お好み焼きの粉はあまりがちで高い
家庭でお好み焼きを作る際には旨味や調味料などが既に入っているお好み焼き粉を使う人が大半だと思います。
しかし、そこまで美味しいという訳でもなく、粉をあまらせて捨てることも珍しくない商品にもかかわらず、お好み焼きの生地を手作りしている人はあまりいません。
そこで、今回は大阪風のお好み焼きの生地の作り方を紹介します。
大阪風の生地用にレシピは作成していますが、広島風の生地に使ってもそれなりに美味しく食べられます。
材料(やや軽めの2人前)
記事の投稿後にレシピの調整を数年かけてしたので画像とレシピがあっていません。
材料
A
薄力粉 100g
卵 2個
だしパック 1つ
山芋 30g
水 100cc(要調整)
塩 2g前後に調整(塩が入っただしパックもある為)
B
キャベツ 200~250g
C
油 適量
好みの具 適量
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お好み焼きの美味しさの秘密は具材からしみ出た旨味を完璧に吸うこともありますが、重要なのは生地自体の美味しさです。
基本的には和風だしや魚粉などで旨味を補い、フワフワとした生地を作るためにすりおろした山芋やふくらし粉(ベーキングパウダー)などを使います。
ですが、ベーキングパウダーは兎も角、ダシを取って冷ますことは面倒であり、普段あまり使わない魚粉を買っても、余すかもしれません。
なので、手っ取り早く済ませる為に『袋を破って使えるタイプのだしパックを使うことで重層的な旨味を直接生地に練り込む』ことで手抜きをします。
白だしや顆粒だしだと少々もの足りず、明石焼きっぽい味になってしまうので、だしパックがオススメですね。
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山芋に関してはナガイモやイチョウイモなどによって粘り気や味が違うので入れる量は変わります。
個人的にオススメなのは冷凍食品のとろろを使うと少量の山芋を用意する必要がないので、とても楽して作れます。
手作りレシピを紹介していますが、大手スーパーに行けば冷凍食品のコーナーで取り扱っている店もあるので探してみてください。
山芋はレシピから抜いてしまっても全然問題無いですが、水の使用量はやや増やしてください。
味をワンランクアップさせるキャベツの下処理
色々とお好み焼き用のキャベツの切り方を研究した所、芯の部分は薄切りにし、キャベツは細めの短冊切りが良いですね。
芯の部分は特にガリガリとした食感になるので、気をつけましょう。
そして、切った後にすぐ使わず、1~2時間空気に晒す事が肝要であり、お好み焼きがベショッとする事を防ぎやすくなります。
お好み焼きの生地にキャベツを混ぜる時も焼く直前まで合わせない点も大事であり、下味が付いた生地に入れて放置してしまうとキャベツの水分が生地に入り、ふっくらと仕上がらなくなります。
作り方
1.Aの材料を良く混ぜる。
ポイント
山芋は細かくなるまですりおろした物を入れてください。
混ぜたら直ぐに焼くことで記事がふんわりとするので、調理器具の用意は事前に済ませておきましょう。
2.フライパンに油を入れ、具材を炒める。
画像では切り落としなので炒めていますが、キレイな肉を使う場合には整列させて焼いた方が仕上がりの見た目が良くなります。
ただし、カットしている方が食べやすいメリットもあるので、好みに合わせて選んでください。
今回はオーソドックスな豚玉と豚キムチチーズ味の2種類を作るので、炒めた豚肉を2つに分けています。
3.千切りキャベツと生地をよく混ぜ、豚肉の上に流し込む。
4.フタをして弱火~中火で加熱していく。
ポイント
お好み焼きをふんわりと仕上げるコツとして、『ヘラで押し付けて焼かない』というルールは絶対です。
なので、フタをして中まで丁寧に火を通していきます。
厚さや調理器具によって時間は変わりますが、本レシピの1人前ならば片面は5~8分ぐらいです。
5.流した生地の表面が少し蒸し焼きされたらひっくり返す。
早すぎると当然ながら、空中分解してしまうので、表面が固まったらひっくり返す様にしましょう。
▼裏面はカリッとさせることで芳ばしさをプラス。
6.再度フタをして弱火~中火で焼く。
7.再度ひっくり返し、1,2分したら完成。
店に負けない一工夫
数あるお好み焼き専門店では店ごとに様々な工夫をしていますが、そこまで家庭で気合を入れるのは正直面倒です(笑)。
しかし、薬味に気合を入れている店は少ないのでここではかつお節と青のりに注力してみましょう。
かつお節は関西では香りの強い花かつおが使われていますが、旨味を補強したい人の場合は枯れ節の削り節を選ぶてもあります。
枯れ節は花かつおの原材料である荒節と違って、長期熟成させたものなので、香りは微弱ですが旨味が上なので雰囲気が変わりますよ。
▼本物の青のり、風味と旨味が強く、口溶けも良い。
青のりに関しては日常的に食べる機会が多いのは本物の青のりではなく、あおさ粉(アナアオサ)なので香りは弱く、旨味も貧弱です。
スーパーでも販売していますが、やたらと値段が高い青のりだったらそれが本物の青のりですね。
予算を決めないのでしたら青のりを買えばソースの味にも負けない豊かな風味を楽しめます。
▼あおさのりの上級品、アナアオサより全然ウマイ。
そこで、スーパーで売っているアオサノリを家庭でミキサーにかけると、鮮度が良いのでそれだけでも市販品よりも風味が良くなります。
単純にあおさ粉に使用されているアナアオサよりもアオサノリの方が美味しく、青のりと比べたら全然安いので手が出しやすいですね。
アオサノリを日常的に使っている家庭ならば一度試してください。
盛り付け
薬味は先述した枯れ節の削り節と手作り青のりを使用しています。
甘みのあるオタフクソースとキャベツから出た水分でほんのりとトロッとしている生地は相性が良いです。
山芋の量ですが、レシピ以上入れると食べた瞬間に山芋の味が主張しすぎて、万人向けのお好み焼きではなくなるので注意してください。
▼カットしたものです。
厚みがある様に作るとトロリとした柔らかい生地になり、薄めの生地にするとしっかりとした仕上がりになります。
本レシピの小麦粉は1人前が50gと食パンでいうと5枚切り1枚分ぐらいの小麦粉しか使っていないので、胃もたれしません。
キャベツに含まれているビタミンU(消化を助ける)の効果も相まって、身体に優しく、ヘルシーです。
▼炒めた豚肉にキムチを和え、チーズを入れました。
▼あとは先程と同じ手順で作ります。
肉を焼く時点で多めのキムチを入れて、あとは先程のレシピとほぼ同様の工程で作ることが出来ます。
しっかりと味付けをするとソースが無くとも美味しく食べられます。
味はチーズチヂミをしっとりとさせた雰囲気になりますね。
まとめ
家庭で楽をして料理を作るために、様々な調味料や調理器具が販売されたおかげで、美味しいお好み焼きの生地を手軽に作れるようになりました。
しかし、お好み焼き粉自体はベーキングパウダーとうま味調味料をちょっと足しただけの割には価格が高く、外食すると様々な理由から当然値上がりします。
上記の点から好きな具を沢山入れると信じられない値段になりますが、本来のお好み焼きは好きなものを入れて焼くという意味なので、家庭で安くて具だくさんのものを楽しんでみてください。