、ワタをキレイに取り除き、細かく刻むかミキサーやフードプロセッサーなどで細かくするだけですね。
気合ですりおろすことも可能ですが、作業がしづらく、手が痛くなるのでオススメしません。
レシピについて
ハッキリ言いますが、分量なんて適当で美味しくなります(笑)。
というのは、仕事で大量生産する場合には味が毎回違うのではお話になりませんが、家庭で作るならば味のばらつきは問題無く、塩加減を余程薄くしない限り腐ることもありませんしね。
そして、何よりも材料の加工中に重量が大きく変わり、調理工程の差で味が異なってしまい、使用する材料でも香りと味が変わってしまう事から数値化は不可能です。
強いて言うならば、柑橘類>>>青唐辛子>>>塩の分量にするぐらいでしょうか。
実際に作ったすだちこしょうの手順と解説
先述した内容を踏まえ、味が良くなるテクニックと作業工程を写真と併せて紹介していきます。
①唐辛子の中身とヘタを取る。
ポイント
ワタは別に取らなくとも良いのですが、仕上がりの色合いが若干白くなる為、美しさの観点から管理人は必ず取っています(特に刻んだ場合)。
②スダチの皮をすりおろす。
写真の右上の酢橘を見てみるとうっすら青い部分が残っており、白い部分が浮き出ている程度にすりおろしていることが分かるはずです。
この時、全ての青い皮を完璧に取ろうとする人もいますが、非常に時間が掛かる為、ある程度残して、次の柑橘類をすりおろしましょう。
柚子、カボス、酢橘、いずれの柑橘類にしろ、この材料が手に入る人は大量に保持している場合が多く、結局使わない皮が出てきます。
③青唐辛子をすりおろす。
すり鉢やフードプロセッサーを持っていない家庭が多いと考えられるので、安いミキサーでも雑に作れる方法を紹介します。
下処理した唐辛子に水が軽く浸るぐらいまで入れたら、ミキサーで細かくしてしまいます。
その後、細かいザル(百均の茶こしやコーヒーフィルターでも良い)で水分を軽く取ったら完了です。
刻むかすりおろす方が当然素材の風味と辛味は強いですが、水を使ってペースト状にすると青唐辛子の青臭さが程よく抜けてくれるメリットもあります(手も痛くなりません)。
④混ぜたら熟成。
先述した通り、味付けや分量は適当で良いですが、塩加減は全体量の10%以上は入れると安心ですね。
魚介類で作る塩辛が5%で安全、10%で長期保存可能、濃口醤油ならば15%前後、数字で見ると塩分の強さが如何に保存食に役立つかわかります。
当然ながら、残った果実を無駄にすることもありえないので、皮がない柑橘類を4等分にしてから絞って、果汁にします。
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果汁に関しては冷凍すれば1年中使用でき、以前紹介したポン酢にすれば極上のポン酢も大量生産可能です。
おとりよせメインのサイトで言うのもなんですが、買う必要がない調味料や香辛料が思いの外多いものですよ。
器具の消毒は必要か?
雑菌が繁殖しやすい素材なら兎も角、殺菌効果の強い素材ばかりの為、使用する器具と保存容器は消毒しなくとも問題ないでしょう。
洗った材料を全て衛生的に扱い、すり鉢やすりこぎまで消毒している人は見かけたことも聞いたこともありません(工場なら絶対にやりますが)。
といっても、世間ではその様な事を大っぴらに言うと怒られる風潮があるので、衛生面が気になる人や人に教える時には密封容器だけ消毒すると良いでしょう。
実際に使ってみた料理
好きなものに使えば良いと言ったら話が終わってしまうので、ちょっと変わったメニューがあったら追記していく予定です。
鯛の兜揚げ
半割にした鯛の頭を『ウロコをとらずに』に汚れを取り、臭み消しをして、素揚げするだけです(皮目を下にして160℃で15分ぐらい)。
下処理に関しては塩を振ってからしばらく寝かしてから流水で流す、梅酢で軽く洗うなどなんでも構いません。
パリパリする鱗のせんべいと骨のエキスが染み込んだ身は絶品であり、味変に使うすだちこしょうが後味をサッパリとさせてくれます。
まとめ
手作り調味料の中では少々面倒な柚子胡椒ですが、この味を知ってしまうと市販品があまり美味しくないことに気が付いてしまうほどにいい味ですね。
〇〇胡椒を味の主役にする場合には食材の塩気を下味程度に留めるのがミソであり、両方とも強いと当然ながら塩辛くなりすぎるのでそこだけは注意しましょう。