セールスポイント
・甘味が口の中に広がるとろける和牛ベーコン。
・醤油と山椒の風味がする日本のフエ/サラミ。
・和牛の脂肪は口溶けが非常に良い。
わたせいについて
1934年、栃木県宇都宮市に創立された「とちぎ和牛グルメショップ渡清(以下、わたせい)」は業務用食肉や加工肉などの販売を行っている老舗メーカーです。
国産牛に関しては「とちぎ和牛」や「とちぎ霜降高原牛」などを中心に取り扱っていますが、豚や鶏、チーズ、パン、ソースなどの多岐にわたるオリジナル商品も多数販売しています。
食肉問屋であることから様々な部位を購入することが可能であり、比較的リーズナブルな製品が多い印象ですね。
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【実食レシピ】A5ランク牛の生ハム【和牛ブレザオラ/わたせい】
・口の中に入れた瞬間にとろける生ハム。
・従来のブレザオラと違い、脂を楽しめる。
・力強い味わいは世界で評価されている。続きを見る
以前紹介した和牛で作ったブレザオラが「わたせい」の中では個人的には一番好みでしたので、何かを注文する際についでに頼むのがオススメです。
とちぎ和牛ベーコン
黒毛和牛種の仲間であるとちぎ和牛を使用しており、本製品はA5等級の最高ランクのものも採用しています。
味付けは食塩と香辛料、粗糖、赤ワインなどのシンプルな構成であり、長時間塩漬けした牛肉を低温で加熱した後に、桜のチップで冷燻(スモークサーモンと同じ製法、温度が低い燻製)してあります。
和牛の場合には脂肪の融解温度がかなり低く、人の体温でも溶けてしまう程なので、この様な手間暇かけた温度管理が必要になります。
和牛熟成白カビフエ/日本酒の和牛熟成白カビフエ
フエはスペイン産のサラミのことであり、サラミの細い形状が馬の鞭に良く似ている事から名付けられました。
本製品はとちぎ和牛と国産那須豚をブレンドした挽き肉を本物の豚の腸(安いものは人口ケーシング)に詰め、白カビをまとわせてから約30日熟成させています。
通常の「和牛熟成白カビフエ」は赤ワインを使用したオーソドックスな味ですが、「日本酒の和牛熟成白カビフエ」は和山椒と湯浅の醤油、三河みりん、そして、日本酒「王祿80」という純米酒を使用した日本風の味わいとなっています。
「和牛熟成白カビフエ」は雑誌「クロワッサン」や「お取り寄せ&手土産」にも記載されたことがあり、生鮮肉を抜かすと「わたせい」の中でも人気の製品です。
レビュー
今回紹介するのは「プレミアムデリカわたせい」の「和牛ベーコン」と「日本酒の和牛熟成白カビフエ」です。
▼和牛加工品を色々と購入。
今回はリーズナブルではありませんが、和牛を加工したで生ハムやベーコン、サラミ(フエ)などが気になったので網脂や豚骨などと一緒に購入しました。
そのまま食べられる和牛加工品に関しては常温で5分程置いておくことで口溶けが良くなるので、食べる少し前に取り出しましょう。
和牛熟成白カビ日本酒フエ
▼中身。
普通の白カビサラミ、以前紹介した「エルポソ社」のフエと比べると和牛のフエはやや黄色い脂肪となっています。
賞味期限ギリギリのラインまで寝かしたせいですが、先程の製品集合画像と比べると色合いが劣っていることがわかってしまいますね(笑)。
更に、常温⇔冷蔵の繰り返しをしていたら和牛の脂肪分が腸の付近に溶け出し、色が更に悪くなってしまったので本製品に関しては『冷蔵庫から出したらすぐに切り、食べない分は冷蔵庫にしまう』様にしてください。
▼比較画像(エルポソ社/フエ)。
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【実食レシピ】白カビの旨さが凄いサラミ「フエテック」【ELPOZO/エルポソ】
・白カビの旨さを堪能できるスペインサラミ。
・塩気と香辛料が控えめで、マイルド。
・様々な国で販売されているサラミの中でも上品。続きを見る
▼カットしたもの。
サラミと一口に言っても様々な製品がありますが、本製品は白カビの風味も程々にしますが、何と言っても山椒と醤油の効いた風味がたまらないですね。
歯応えに関しては若干固めのサラミの分類だと思いますが、硬すぎる程ではなく、噛み締めている内に牛肉の赤身の味と牛脂のコクが徐々に口の中に広がっていきます。
塩気と醤油の味は思いの外強いのですが、牛肉と醤油の組み合わせは日本人にとっては鉄板の組み合わせなだけはあり、フエにしても間違いはありませんね。
和山椒のピリッとし辛味と独特の風味が後味をサッパリとさせてくれ、白カビの加工品でありながらも、ブルチーズに似た刺激にも感じられるのが非常に面白いです。
和牛ベーコン
公式では冷たい状態でバゲットや熱々のトーストにのせる、野菜スティックと一緒に食べる方法をオススメしています。
付け合せのチーズはブリー(フランス産カマンベール)やクリームチーズなどにくるみを加えたものが良いそうです。
▼焼いたものとレアを比較。
写真を見ればわかる様に赤身肉の生ハムとは全くの別物であり、肉を楽しむのでは無く、和牛の脂肪の甘味とコクを主に楽しむ製品となっています。
口の中に入れた瞬間に濃厚な液体になるほどに感じるジューシーさには驚かされ、和牛特有の脂肪の甘さが一気に広がり、同時に桜のチップの薫香が鼻を突き抜けていきますね。
基本的には生で食するベーコンなので、脂の強さをある程度緩和する為に、付け合せとワインは用意すべきです。
勿体ないのは御承知で焼いてみましたが、ベーコン特有のカリカリとした食感と芳ばしさは良いのですが、脂がフライパンにかなり逃げてしまうので、その脂は野菜炒めや炒飯などに使うことを推奨します(ある意味カリカリベーコンより美味)。
総評
「和牛のベーコン」はかなり特殊な食肉加工品であり、燻製の風味と口で弾ける様な脂の美味しさを堪能したい人向きの製品です。
「日本種の和牛熟成白カビフエ」は醤油と山椒が効いた和牛のフエは今まで食べてきたサラミ類とは全く違う味わいが楽しめ、唯一無二の製品ですね。
赤ワインで作った「和牛熟成白カビフエ」の方がオーソドックスな味なので、網脂や牛骨などが切れた時にそちらも試してみたいです。