【レビュー】チョリソ・カセーロ|加熱で旨みが花開く|La Prudencia

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La prudencia、chorizo extra、パッケージ

セールスポイント

・スモークパプリカが効いたスペインの定番メーカー品。
・フレッシュさがある格安サラミ。
・そのまま食べるよりも加熱するのに向いている。

La Prudenciaについて

1910年、スペインのサラマンカ県に創立された「La Prudencia(ラ・プルデンシア)」は生ハムやフエ、チョリソなどの食肉加工品を製造・販売している老舗食品メーカーです。

伝統的な製法を踏襲した技を活かし、現代社会に適応した衛生的な管理を行うことにより、こだわりの逸品を追求しているのが特徴となっています。

食肉加工場には製造工場を併設しており、イベリコ豚を育てている自社牧場も備えていることからトレーサビリティシステム(生産から消費まで追跡して管理)も充実しています。

La Prudenciaの製品特徴

日本では格安品がどちらかというと輸入されている傾向が強いですが、イベリコ豚の最高ランクであるで・ベジョータと次いで高級品であるセボ・デ・カンポの2種類を取り扱っています。

開かられた放牧場で育てられたイベリコ豚を100%使用しており、低塩分で長い時間をかけて熟成させています。

乾燥と熟成させる時に用いるボデガ(熟成庫)はアサルバロ山脈の標高1,200m付近にあり、程よい温度と湿度を保ち続けることで徐々に旨味をましていきます。

最低限のイベリコ豚の知識

イベリコ豚は『どんぐりを食べて育った豚』と日本では解説される事が多いのですが、実際には〇〇鶏や◯◯牛などの様に品種のことを指しています。

日本の黒豚の様に、肉汁が逃げにくい上に味が良く、脂身の口溶けが良く、甘味があるのが特徴となっており、霜降り状になっていることから和牛と似た性質を持っています。

純血の場合、もしくはイベリコ豚の血統が半分以上を満たし、かつ、スペイン政府が認証した品種のみがイベリコ豚と名乗ることが可能です。

Chorizo Extra de Cerdo Ibericoについて

和訳するとイベリコ豚を使用した特別なチョリソとなりますが、「La Prudencia」の製品の中ではかなりリーズナブルな事からスペインでは定番品の1つとして有名です。

ほとんどの日本メーカーではパッケージに記されている製品名では無く、Chorizo Casero(チョリソ・カセーロ)やSalchichon Casero(サルシチョン・カセーロ)という名前で取り扱われています。

これはスペインの地域によって同じ製品であっても名称が異なる、日本でと方言や地域によって魚や料理の名称が異なるのと一緒ですね(例:アカムツとノドグロは同じ魚だが呼び名が違う)。

レビュー

今回紹介するのは「La Prudencia」の「Chorizo Extra de Cerdo Iberico」です。

▼パッケージ。
La prudencia、chorizo extra、パッケージ

prudenciaというスペイン語には賢明という意味があり、創始者の家に居る女性たちに敬意を表した社長が「La Prudencia」という社名にしたそうです。

馬の蹄の形になっているのは豚の天然ケーシング(腸)の曲がっている場所を用いることでユニークな形に仕上がっています。

1つが400~500gとボリュームがある為、初めてカットする時に余ると思ったら100gずつに小分けして冷凍すると長い間味を落とさずに楽しむことが出来ることは抑えておきましょう。

▼中身とカットしたもの。
ラ・プルデンシアのチョリソ、フエ、盛り付け

チョリソというとピリ辛のメキシカンチョリソを想像する日本人が大半ですが、チョリソの元祖に当たるスペインのものは辛味成分は黒胡椒が基本となっており、激辛の唐辛子は一切入っていません(辛味のあるピカンテというパプリカを使う場合はある)。

色合いが赤色なのはピメント(パプリカ)によるものであり、このメーカーは元々、パプリカとオリーブオイルを販売する所から始まっているせいか、非常に多くのパプリカを用いているのが特徴となっています。

加えて、フレッシュさが残っているしっとりとした詰め物なので、パプリカパウダーの酸味と独特の風味がより強く感じられますね。

ただし、イベリコ豚としての旨味は他社よりも弱く、脂肪分の口溶けも控えめ、発酵食品としても力強い風味はありません。

豆をたっぷり使ったピラウ

スペインのサルシチョンで作ったピラウ

そのまま食べても美味しいという人も居ますが、この素材は煮込みや焼くことで真価を発揮し、日本のソーセージもどきで作った料理とは一線を画す仕上がりとなります(スペインでは料理にサラミやハムを加熱して使う)。

さいの目に切った本製品を油を敷かずに炒め、表面がカリッとしたら水煮したヒヨコ豆・金時豆・白インゲン豆を加えます。

後は炒飯の手法でサックリ作っても構いませんし、本格的なピラウの作り方ならば驚くほど美味に仕上がりますよ。

パプリカの酸味が程よく料理全体に広がり、脂とブイヨンが染み込んだ飯の旨さ、カリッとした肉の芳ばしさ、そして何よりも豆自体が驚くほど上等な味わいに変貌するのが嬉しいですね。

アメリカンピザ

プルデンシアのサラミはピザに最適

リーズナブルなサルシチョンとは言え、イベリコ豚ではあるので、アメリカの定番サラミを使ったペパロニピザよりもコクのある仕上がりになります。

ペパロニは唐辛子が練り込まれているので、タバスコやホットソース、一味などを振りかければドミノ・ピザで販売しているペパロニピザのイメージに近づきます。

写真では身近にあったものは適当に載せましたが、大抵の野菜とならば美味しく仕上がり、ビールのお供に最高でしょう。

総評

最近は管理人が世界のサラミを食い尽くし企画中の為、本製品をそのまま食べてみる他社のものよりもイベリコ豚自体の素材の旨味と熟成具合は物足りなく感じました。

しかし、加熱すると化ける素材の1つであり、使い方が分かれば日本で販売してるサラミの半額以下で楽しめる良品ですね。

単純にスライスして美味しいサラミ系統を求めているならばより熟成と乾燥させたタイプの製品(特にスペインのフエ)がオススメです。

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